荒木麻美のパリ生活

パリのストリートアートを探そう。60年の歴史をたどる展覧会「CAPITALE(S)」

 パリのストリートアート60年の歴史を、70名のアーティストとともにたどる展覧会「CAPITALE(S)」がパリ市役所で3月末まで開催されています。

 ストリートアートというと「町の景観を乱すただの落書きでしょう?」という人は多いのではないでしょうか? 私もその一人でした。でもギャラリーで作品として展示されたり、バンクシーの作品のように、プレミア価格で取引されたりする作品も多くありますよね。ストリートアートについてもう少し知りたいと思い、展覧会に行ってきました。

 展覧会にあった説明によると、ストリートアートとは、公共の場で表現する芸術運動のこと。1960年代前半に、アメリカのフィラデルフィアで生まれたといわれています。この分野のアーティストは、政治的、社会的、環境的なメッセージを掲げて活動するのが特徴だそう。

 会場にはアーティストたちが来て描いていった作品も多数。私が持っていたストリートアートのイメージをくつがえすような美しい作品もあり、一つ一つを興味深く見ていきました。

アーティストが来場して描いた作品も多数展示されていました
フランス人ストリートアーティスト、インベーダーによる作品がパリのどこにあるかを示したマップ

 展覧会後、ストリートアートを違った目で見られそうだなと感じたので、近所のストリートアート探しに出かけました。歩いたのはポンピドゥー・センター近現代美術館周辺と、おしゃれなブティックやギャラリーが多いマレ地区です。どんなストリートアートがあったのか、一緒に見て行きましょう!

ポンピドゥー・センター近現代美術館
ポンピドゥー・センター近現代美術館周辺はストリートがたくさん!

 展覧会にマップがありましたが、フランス人ストリートアーティスト インベーダーの作品はパリのなかでも特にこの辺に多数! 世界的な大ブームを巻き起こしたシューティングゲーム「スペースインベーダー」のキャラクターをモチーフにした作品です。作品を見つけてポイントをゲットする公式ゲームアプリもあるので、これでチェックをしながら歩くのも楽しそうですね。

アプリで確認していないので、すべてが本物かどうか分かりませんが、インベーダー作っぽい作品たち

 2時間ほどの散策で大小さまざまのストリートアートがあって驚きました! 何を伝えたいのか、いろいろと想像を膨らませながらストリートアートを探してみると、これまでとまた違った角度からパリを楽しめそうです。

オペラの「日本人街」にあったインベーダーの作品。アプリで確認したところ、本物でした! 40ポイントゲット
パリ郊外に建設中の、我が家が入る予定のアパートの地下。ここでミュージックビデオの撮影が行なわれたそうで、ミュージシャンの顔が残されていました。ストリートアートとは言えないかもしれませんが、消してしまうのはもったいない!
荒木麻美

東京での出版社勤務などを経て、2003年よりパリ在住。2011年にNaturopathie(自然療法)の専門学校に入学、2015年に卒業。パリでNaturopathe(自然療法士)として働いています。Webサイトはhttp://mami.naturo.free.fr/