旅レポ

ハワイ文化をより身近に感じられるホテルにリニューアルした「アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート」に泊まってみた

真ん中の建物がアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート(全635室)。ワイキキビーチがまさに目の前にある

 いくつもの島々から成るハワイ諸島の中心であるオアフ島。そのなかでもワイキキビーチ周辺はリゾートホテルが立ち並び、ハワイを訪れる観光客にとって、もっとも人気のあるエリアだ。その数あるホテルのなかでも日本人に人気なのが、アウトリガー・ホテルズ&リゾーツが運営する「アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート」(2169 Kalia Rd Honolulu, HI)。

 新型コロナウイルスが流行する前は宿泊客の3割を日本人が占めていたそうだ。同ホテルは2020年から大型全面改装工事に入っていたが、一部を除き、リニューアルが完了した。今回のリニューアルでは、客室を全面改装したのに加え、滞在中にハワイ文化を満喫できるよう各所をアップグレードしている。

アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートは三角屋根のエントランスが目印
南国情緒たっぷりのエントランスがハワイ気分を盛り上げてくれる

 エントランス周辺で目新しいのは、ハワイアートで飾られた落ち着きのある「ハーブ・カネ・ラウンジ」。アーティスト兼歴史家で、パシフィック航海協会創立メンバーであるハーブ・カワイヌイ・カネ氏(故人)の名前を取ったこのパブリックラウンジには同氏の原画4点が飾られており、横一面にはマルケス・ハナレイ・マルザン氏が手掛けた麻縄とココナッツを使ったアート作品が来訪者の心を落ち着かせてくれる。開放的で風通しのよい空間は、ついつい時間を忘れてしまうほど心地よい。

 夜になると中庭のプールサイドにある「カニ・カ・ピラ・グリル&バー」では地元の著名なミュージシャンによる演奏も行なわれるので、そちらに耳を傾けながらゆっくりするのもオススメだ。ほか、エントランス横にあったスターバックス コーヒーも改装中で、こちらは広さが約2倍になって2022年内にオープンする予定だ。

ハワイの風が吹き抜けるハーブ・カネ・ラウンジ
エントランス脇にある「アウトリガー」(転覆防止用の浮き)を備えた年代物のカヌー。キレイにリファインしている
マルケス・ハナレイ・マルザン氏の作品「エイア ハワイ・ヘ モク・ヘ カナカ」(ハワイという島、ハワイという人)
日本語対応可能なスタッフもいるチェックインカウンター
地元の人も音楽と食事を楽しみに訪れるカニ・カ・ピラ・グリル&バー

 エントランスから少し奥にある「アオ・カルチャー・センター」も同ホテルならではの施設だ。ポリネシア航海協会やフレンズ・オブ・ホクレア&ハワイロアなど、ハワイの伝統を伝える団体と利用客をつなぐ場所として利用されてきたが、展示スペースを2倍に広げ、より多くのハワイ文化を学べるようになっている。こちらでは、20年以上の経験を持つカルチャー・ディレクターのルアナ・メイトランド氏、通称「アンティ・ルアナ」(ルアナおばさん)からフラやウクレレを習ったり、レイやククイナッツを使ったクペエ・ブレスレット作りを学ぶことができる。余談だが、展示されている資料は貴重なものも多く、夜間は厳重に施錠した上にガードマンがしっかりと警備するそうだ。

宿泊客はハワイ文化を無料で学べるアオ・カルチャー・センター
同ホテルのアロハ大使ことルアナ・メイトランド氏がハワイ文化を教えてくれる。生活のなかで使われていた貴重な資料も見ることができる
アオ・カルチャー・センターの斜め向かいにはカメア・ハダー氏が制作した絵画「イ カ ワ マ ムア・カ ワ マ ホープ」(過去があるから未来がある)がある

 ワイキキビーチが目の前という素晴らしいロケーションにある客室も紹介しよう。同ホテルは海側のオーシャン・タワー、陸地側のパシフィック・タワーの2つの客室棟があるが、今回は海側のオーシャン・タワーのなかで眺望のよい2タイプの客室を紹介する。まずは「ダイアモンド・ヘッド・オーシャン・ビュー」だ。その名のとおり、ホノルルのシンボルでもあるダイアモンドヘッドが部屋から見えるロケーションが旅行客の心をわしづかみにする。ラナイ(バルコニー)にはイスとテーブルが置かれており、ハワイの風を受けながらダイアモンドヘッドとエメラルドグリーンの海を見ながら過ごせるのが何よりの贅沢になる。

ダイアモンド・ヘッド・オーシャン・ビューの客室
エメラルドグリーンの海にダイアモンドヘッドが映える。眺めは最高だし、風も心地よく、来てよかったと思える瞬間だ

 もう一つは、筆者が宿泊させていただいた「オーシャン・タワー・オーシャン・ビュー」で、ダイアモンド・ヘッド・オーシャン・ビューより少し陸側に位置する部屋ではあるが、美しいワイキキビーチが目の前に広がる上質なロケーションには心が癒される。

 部屋は海を連想するブルーのカーペットが敷き詰められ、木材を使った家具と合わせて自然でトロピカルな雰囲気を演出している。ドレッサーの横にはパドルを模したパーティション、ハワイを題材とした作品が壁に数多く飾られているなど、ハワイらしさもそこかしこに感じられる。

 ベッドまわりには電源コンセントや充電用のUSBポートを備えたランプ、可動式の読書灯などが備わっているので、機能的な面でも不満は感じない。Wi-Fiも完備している(通信速度に合わせて無料と有料プランがある)。そして、ダブルベッドを備えた部屋にはバスタブも設置されているので、ゆっくりとお湯に浸ることもできる。日本人の好みを分かっているなと感じた。

 魅力的な客室はほかにも数多く用意されているが、リニューアルで新しく登場したものとして、正ベッドを3台設置したトリプルルーム(全27室)がある。ファミリーから女子旅まで、より多くのニーズを満たせる部屋として加わったとのことだ。

オーシャン・タワー・オーシャン・ビューの客室
ラナイからの眺め。利用時の注意書きも日本語で書かれている
アートが数多く飾られた室内。内装や家具も木材が多く使われており、とても落ち着いた雰囲気になっている
ベッドまわりには読書灯や多機能ベッドサイドランプがある
浴室と洗面所。浴槽はガラス板で仕切られており、水ハネを気にせずに済む
ペットボトルの廃棄を減らすため、客室にはウォーターボトルを用意している。ロビーや各フロアにある給水器で水を補充する

 ハワイ創業のアウトリガー・ホテルズ&リゾーツは、ワイキキ界隈やコナ島、マウイ島、カウアイ島などに多くのホテルを持ち、ハワイ文化を大切にしながら運営されてきた。今回紹介したアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートも、リニューアルでよりハワイ文化に触れられるリゾートホテルになっている。日本語対応可能なスタッフもいるので、初ハワイの人でも安心して過ごせるホテルと言える。

 2022年中には海側の低階層タワー「ダイアモンドヘッドタワー」の改装も終わる予定で、ボエジャー47クラブ・ラウンジ(現在はオーシャン・タワーで営業中)や最新設備のフィットネスセンター、スパトリートメントも用意されるので完成が楽しみだ。

目の前のビーチで伴侶が変わらぬ愛をハワイアン形式で再度誓う「バウ・リニューアル」も人気のアクティビティだ
野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。