旅レポ

鮮やかな絶景の錦帯橋近辺と瑠璃光寺を巡る。山口DC「万福の旅 おいでませ ふくの国、山口」のお得なパスをフル活用

山口デスティネーションキャンペーンで見どころの1つ、国名勝指定の錦帯橋。美しい構造の5連木造アーチ橋

 JRグループとおいでませ山口観光キャンペーン推進協議会は、「山口デスティネーションキャンペーン」として、「万福の旅 おいでませ ふくの国、山口」を10月~12月にかけて開催する。

 デスティネーションキャンペーンとは、JRグループ、地方自治体、地元観光関係者、旅行会社が一致協力し、開催期間中におトク旅行商品やポイントキャンペーン、限定企画などを提供するもの。

 開催に先だち、JR西日本の主催で錦帯橋や秋吉台を周遊する見学会が行なわれた。その様子を前後編に分けてお届けしていく。

山口DCを満喫するなら「tabiwa by WESTER」アプリを最大限活用しよう

 今回の山口DCを満喫するには、JR西日本が提供する北陸・せとうち・山陰・九州観光のナビアプリ「tabiwa by WESTER」(Android/iOS)をスマホにインストールし、WESTER IDでログインしてから向かうことをオススメしておきたい。

 期間中「山口ふくの国周遊パス」と呼ぶ、山口県内のJR在来線全線のほか、移動に便利なバスなどの二次交通、観光施設への入場券などがセットになったおトクなデジタルパスが、このアプリ限定で大人5000円(子供2500円)で購入できる。ほかにも、記事内で紹介する多くの限定企画が、本アプリで期間限定のデジタルパスとして販売する。

観光ナビアプリ「tabiwa by WESTER」で「山口県」を表示
期間中デジタルパスの「山口ふくの国周遊パス」が販売される

 また、山口県の新たな観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」のシンボルマークになっている「ふくだるま」は山口DCでも各所で使われていて、かわいいグッズとともに県内のさまざまな場所で目にするはずだ。

 グッズはおみやげ店や観光案内所などで購入することができる。「ふくだるま」は4色が基本色になっていて、山口DCの特別カラーとして金色の「ふくだるま」を追加している。

広島駅で見かけた山口DCのフォトスポット
「おいでませ ふくの国、山口」シンボルキャラクターの「ふくだるま」ぬいぐるみが詰め込まれている
山口DCの解説付き

 東海道・山陽新幹線で東京方面からもっとも速いのは「のぞみ」、新大阪からや九州新幹線からだと「みずほ」に乗ることになる。これらで山口観光に向かう場合、起点となる停車駅は少し東側の広島駅になる。一部列車は、新山口駅にも停車する。ここから「ひかり」や「こだま」に乗り換えて目的地近辺まで向かうことになる。今回の往路でも、広島駅で乗り換え、瑠璃光寺の最寄り駅になる新岩国駅からツアーが始まっている。

新幹線「のぞみ」や「みずほ」を使うと速い。これは復路の新山口駅での「のぞみ」
往路に広島駅から新岩国駅まで乗車した「こだま」は、700系を使った「ONE PIECE新幹線」のせとうちブルー号だった
窓周辺にONE PIECEの装飾
扉横にもデザインしている
座席のヘッドカバーも特別デザイン
新岩国駅には錦帯橋の模型を展示していた
近くに宇野千代さんの生家もあるため、その展示も

名勝の錦帯橋からロープウェーで山頂の岩国城に登って歴史と絶景を堪能

 錦帯橋(きんたいきょう)は、国指定名勝の日本を代表する木造橋。全長は約200mあり、5連の美しいアーチ構造となっている。1673年に岩国3代藩主 吉川広嘉により作られた。現在の橋は1953年(昭和28年)に3代目として再建されたものだが、初代は1950年9月の台風29号の洪水で流されるまで、276年間も保たれていたという強い構造の橋となっている。

「山口ふくの国周遊パス」には、錦帯橋往復の渡橋券が含まれている。JR新岩国駅(1時間に1~2本と少なめ)、もしくはJR岩国駅(10~15分ごと)から錦帯橋行きのバスが運行しているが、このバス運賃は「山口ふくの国周遊パス」には含まれていないので注意してほしい。どちらの駅からもクルマでおおよそ15分ほどだ。

国指定名勝の錦帯橋
5連のアーチ構造が美しい。中央部の橋桁は強い石積み
たもとの方は木造の柱になっている
アーチ構造を下から見たところ。独特の錦帯橋式アーチ構造という
木材が幾何学的に組み合わされていて美しい
下は、橋桁が流されないように石が広く敷かれている
橋を往復するには渡橋券が必要。「山口ふくの国周遊パス」には往復分が含まれている
アーチ部は階段状になっている
千年クギという丈夫なクギが使われている
錦帯橋の上からの景色。下を流れるのは錦川
下を見ると投げ縄漁をしている人がいた
鮎がたくさん捕れたようだ。それにしても水がきれいだ
1950年(昭和25年)に橋が流されたときの写真。流されないように桶を乗せている
近隣にはおみやげ店や食堂などがたくさんある
近くには吉香公園がある。錦帯橋を作った吉川広嘉(きっかわひろよし)の像が建っている
公園の周囲に旧岩国藩家老の屋敷跡が残っている
県指定文化財香川家長屋門。岩国藩家老香川氏の表門
周囲には内堀の跡も残っている
内堀周辺でアヤメが群生している吉香花菖蒲園。開花の時期は、かなり見応えがあるとのこと
錦帯橋周辺では鵜飼も盛ん。漁で活躍するウミウも見学することができる
柏原美術館。奈良時代から江戸時代の古武具などが展示されているそう。当日は休館日
岩国シロヘビの館
天然記念物のシロヘビが見れるとのこと
周辺にはお屋敷風のカフェもあった
吉香公園周辺の案内図。名所は多く時間が許せばもっとジックリ楽しめる
ロープウェーで岩国城のある山頂を目指す

 吉香公園を抜けたあたりにロープウェー乗り場があり、ここから岩国城のある山頂に約3分で登ることができる。ロープウェー料金は、往復で大人900円。岩国城天守も最上階にも登りたいなら、観覧料は大人350円。これらは「山口ふくの国周遊パス」に含まれていない。

ロープウェーからの景色。岩国の市街を一望できる。遠くに見える海は瀬戸内海
山頂駅に着いた。2つのルートがある。広い道を選んだ
舗装された緩やかな坂を行く
途中に、1996年に復元された旧天守台がある。自然石のまま積み上げた野面積み
空堀の跡。侵入を防ぐために深く掘られている
岩国城天守。岩国藩初代藩主 吉川広家によって1608年に築かれたが、7年後に一国一城令にて壊されている。現在あるものは、山麓から見えやすい場所に変え、1962年に再建されたもの
天守の観覧料は、大人350円。刀剣などの展示物も多い
日本100名城のスタンプがあった
岩国城天守の最上階からの眺望。瀬戸内の島々まで見渡すことができる
錦帯橋もよく見える
海岸沿いに見える岩国基地。自衛隊と米海兵隊が共同使用。民間航空も岩国錦帯橋空港として利用
帰り際に大手門側から天守を見る
破壊から免れた城壁も一部残っている
城壁の苔が美しい
ロープウェー山頂駅付近にあるからくり時計。時刻を告げるときに鵜が回転する
岩国城の周辺案内図
今回ガイドを担当してくれた岩国観光ガイドボランティアの波羅さん。現地で直接声をかけて無料ガイドを頼むか予約も可能
昼食は錦帯橋わきにある岩国国際観光ホテルで「tabiwa限定 長州どりのステーキランチコース」をいただく
tabiwaアプリで地域のグルメを検索してみよう
今回のtabiwa限定コースは3000円とお値打ち価格
岩国国際観光ホテルは錦帯橋のすぐ近く
席は錦帯橋が一望できる大きな窓がある

NHK朝の連続小説でモデルとなる作家、宇野千代さん生家見学

 錦帯橋から徒歩で20分程度のところに、小説家の宇野千代さんの生家があり、内部も見学可能だ。入館料は大人310円。火曜日は休館なので注意してほしい。岩国駅からだとJR岩徳線・錦川清流線の川西駅からが近い。

 この秋から、NHK朝の連続小説で宇野千代さんをモデルにした「ブラッサム」が放送予定となっている。放送後しばらくは混雑が予想されるので、この秋早めに訪れた方がいいだろう。Webサイト「岩国ちよ散歩」では、宇野千代さんゆかりの周辺案内図や、9月から始まったキャンペーン情報がある。

宇野千代さんの生家。古い木造家屋がそのまま残っている
生家を示す標が立っている
玄関上に直筆の表札
庭には植物が多い。秋に紅葉が始まると一段とよさそうだ
庭に井戸がある。パネルのあるフォトスポットが作られていた
五右衛門風呂だ
一番広い居間。右に執筆用の机が庭を向くように置かれている
執筆用の机には、宇野千代さんが書いた手紙が置かれていた
隣に和室が2部屋
着物が飾られた部屋
使われていた陶器を展示していた
映像を鑑賞する部屋
生家に向けた著名人のサイン
ファッション誌の編集者としても活躍した
グッズ販売もある

鉄道の街「新山口駅」「SLやまぐち号」はC57形1号機が復活

 新岩国駅より西側には新山口駅があり、ここにも新幹線が停車する。後編で紹介する秋吉台周辺の山口観光で、西側の拠点の1つとなる駅。山陽線、山口線、宇部線も発着し、「SLやまぐち号」の発着駅でもある。

「SLやまぐち号」は、新山口駅~津和野駅間を走るSL観光列車だ。1979年に運転を始めて以来、C57形1号機がけん引していたのだが、2020年から故障による修理となり、D51 200号機がけん引を担ってきた。この10月から、山口DCに合わせて、C57形1号機を復活させる。

 残念ながら転車台にSLの姿は見れなかったが、周辺を簡単に紹介しておこう。北口はリニューアルされていて観光案内所もある。街はレトロな雰囲気が漂う。

新山口駅の北口側は大規模にリニューアルしていて、ベンチなど休憩スペースも多い。小さなカフェがある
自由通路には緑の壁。パトリック・ブラン氏が手掛けた壁面緑化
一角に観光案内所がある
D51 200号機のフォトパネルとジオラマがあった
「おいでませ ふくの国、山口」の「ふくだるま」グッズ販売コーナーもあった
「ふくだるま」ストラップマスコットも5色の全色揃っている
流行のマンホールカードも配布中
アンケートに答えて1枚いただいた。SLやまぐち号デザイン
北口バス乗り場の壁にSLシルエット。後ろに見えるのは山口線「SLやまぐち」が発着する1番ホーム
南口にはD51の車輪モニュメント。新幹線開通記念だ
北口の街を散歩。レトロな雰囲気
マンホールカードの実物を発見した

 新山口駅から20分ほど歩くと、山口市小郡総合支所の敷地内にD51 813号機が展示されている。せっかくなので、SLの姿を見に立ち寄ってみた。

 新山口駅はかつて小郡駅だった。機関車の向きを変える転車台があり、乗り入れる路線が多いことからも分かるように、ここは鉄道の街。D51はデゴイチと呼ばれ、力強い姿から人気があったSLだ。C57は貴婦人と呼ばれるほど、優美なデザイン。その違いを「SLやまぐち号」で楽しむのもいいだろう。

山口市小郡総合支所にD51 813号機が展示されている
ボイラーが太めで車輪も大きい
運転室に乗り込むこともできる
今にも走り出しそう。幼少期には、SLはまだ走っていた

山口が誇る国宝瑠璃光寺五重塔

 新山口駅から山口線に乗りすぐ近くの山口駅では、山口が誇る国宝の瑠璃光寺五重塔を見ることができる。2025年12月まで行なわれていた、約70年ぶりの檜皮葺屋根の全面葺き替え工事が終了していて、日本三名塔の1つに数えられる五重塔の立派な姿を見ることができる。

 山口DC期間中には、「国宝瑠璃光寺五重塔 御開帳・特別拝観」「国宝瑠璃光寺五重塔特別拝観から始まる 地元ガイドと辿る山口の歴史散策」「厳かな能楽堂で時を刻む“山口鷺流狂言”体験 -野田神社能楽堂-」といった特別企画が実施される。詳しくはリンク先を参照してもらいたい。

国宝瑠璃光寺五重塔。室町時代1442年ごろに建立された
五重塔と木々と調和して美しい。檜皮葺屋根で勾配が緩やか
2重目には縁高欄という回廊がある
近寄って見ることもできる
山口DC期間中特別にこの扉が御開帳される
瑠璃光寺が見える
瑠璃光寺の境内
回廊があり中庭となっている。五重塔の石像が見える
大念珠。念じながらゆっくり回し数珠を静かに8個落とす
もちろん御朱印もある
駐車場横に「西の京やまぐち物産館 長州苑」がある
おみやげ店やレストランがある。休憩にピッタリ
レストラン香山で山口名物の「瓦そば」をいただく。瓦の上で茶そばを焼いて、肉などと混ぜて食べる。山口を訪れたらぜひ食べてみたい地元グルメ

山口に入る前後に便利な「ホテルグランヴィア広島」

 最後に、今回宿泊した「ホテルグランヴィア広島」を紹介しておこう。ホテルは広島駅のコンコースに直結していて、アクセスは抜群だ。広島駅は、山口県東側を周遊する拠点として新幹線「のぞみ」「みずほ」が停車し、宿泊施設が多く便利な位置にある。旅の前後で一息入れる宿泊に、うまく活用してみてほしい。

「ホテルグランヴィア広島(写真右)」と「ホテルグランヴィア広島サウスゲート(写真左)」。どちらも広島駅に直結している
広いロビーがある。右にレセプションカウンターがある
スタンダードタイプの客室。広めの机がある
浴室とトイレ
コンコースと直結している。ほかにメインエントランスもある
2階に電車の記念フォトスポットがあった

 次回の後編は、山口県の西側で厚狭駅から美祢駅まで美祢線代行バスに乗り、さらに次世代モビリティ e-Paletteを使った「美祢ぐるっと号」で秋吉台周辺を巡り、長門湯本まで旅を紹介していく。

村上俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、Web媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。