旅レポ
ANA Pocketで巡る石垣島と隣島周遊の旅。八重山の食と自然、島時間に触れてマイルも貯まる
2025年3月31日 12:00
三寒四温で春に向かうと思いきや、突然25℃を超えて夏日になったり、雨でじっとり寒くなったりしている今日この頃。それでも全国で桜の開花が進み、いよいよ本格的な行楽シーズンが始まろうとしている。
ANAグループでマイル事業の企画運営、航空券の販売や旅行商品の造成、決済サービス「ANA Pay」の運営などを行なうANA Xは、移動でマイルが貯まるアプリ「ANA Pocket」で大幅な機能アップデートをはたしたほか、旅行商品ブランド「ANAトラベラーズ」で全額マイル支払い専用プランを新設したり、ANA Payにおけるキャッシュとマイルの残高を統合したりと、“新しいマイルの使いみち”でさまざまな取り組みをしている。
そんなANA Xのマイル経済圏を体験すべく、石垣島2泊のモニターツアーに参加してきた。主に実施したのは、ANA Pocketを使って島内のスポットを巡り、その日指定された複数箇所のチェックインを完了するとアプリ内のポイントが貯まる、というもの。このポイントはもちろんANAマイルへ交換できる。
初日:到着してすぐに石垣の食と自然を味わう
朝8時台の羽田発NH89便に乗って、お昼前の石垣島へ。最初に向かったチェックインスポットは“八重山諸島を食べつくせ!”をテーマに掲げる島食材の居酒屋「あじまー商店」(沖縄県石垣市大川250-3)。
2021年4月に開業したばかりの店舗は、島の繁華街・美崎町でユーグレナモールや730交差点にも近い好アクセスの立地。ランチタイムは石垣牛のハンバーグのほか、島産の刺身、豚ラフテー、ゴーヤチャンプル、八重山そばなど定食が充実しており、特にハンバーグは熱々の鉄板の上で半分に切って、目の前で焼きあげてくれる。到着してすぐに石垣島を五感で楽しめる食のスポットだ。
せっかくなので、あじまー商店から歩いて数分の「ユーグレナモール」(沖縄県石垣市大川203)へ。ここは土産物店などの集まる日本最南端のアーケードモールで、島産食材やスイーツ、自宅で島の料理を再現できるレトルト、その場で飲み比べもできる泡盛など、石垣土産がだいたい手に入る便利なスポットで、サーターアンダギーやソフトクリームなど食べ歩きメニューが充実しているのもポイントだ。
続いて、初日の宿へ向かう前にクルマでぐるっと島の北西部に回り込んで、船底から石垣の海のなかを観察できる「川平湾グラスボート」(沖縄県石垣市川平912-1)にも行ってみた。ガラス張りの船底越しに魚たちの泳ぐ姿やサンゴを眺めるアクティビティで、運がよければウミガメにも出会える。じっとしてうつむいていると酔いそう、と思う人もいるかもしれないが、湾から出ないこともあってほとんど揺れは感じられない。船はオーナーがこだわった作りとのことで、酔いにくい構造になっているとのこと。
初日の宿は、美崎町から海沿いに4kmほど西に進んだオーシャンフロントの「石垣島ビーチホテルサンシャイン」(沖縄県石垣市新川2484)。2016年に新館を開業、2019年に本館を全室リニューアルしたばかりで、ホテル内はとにかくキレイ。島の南西に位置するため、特にサンセットの美しさに定評のあるホテルで、実際、客室から水平線に沈む夕日がまぶし過ぎるほど近くに感じられることに驚いた。
壁一面の採光からは海しか見えないので、もし数日宿泊するなら何もしないで部屋でぼーっとする日を設けてもよいくらいの眺めのよさだ。
2日目:西表島のマングローブと由布島の植生を学ぶ
翌朝、隣島の西表島と由布島を訪れるために「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」(沖縄県石垣市美崎町1)へ。ターミナルは繁華街・美崎町の中心部にあり、複数の事業者が隣島ツアーを組んでいるため、最寄りの竹富島はもちろん、小浜島、黒島、西表島、波照間島へ船が高頻度で発着している。
西表島へは高速船で50分ほど。速度に比して双胴船なので揺れは少なめで、着席スペースが十分あることもあってかなり快適。むしろ揺れのせいか眠くなってしまうほど。
西表島・大原港で下船後はすぐに小さな船に乗り換えて、仲間川を遡る「仲間川マングローブクルーズ」(沖縄県八重山郡竹富町南風見201)を体験した。
ご存じの人も多いだろうが、「マングローブ」とは特定の品種ではなく、海水と淡水の交わる汽水域に育成する植物の総称で、八重山のマングローブ林では日本に存在する全7種すべてを見ることができる。特に多いのがヤエヤマヒルギとオヒルギで、この2種で全体の7割を占めているという。
西表島から由布島へは牛車で。これがなんとも風情があってよい。乗り場から由布島までの距離は直線で350mほどなのに、水牛ののんびりした歩みと、遠浅で穏やかに揺れる波を見ているうちに、前に進んでいるのか横に進んでいるのか分からなくなってしまう。御者(というのだろうか)は由布島の成り立ちを話していたかと思えば、いつのまにか手にした三線で流れるように語りから島唄へ。10~15分程度の行程ながら、時間感覚が分からなくなる不思議な体験だった。
さて、由布島(沖縄県八重山郡竹富町古見687)は外周約2km、面積は15万m2というごく小さな島で、全体が植物園になっているほか、牛車の水牛の繁殖と飼育も行なっている。ここでは八重山のさまざまな亜熱帯植物を観察できたり、小浜島側の浜辺で水と戯れたり、水牛と一緒に写真が撮れたりと、短時間でも思い思いに楽しめる。
石垣島へ戻ってもまだ明るい時間帯で、美崎町で買い物を楽しむもよし、カフェタイムでくつろぐもよし、多少アクティビティを詰め込んでも時間に余裕があるのはコンパクトな観光地のよいところだ。
2日目の宿は、島の真南に位置する「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」(沖縄県石垣市真栄里354-1)。2020年7月に新棟を開業しており、レセプションを中心に東西へハの字形に展開する「ベイウィング」2棟と、さらにその西に位置する「クラブインターコンチネンタル」1棟が加わり、客室数は255室から458室へ大きく増えている。
今回宿泊したのはベイウィングの1室で、プール越しに海を臨むロケーション。朝日も夕日も楽しめる眺めでリゾート気分を堪能できる。
2泊3日で石垣島と隣島を巡るツアー、本稿で取り上げたのはモニターツアー向けに特別に用意されたもので、今のところ、ANA Pocketでこうした複数箇所のチェックインの周遊で大きなポイントを獲得できる、という仕組みは実装されていない。しかし、スタンプラリー的な楽しさとポイントが手に入るメリット、なにより地域内の観光周遊を促進するという点において、本格展開を期待したくなる取り組みだった。
ANAグループは2021年から「マイルで生活できる世界」を掲げており、スマホアプリを媒介にマイル経済圏の拡大に注力している。ANAトラベラーズの旅行商品にこうした周遊ツアーを組み合わせれば、さらなる利用者の取り込みも期待できそうだ。