荒木麻美のパリ生活

フランス空軍基地で開催された大規模航空ショーとル・ブルジェ航空宇宙博物館に

 昨年の話ですが、2025年5月24日と25日、「Meeting de l'Air 2025」という航空ショーに行きました。主催はFOSA(フランス空軍社会事業財団)で、フランス各地の空軍基地で持ち回り開催されています。去年はパリから120kmほどのところにある、オルレアン=ブリシー空軍基地でした。フランス空軍が誇る一大航空イベントというだけあり、とにかくものすごい人にビックリ。来場者は2日間で約4万3000人でした。

広大な臨時駐車場があっという間にいっぱいに。帰りは1時間ほど出られませんでした

 会場には性能のよさそうなカメラで写真を撮りまくっている人や椅子を持ち込んでひたすら空を眺めている飛行機大好き勢のほか、近くに住んでいるのか、ピクニックがてら家族でワイワイと楽しんでいる人たちもたくさんいました。

航空ショーの様子

 注目を集めていたのは「A400Mアトラス」。多目的軍用輸送機で、最大約37トンを長距離輸送できます。オルレアン=ブリシー空軍基地は、フランスで唯一A400Mを配備しています。

A400Mアトラス

 個人的には多用途戦闘機の「ラファール」は、美しいなと思いました。低空でダイナミックに飛ぶ姿は、純粋にかっこよかったです。私が見たタイプはオールフランス製、一人乗りで、制空、対地攻撃、対艦、偵察、核抑止までこなせます。

ラファールM
ラファールソロ

 そのほかたくさんの機体やデモンストレーションを見て帰路につきました。なお、2026年の航空ショーは5月30日と31日、コニャック=シャトーベルナール空軍基地で開催予定です。

C130J
ダグラス C-47 スカイトレイン
ユーロファイター タイフーン
アルファジェット
特別塗装のアルファジェット
スタンペ
ロッキード T-33
ノラトラ
スカイアロー 500TF
H225カラカル

 航空ショーが予想外に楽しかったので、その後しばらくしてから、パリ郊外のル・ブルジェ航空宇宙博物館にも行ってみることにしました。パリ北東部、ル・ブルジェ空港内にあり、世界最古級・最大級の航空宇宙博物館です。隔年で開催される航空宇宙機器の国際見本市、パリ航空ショーの会場としても有名です。何となく遠いイメージがあったのですが、パリの自宅からは、バスで1時間もかからずに到着です。

ル・ブルジェ航空宇宙博物館

 博物館はとにかく広いのですが、私が見たかったのはまずは「コンコルド」で、あとは航空ショーに関連したところで、「ラファールA」でした。

 博物館には2機のコンコルドが展示されています。1機は初期のプロトタイプで、もう1機は実際に運航された機体です。

コンコルドF-WTSSとF-BTSD

 コンコルドは世界初の商用超音速旅客機として運航され、最高速度約マッハ2を誇りました。しかし 2000年7月25日、パリ・シャルル・ド・ゴール空港離陸直後に墜落。犠牲者約100名の大事故となりました。このとき私はまだパリに住んでいなかったのですが、夫はこのときのパリの様子を鮮明に覚えており、あちこちの道路が封鎖されて大混乱だったこと、フランス国民全体が大きなショックを受けたことなどを話してくれました。

 その後、コンコルドは2001年に運航を再開しましたが、需要減・高コストなどにより、2003年に全機退役となります。

 ラファールの初期型モデルであるラファールAは、1986年に初飛行し、1994年に867回の飛行を経て引退しました。その後、2009年に博物館に寄贈され、現在は屋外の展示エリアで一般公開されています。

ラファールA

「エアバス A380」の飛行試験機も展示されています。この機体はエアバスから寄贈され、2018年から一般公開されています。A380は世界最大の旅客機として知られ、総2階建ての構造が特徴です。すでに生産は中止されていますが、日本をはじめ、世界中で運航されています。博物館では、このA380の姿を間近で見ることができ、さすがの迫力でした。

エアバス A380

 エールフランスの黄金期を担った「ボーイング 747」は内部も見られます。ファーストクラスのラウンジや、床を取って、貨物室も見られるようになっています。

エールフランス 747
エールフランス 747

 1872年に最初の有人飛航に成功した飛行船ゴンドラ、1908年末に完成した、世界最初期の軽飛行機「デモワゼル」、1930年にパリ~ニューヨーク無着陸飛行に成功した「ブレゲ19」など、興味深い展示が盛りだくさんでした。宇宙部門やプラネタリウムもあり、とても1日では見られないので、また行きたいと思っています。

飛行船ゴンドラ
デモワゼル
ブレゲ19

 乗り物全般にいえることですが、その魅力は単なる移動手段ではなく、速く・遠く・大量に運ぶことへの挑戦だったり、操縦する喜びだったり、その美しさや歴史・物語だったりにあるのでしょう。それを十分に感じることのできた航空ショーと博物館訪問でした。

荒木麻美

東京での出版社勤務などを経て、2003年よりパリ在住。2011年にNaturopathie(自然療法)の専門学校に入学、2015年に卒業。パリでNaturopathe(自然療法士)として働いています。Webサイトはhttp://mami.naturo.free.fr/