ハワイ現地発

【ハワイ現地発】春休みハワイで行くべきハワイ最旬レストラン vol.2

 ハワイ旅行をするのにベストシーズンはいつか?といえば、海を愛する人なら、パワフルな太陽が海を最も美しい青に照らす夏だと思う。一方、海もプールも街歩きも楽しむなら、春もお勧めだ。夏ほど日差しが強くなく、かといって海やプールに入るのに十分な暖かさがある。冬から一気に日が伸びてサンセットタイムは18時45分ごろになり、一番日の入り時間が早い11月よりも1時間余り長くなる。そしてこの時期ならまだクジラを見るチャンスもある。

 さてそんなハワイの春の最旬レストラン。まずは地元客にも観光客にも愛されてきたイタリアンレストランの斬新な新メニューから。

シェフの情熱が生み出す珠玉のイタリアン「タオルミーナ シチリアン キュイジーヌ」

ワイキキ・ビーチ・ウォーク沿いにある店舗
アラカルトとプリフィクスコースがあるランチメニュー

 ワイキキ・ビーチ・ウォークにあるこの店に通って10年近くになるが、いつも新鮮な驚きを与えてくれる。エグゼクティブシェフである三村浩之氏は、フィレンツェとシチリアで腕を磨き、イタリアでのコンテストで賞を獲得した経験に、ハワイから受けるインスピレーションを加えた多層的なイタリアンを提供する。その真髄はシンプルであること。ハワイやイタリア、日本から取り寄せる極上の素材の旨さを引き出すため、クリームやバターの使用は最小限にして塩などの調味料によってイタリアンの真価を発揮させるのだ。

ワイキキにある3店を統括するエグゼクティブシェフの三村浩之氏

 ランチメニューに並ぶのは、定番の人気メニューのほか、常連だけの裏メニューがあまりにも多くの客が注文したことから一般メニューになった明太子パスタ、さらに春の新メニュー。まずは自家製ガーリックドレッシングでいただくサラダ(21ドル)。ハワイ産トマト、ビーツ、洋梨、グリーン、フェタチーズ、クルミ、生ハムが入った多彩な味を楽しめる。ハワイの著名グルメライターが「売ってほしい」と懇願したというガーリックドレッシングの上品なニンニクの香りが食欲をそそった。

洋梨、ビーツ、ホーファームトマト生ハム、フェタチーズ、クルミのサラダ(21ドル)

 カルボナーラは、削りたてのトリュフを乗せるトリュフ茸パンチェッタのカルボナーラポーチドエッグ(市場価格)というメニューにパワーアップしていた。ポーチドエッグをナイフで崩して和えながら口に入れると、卵の濃厚な味わいとトリュフの芳香と一緒に堪能できる逸品。「カルボナーラというと生クリームを使うイメージがあるかもしれませんが、イタリアでは卵とチーズと黒コショウだけなんです」とシェフ。

目の前で削ってくれたトリュフがふわっと香ったカルボナーラ
卵とチーズとコショウだけでこれほど深みのある味になるのかと驚いた

 ボンゴレビアンコ(28ドル)もさらに美味しくなったという。大きなアサリが5オンス入って、さらにアオサ海苔をきかせていた。アオサを入れると味がとがるのではないか?と勝手に想像したが、アサリとのバランスがちょうどよく魚介の奥深い味わいを出していた。

白ワインとニンニク、バジル、アオサがアサリの味を引き立てたボンゴレビアンコ(28ドル)

 そして、絶対にほかでは食べられない自信作という春の新メニューが、オレンジマスカルポーネリゾット(42ドル)。リゾットとオレンジのユニークな組み合わせで、オレンジ色のリゾットにすりおろしたオレンジの皮がトッピングされていた。大きなホタテとともにスプーンで一口。爽やかなオレンジの香りと上品なマスカルポーネが一粒ずつ米を包み込んでいて、ふっくら焼かれたホタテの甘み、リゾットに隠れていたエビの旨みも加わり、視覚・味覚・嗅覚、そして異なる食感を楽しむ一皿に思わず笑みがこぼれた。

斬新過ぎるオレンジマスカルポーネリゾット(42ドル)は忘れられない味わいだった

 最後に、クリスマスにわざわざ食べに来るファンがいるというチキン料理も紹介しておきたい。骨付きチキンの炭火焼き(32ドル)は、レモンバターとガーリックケイパーソースだけで味付けされた料理なのだが、ナイフがいらないほどホロホロにやわらかいチキンを満喫できる。

しっかりと味が染みていた骨付きチキンの炭火焼き(32ドル)

 ハワイでの外食はコストを考えるとレストラン選びは外したくない。味、サービス、スタイリッシュで凛とした内装、約150種類のイタリア産を中心としたワインセレクションを含め、外さない店リストに入れたいレストランの一つだと思う。

天国にふさわしい館の初ブランドカフェ「ハレクラニベーカリー」

 創業以来100年を超えて世界各国から訪れるゲストを魅了し続けてきたハレクラニ。そのハレクラニブランド初のベーカリーショップが「ハレクラニベーカリー」だ。ハレクラニのすぐ向かいにある「ハレプナ ワイキキ バイ ハレクラニ」の1階にあるが、オープン以降営業日が限られていた。それがこの3月17日からは、午前6時30分から午前11時30分まで毎日営業をすることになった。

場所はハレクラニの向かいにある「ハレプナ ワイキキ バイ ハレクラニ」の1階

 提携ホテルである「帝国ホテル東京」からヘッドベーカーを迎え、ハレクラニ特製のパンやペストリーを毎朝焼き上げている。

 ショーケースに並ぶのは、サクッとした食感とバターが香るクロワッサンや、ハムとチーズを挟んだクロワッサンやサンドイッチ系、マンゴーブルーベリーマフィン、パイナップルジンジャーデニッシュなどトロピカルなフレーバーのデニッシュ各種、カレーパンなどペストリーのほか、サワードウなど。

焼きたてのペストリーが並ぶショーケース
グルテンフリーのパンもある

 ハレクラニのシグネチャーであるココナツケーキなどのスイーツやクッキーもあるので甘党には楽園のような空間だ。

シグネチャーケーキなどハレクラニならではのスイーツ

 テラス席があるのでコーヒーやフルーツジュースも注文すればハレクラニ気分に浸りながら朝のひと時を満喫できる。朝の散歩がてら立ち寄って持ち帰りにしてホテルでくつろいで食べるのもいいだろう。

マフィンは甘さ控えめ。コッテリ甘いクイニーアマンも人気

 店内ではハレクラニのロゴ入りのマグカップやウォーターボトル、エコバッグなども販売しているので、記念のお土産やギフト選びもできる。

衣類や食器、コーヒー豆などハレクラニグッズも販売している

 味も食感も、いわゆるハワイのパン屋さんのなかで格別なクオリティなので、こちらも外さないリストに入れておこう。

ホテルでコーヒーとともに。合計約20ドルで贅沢な気分に浸れる
空室・料金チェック
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。