旅レポ

クイーン・エリザベス乗船2日目は終日海の上。アクティビティに劇場、ディナーとお楽しみは目白押し!

2日目は丸1日船上で過ごします

 キュナード・ライン主催のクイーン・エリザベス「シドニー~メルボルン3日間」プレスツアーの旅レポ。3回目の今回は、参加したアクティビティや夕食、ランチの様子をご紹介します。

ディナー、ショー、カクテルバーと食べて飲んでの出航日

1~2階の2フロアからなるブリタニア・レストラン

 前稿でご紹介したとおり、クイーン・エリザベスはお部屋のタイプごとに利用できるメインダイニングが決まっています。スタンダードの「ブリタニア」というカテゴリーだった今回のクルーズでは、夕食は2回とも「ブリタニア・レストラン」でいただきました。

素敵なテーブルセッティングにうっとり

 ブリタニア・レストランは船の一番後ろ、船尾に位置します。窓側の席を予約されていたので、航跡とその後ろに遠ざかっていく陸地を見ながらのロマンチックなひととき。これも船旅ならではの非日常な体験です。ちなみにドレスコードは出航パーティのあとなので、そのまま「スマート・アタイア」。男性はジャケット着用、女性はカクテルドレスやスーツ、ワンピースといった服装でした。

シドニー出航からしばらくついてきていたタグボートはこのあとさようなら

 ディナーは前菜、スープ、主菜、デザート、コーヒー&プチフールというコース料理。前菜とメインとデザートは4種類から、スープは2種類からチョイスします。テーブルごとに専任ウェイターさんが給仕してくれて、ちょっとした会話も楽しい思い出に。

メニューは日本語の表記がありました

 気になるチップですが、クイーン・エリザベスではレストランスタッフや客室係へのチップはその都度渡す必要はありません。一律で船内会計に計上されるシステムになっていて、例えばブリタニア・レストランの場合、1人1日11.50米ドル×宿泊数分です。

ワイルドマッシュルームのリゾット、アスパラガスのヴルーテソーススープ、牛肉のパイヤール、温製チェリークラフティタルト

 ゆっくりディナーを堪能したあとはショーを観にロイヤル・コート・シアターへ。場所は船首側になるので、船の一番後ろから一番前に移動します。廊下を歩いたりエレベーターに乗ったりしていると、船のなかという感覚は薄れてきて、ホテルにいるのとほぼ同じ気分でした。

船内の廊下やエレベーター

 この日はロイヤルキュナード歌手&ダンサーによる「ハリウッドナイト」というオリジナルショーがありました。“ハリウッド映画の歴史を体感する過去から21世紀への旅へ皆さまをお連れします”と謳うだけあって、懐かし過ぎる映画音楽が満載! それが生のオーケストラ演奏で楽しめるのです。

デッキ1~3の吹き抜けで、船のなかとは思えない大きさのロイヤル・コート・シアター。ショーの最中は撮影不可なので、事前に撮った写真です

 どの年代でも必ず1曲は知っている曲があるのが映画音楽のいいところ。映画「タイタニック」の主題歌「My Heart Will Go On」も披露されるというブラックジョーク(?)もあったりして盛り上がりは最高潮に。ちなみにショーは部屋のテレビでもライブで観ることができます。

ホールの左右にはボックス席も

 ショーを観終わったあとはデッキ10の船首にあるカクテルバー「コモドアー・クラブ」へ。“コモドアー”とはキュナードのキャプテンのなかから選ばれる最高位の称号のこと。キュナードの名コモドアーの在りし日を彷彿とさせるカクテルをお勧めされたので、記念すべき出航日の夜は甘いお酒で〆ることに。

カクテルバー「コモドアー・クラブ」はデッキ10の船首というクイーン・エリザベスの“特等席”に位置します

 いただいたのは「パンチ・ロメーヌ・ア・ラ・カルパチア」というカクテル。タイタニックの救出にあたったキュナードの客船、カルパチアの船長を務めたコモドアー、アーサー・ロストロンさんをイメージして作られているのだとか。クリーム系のリキュールが入った甘いカクテルでした。

カルパチア号のアーサー・ロストロン船長のイラストが鉛筆画で描かれたカッコいいメニュー
昼間の「コモドアー・クラブ」。船首の高い階にあるので眺めが最高です

 部屋に戻って長い1日がようやく終わる~!かと思ったのですが、寝る前にもう1つやることがありました。朝食のルームサービスオーダーです。注文票に記入して午前1時までに客室外のドアノブに掛けておかないといけません。その後シャワーを浴びてベッドに横になったら、あっという間に眠りについていた初日の夜でした。

部屋の入り口のプレートにはデイリープログラム(新聞のようなもの)が届けられます
朝食をルームサービスで希望の場合は注文票でオーダーします

終日海の上で過ごした2日目がスタート

海だー!

 クイーン・エリザベスで目覚めた朝。カーテンを開けると視界には青い空と青い海だけ! これは感動であります。テレビをつけてチャンネルを変えていると「今、ここを航海中ですよ」を放送する番組を発見。操舵室からのライブカメラ映像も観ることができました。

ベッドからバルコニーを眺めるの図
シドニーを出発して南下中です
ほぼ変化のないライブカメラ映像
バルコニーに出てみましたが寒いっ!

 そうこうしているうちにドアがノックされ、ルームサービスの朝食が届きました。ちゃんとした食器やカトラリーで、コーヒーもポットにたっぷりと入っています。さっそくテーブルにセッティングして「いただきま~す♪」。

朝食はこんな感じで届きました

 もちろんレストランに行ってもいいのですが、着替えてメイクして廊下を歩いてエレベーターに乗って……、と考えたらちょっと億劫になることも。お部屋のバルコニーで海を見ながらの朝食タイム(今回は寒さにめげましたが)優雅な気分に浸れてお勧めです。

キュナードのマークの入った食器。コーヒーはポットにたっぷりと
もっといろいろ注文して豪華にすればよかったと後悔
バルコニーにセットしたけれど寒過ぎて30秒で断念

無料デジタルサービス「My Voyage」や、インターネット購入について

折り込めばポケットサイズになる船内ガイド。クルーズカートも差し込めるサイズになっていました

 乗船中はスマホやタブレットなどで「My Voyage」というデジタルサービスにアクセスすることができます。この「My Voyage」は、レストランやツアーの予約や管理、船内で使った金額の確認などができたりするもので、船内Wi-Fiを経由して無料で接続できます。

「My Voyage」のトップ画面
ブリタニア・レストランには現在3人が並んで待っていることが分かったり……
有料ドリンクやお買い物で自分がいくら使っているかが確認できます

 有料ですがインターネットに接続することも可能です。プランは2通りあって、Web検索やメール、音楽ストリーミング、SNS投稿などの基本的なことができるエッセンシャルプランは$24/日(24時間)。全クルーズ日数分を購入する場合は$18/日と割引価格になります。

 基本プランに加えて、ビデオのダウンロードができたり通信速度3倍という内容のプレミアムプランもあって、こちらは$36/日(24時間)。全クルーズ日数分を購入する場合は$24/日。購入方法は日本語での説明書もあるのでご安心を。

 私は購入しなかったのですが、基本プランを利用した人によると、デッキ(部屋)では多少通信速度が遅いと感じたものの、レストランなどのパブリックスペースでは問題なかったそうです。

部屋に毎日届く「Daily Programme(英語)」はいわゆる船内新聞。ショーやイベントの場所や時間をこれでチェック。日本語版デイリープログラムもあります

水彩画クラスに参加してみましたの

ブリタニア・レストラン前に出ていた「Art Class」の看板。いざ!

 唯一の終日航海日だった2日目。(せっかくクイーン・エリザベスに乗っているんだから何か特別な思い出になることをしてみたいな~)と、朝食を食べながらデイリープログラムを眺めていたところ「10:00am 水彩画クラス」の文字を発見。

 イラストレーターの端くれとしては、ラインダンスでもなくズンバでもなく、はたまた社交ダンスクラスでもなく、これに参加すべきではないですの~!?ということで大急ぎで着替えてブリタニア・レストランへ。

最初のお題は「ハートを描いてみて」とのことだったので……
次のお題はよく分からなかったのでゆきぴゅー登場

 レストランの一角に作られていた水彩画レッスン会場。すでに10名ほどのゲストがスケッチブックを広げていました。日本人は私だけで、ほかはほぼ西洋人の女性。なかにはお母さんと一緒に参加しているお子さんの姿も。水彩画セットを$35で購入して(といってもクルーズカートを提示するだけですが)空いている席につきました。

 教えてくれるのはピンクの服を着たトレイシー先生。講座はもちろん英語ですが、簡単なお題が出されるので、それっぽいものを好きなように描くというゆるい感じ。何をどう描いても「Amazing, Yuki!」と褒めてくれる優しいトレイシー先生でした。

次は色を重ねてにじませてみましょうみたいなお題だったような……
最後の方はお題を無視してタイタニックゆきぴゅーを描いてみたり

 この水彩画クラスでは、同じテーブルに座った年配女性とおしゃべりすることができたのがいい思い出。彼女はクルーズ常連客のようで「もちろん日本にも行ったことがあるわよ」と、日本で体験した刺繍や刺し子などの写真をスマホで見せてくれたりも。レッスンが終わると旦那さまが迎えに来るというなんともうらやましいご夫婦だったのでした。

ランチは英国パブ「ゴールデン・ライオン」でフィッシュアンドチップスとビール

英国式パブ体験ができるゴールデン・ライオン

 2時間の水彩画レッスンを楽しんだあとは英国パブ「ゴールデン・ライオン」へ。ここのフィッシュアンドチップスとビールがランチタイムに大人気とのことで、同行の記者さんたちとシェアしながらワイワイと楽しい時間を過ごしました。

奥がフィッシュアンドチップス

 食べ物は基本クルーズ代に含まれるのでどんどん注文しちゃいます。ビールは有料ですが、樽から注ぐいわゆるドラフトビールが$6台と、思っていたよりもリーズナブルでびっくり。ちなみに船内の有料ドリンクの価格はすべて米ドル。オーストラリアにいるからといって豪ドルではありません。ほかのテーブルではお誕生日祝いでハッピーバースデーソングを家族で歌っていたりと大盛況のゴールデン・ライオンでした。

ライオンが描かれたメニュー。ビール、ワイン、ソフトドリンクなどいろいろ揃っていました

 次回は、まだまだ食べて飲んでが続く2日目後半と下船日の様子をご紹介します。

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。