旅レポ

タイ・チェンマイで仰天!?ファイヤー・マッサージ。絶品グルメ、瞑想寺院でととのう

タイ北部に伝わる伝統的な温熱マッサージ「ヤムカン」

 3月末~4月上旬に行なわれたタイ国政府観光庁主催の視察ツアー、今回からはチェンマイ編を3回にわたってリポートします。

 首都バンコクから北に約700km、飛行機で約1時間ちょっとの位置にあるチェンマイは、ピン川周域に広がるタイ北部最大の都市。日本が鎌倉時代後期の1296年に成立したラーンナー王朝の首都であり、以後数百年にわたって発展してきた古都です。さまざまな山岳民族との交流を経て生まれた独自の伝統、文化を持つチェンマイは、今では世界中の旅行者を魅了する街となっています。

地元に伝わる伝統的な知恵を通じてさまざまなアクティビティ体験ができる「バーン・ライゴーンキン・コミュニティ」

こちらでどんな体験ができるのでしょうか、楽しみ!

 チェンマイ空港から市内へはクルマで20分ほどで到着します。が、今回はまず、市内とは逆方向の南西に30分ほど走ったところにある「バーン・ライゴーンキン・コミュニティ」に立ち寄って、ちょっと珍しいローカル体験をしました。ちなみに「チェンマイ・ナイトサファリ」にほど近い場所になります。

葉っぱを編んで作ったお花。ウェルカムフラワーといったところでしょうか
こちらはリュウガン(竜眼)のジュース。甘くて美味しい

 この「バーン・ライゴーンキン・コミュニティ」は、タイ北部ランナー式のヘルシーライフスタイルを体験できる施設として2018年にオープンしました。有機野菜の収穫やレンタサイクルでの村の散策、ハーブを使ったマッサージなど、旅行者に地元ならではのさまざまなアクティビティを提供しています。

 今回私たちはここでランチをいただき、タイ北部に伝わる伝統的な温熱マッサージ「ヤムカン(YumKhang)」や、ランナー・スタイル(北タイ)のハーブボール作りを体験しました。

お腹が空いていたこともあってお代わりして食べた絶品カオソーイ

 ランチにいただいたのはチェンマイの名物麺料理「カオソーイ」です。ずばり“ココナッツミルク香るカレーラーメン”で、黄色い中華麺と揚げ麺、鶏手羽元が入っています。ココナッツミルク好きの私としては大大大好物! まろやかな甘さが絶品で、地元のお母さんたちが作る飾り気のない美味しさでした。

温熱マッサージ「ヤムカン」

 お次はタイ北部に伝わる温熱マッサージ「ヤムカン」、別名ファイヤー・マッサージです。登場したのはガンダルフの杖みたいな木の棒を持っためちゃくちゃ強そうな先生! 体験できるのは1名だけということで、視察団のなかでも一番若手のイケメン君が人柱として捧げられました。Tシャツを脱ぎタイ式パンツに履き替えたらゴザの上に敷かれた布団の上にうつ伏せになります。

マッサージ師の先生。一見怖そうですが優しい先生でした

 ヤムカンは、ハーブやスパイスを混ぜた黄色のセサミオイルを足の裏につけてから、熱した鋤(すき)の上で足裏を温めて施術するというびっくり仰天のマッサージ法。やってもらうと心身ともにリラックスでき、肩こりや頭痛、腰痛などにも効果があるのだとか。

熱せられている鋤(すき)は農具の一種
ごま油とウコンの粉を水で溶いたものを足裏につけます

 見た目になかなかハード過ぎるこのヤムカンマッサージ。熱々に熱せられた鋤なので、オイルをつけた足裏を当てるたびにボワッと炎が上がるのです。でもって観ている私たちは大盛り上がり!

火に強く(!)分厚くてゴツゴツしている先生の足ですが、実に繊細に患部をマッサージしているのがわかりました。時々指でぎゅう~と押すところなんか手と同じ!

 施術を受けている側は、その熱い先生の足裏で全身をくまなく踏まれ続けるといった感じ。なんでも熱いオイルが染み込んだ足裏には、鋤から出るミネラルの成分も含まれるため良い効果が得られるのだとか。このコミュニティでは、畑を耕して大切なお米を作ることができる「鋤」は、神聖な道具と信じられているそうです。そんな道具と強靭な足を使ったヤムカン、施術できるマッサージ師が今はたった4名だけで後継者はいないのだそう。体験料金は1人1000バーツからとのこと(要予約)。気になる方はぜひ!

杖でバランスをとって力の入れ具合を調整しているようです
仕事のしすぎで肩が凝っているようですね~、でも気持ちよさそう

 続いては、コミュニティのお母さんに習うハーブボール作りです。ハーブボールはタイ式エステでよく登場するマッサージの道具で、レモングラスなどのハーブと少量の塩を綿布で包んだもの。使うときは濡らした状態をレンジでチンして肌に押し当てます。血行促進や発汗作用に効果があると言われていて、お土産屋さんでもよく売っているのを見かけますね。ここで作ってきたハーバルボール、ハーブの香りがとっても強いのがお気に入り。自宅で愛用中です。

タイ発祥のマッサージの道具、ハーブボールの中身
ぎゅっとまるめて締めるだけなのですが、これがなかなかむずかしい
ほどけないようにしっかり結んだら完成
コミュニティで作った蜂蜜やスーパーフードとしても人気のビーポーレンなども販売
宿泊施設もあるそうなので、タイ北部のライフスタイルを滞在しながら体験可能です
コミュニティから2km弱の場所にある「ワット・インタラーワート」はランナー建築様式が見られる古刹。タイでは時代劇モノのドラマや映画を撮るときにロケ地として使うことが多いのだとか

森の中の瞑想寺院、ワット・ウモーンは清々しい場所

ウモーンとはタイ語でトンネルの意味

 古い歴史をもつチェンマイにはたくさんのワット(寺院)が点在していますが、今回の旅ではそのいくつかを訪ねることができました。

裏の仏塔に続く階段
タイ人がたくさん参拝に来ていました

「ワット・ウモーン」は、チェンマイ中心部から西方の山の麓にある瞑想修行のためのお寺。緑が美しい森の中にひっそりと佇んでいて、静かでとても良い雰囲気の場所でした。

いくつかあるトンネルの入り口

 トンネルの意味を持つ寺院だけあって、見どころはその“ウモーン(トンネル)”。入り口はいくつかありますが内部でつながっており、中に6体の仏像が安置されています。敷地内には観光客も瞑想プログラムに参加できる部屋もあるそうです。

どこか防空壕のような雰囲気!? 中には靴を脱いで入ります
境内の裏にある大きな仏塔
頭部だけや胴体だけの仏像があちこちに
宝くじ売り場の周りにはワンコがいっぱい

立地抜群、ル・メリディアン・チェンマイはかなり居心地のいいホテルです

3泊した「ル・メリディアン・チェンマイ」の1キングベッドルーム

 チェンマイでは、市街中心部の便利な場所に建つ「ル・メリディアン・チェンマイ」に3泊しました。吹き抜けのロビーは広々としていて高級感たっぷり。横にはカクテルを傾けたくなるオシャレなバーもありました。そのバーの奥がブッフェ式の朝食会場でもあるダイニング。ル・メリディアンはチェンライにも「ル・メリディアン・チェンラーイ リゾート」がありますね。

ホテルの看板
吹き抜けのロビー
フロントデスク
バー

 客室は全383室で、利用した1キングベッドルームはベージュと白の優しい色合いのとっても落ち着ける空間でした(おかげで毎晩本当によく眠れた)。もちろん広さも十分。一番気に入ったのが清潔感のある使いやすいバスルームです。ハンドシャワー付きのシャワーブースで、横にあるバスタブは深さがあって日本人向きでした。

奥がバスルーム
デスク作業ができるスペースも
大理石の美しいバスルーム

 冷蔵庫の中はミニバーで有料ですが、フリーのミネラルウォーターが何本か入っています。1つだけ残念だったのはベッド周りにコンセントやUSBポートがないこと。やっぱり夜はスマホを充電しながらベッドに横になりたいですよね。

タオルのゾウさんアート
クローゼットも広々。アイロンやバスローブなど一通り揃っています
山側ではなく市街側(東向き)のお部屋でした

 ル・メリディアン・チェンマイには4階に隠れ家のような屋外プールがあります。こぢんまりしていて、いつ行っても空いてる!(シーズンにもよると思いますが)プールは西側の旧市街方面を向いていて、遠く正面にチェンマイの大本山「ワット・プラタート・ドイステープ」がある山が見えました。バンコクのように超高層ビルがなく、周囲を山々に囲まれたチェンマイは、長野出身の私にとってはとっても落ち着く街なのでした。

プールの横にあるフィットネス
屋外プールは4階にあって眺めよし
滞在中3回くらい泳ぎました
1階にあるブッフェ形式の朝食会場
野菜や果物、ジュースが種類豊富
でも結局毎朝この麺ばかり食べちゃう
22階建ての高層ホテルです

コロナ収束後の賑わいに期待! チェンマイ・ナイトバザール

お土産選びが楽しいナイトバザール

 泊まっていた「ル・メリディアン・チェンマイ」の目の前のチャンクラン通りで毎晩開催されているのが「チェンマイ・ナイトバザール」です。チェンマイといったらナイトバザール!というほど観光客にも人気ですが、コロナ禍で出店数は激減。前回2017年に訪れた時の賑わいと比べるとだいぶ寂しい感じでした。それでも工芸品や雑貨、衣類、乾物などといった屋台が立っていたので、毎晩お散歩がてらブラブラ散策。部屋着に良さそうなエスニック柄のパンツやアクセサリーなどを購入してきました。

夜のチャンクラン通り
山岳民族のバッグなど
木彫りのネコ
通りからちょっと入ったところにあるショッピングモール
値切り交渉も楽しいのでした
激安でフットマッサージもできます。30分100バーツ(約373円)10バーツか20バーツをチップで
カオソーイとトムヤンクン・キットをお買い上げ

 次回はチェンマイのコワーキングスペースやスパ、SNS映えするオシャレなカフェなどをご紹介予定です。お楽しみに。

バンコク同様チェンマイでもホテルなどあらゆる施設では感染対策が徹底されていました
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。