旅レポ
真っ青なラテに、真っ黒な豆腐!? 満足度限界突破!なバンコク周辺グルメ
2019年6月15日 08:00
トムヤムクン、カオマンガイ、タイ風カレーなど、日本でもタイ料理を味わえるお店が増えてきた。とはいっても、それらはタイで親しまれている料理のごくごく一部だ。日本も地方によってさまざまな名物料理、郷土料理があるように、タイも地域によって実にバリエーション豊かな料理、食材が存在している。
そして、タイの首都バンコクは同国の全人口約7000万人のうち870万人以上が住むといわれるだけあって、人や物が集中している東京と同じく、全国のあらゆる味覚が集う。地域ならではの伝統的なものだけでなく、首都らしい流行の先端をいくグルメも続々と生まれている。観光に訪れたときは目移りしてしまって、どこに行けばいいのか迷ってしまうのでは?と思うほど。
そんなあなたに、バンコクとその周辺にある鉄板グルメや、穴場のレストランを紹介したい。真っ青なラテや真っ黒な豆腐など、個性的な最新・伝統グルメも要チェックだ。
昼の休憩に青いラテ、ディナーは川縁のレストランで
今、バンコクで人気急上昇中なのが「ブルーホエール マハラート」というカフェ。店舗の外観にもある鮮やかな青色をしたラテなどが写真映えするとして、特に若い女性の間で話題になっているのだとか。この青は、タイでハーブティーとしてよく使われる「アンチャン」または「バタフライピー」と呼ばれる花の成分が元になっている。
このアンチャンの青とミルクの白のコントラストは一見の価値あり。お店は涅槃仏があることで有名な寺院「ワット・ポー」のすぐ近くなので、その観光のついでに休憩で立ち寄ってみるのも良さそう。ただし、店内はかなり狭く混雑するので、食事時間帯を避けるのが無難そうだ。
ブルーホエール マハラートから数十mも歩けば川にぶつかるが、その川縁のレストラン「スパンニガー・イーティング・ルーム」はディナーにおすすめ。対岸にある寺院「ワット・アルン」の仏塔がライトアップされている様子や、行き交う水上バスのきらびやかな電飾を背景に食事できる。テラス席は川から吹いてくる風が心地よく、ランタンのみの薄暗い席での食事は雰囲気たっぷりだ。
地元民御用達(!?)のイサーン料理店と路地裏の穴場料理店
絶好のSNS映えスポットであるラチャダー鉄道市場。そこから徒歩圏内にある、タイ東北部イサーン料理を楽しめるお店が「Zabb One Ratchada」だ。タイのナイトマーケットや郊外でよく見られるフードコートのような店構えで、ほとんど満席の店内にいたお客さんの中に観光客と思われる人はほとんどいなかったのが印象的。
イサーン料理の代表的なメニューである、パパイヤのサラダ「ソムタム」、肉・野菜・ハーブを和えた「ラープ」などがあり、どちらも突き抜けた辛さのなかに旨味が凝縮されていて、いよいよ「タイに来たな!」という気分にさせてくれる。辛さを抑えて作ってもらうこともできるが、それだけだとちょっと物足りないかも。カリッと焼けた鶏肉料理の「ガイヤーン」、揚げソーセージ、定番のカオニャオ(もち米)なども合わせていただきたい。
次はランチに最適なお店。「Farm to Table, Hideout」は、「パーククローン花市場」の北側、住宅地が密集する路地裏にひっそりとたたずんでいる。白い門構えの瀟洒な建物ではあるものの、普通の住宅にまぎれて目立たないのでうっかり通り過ぎてしまいそうだ。内装も少しヨーロッパを感じさせ、嫌味のない自然なおしゃれさが漂う。
お昼どきにはたくさんのお客さんが訪れているようで、ランチメニューも豊富。タイカレーの定食は見た目に洗練されているだけでなく、アクセントにフルーツのライチを使っているなど、工夫やこだわりが感じられる一品。店構えからも料理からも、店主の丁寧さが伝わってくる。
バンコクの人気鉄板料理、タイスキ&プーパッポンカリー
日本では冬の定番ともなっている鍋料理、そのタイ版といえるのが「タイスキ」だ。バンコクでタイスキを提供している有名なチェーンは2種類あるが、今回ご紹介するのは1957年創業のタイスキの元祖ともいえる「コカ」のスラウォン本店。魚介や野菜を中心とした具材を鍋で煮込み、オリジナルの甘辛いタレなどでいただく。辛いのが苦手な人には醤油ベースのタレの用意もアリ。
鍋の見た目は日本のそれとよく似ていて、常夏の国とはいえほっとする味わいと温かさ。辛みの強い料理が多いタイだけに、野菜豊富で辛さ抑えめのこういったヘルシーな料理は、日本人にも親しみやすく、胃を休めるのにもちょうどよさそうだ。最後、余ったスープにライスを投入し、溶き卵を注いだ“締め”も絶品。グループでわいわいやりながら、タイで鍋パーティを楽しみたい。
そしてもう1つのバンコクの人気料理が、「ソンブーン・シーフード」の「プーパッポンカリー」、カニのカレー炒めと呼ばれるもの。その名のとおり、茹でたカニをカレー味のソースで炒めた料理で、とろけるような柔らかいカニの肉と、旨味の強いカレーソースの組み合わせが、無限に食べ続けられそうなほどの食欲を引き出す。
カニは殻付きのままで出してもらうこともできるが、どんどん食べ進められる殻なしにしてもらうのが個人的にはおすすめ。ちなみに今回訪れたバンタットン店は、最初に創業した店舗から移転したもので、ある意味創業時のDNAが引き継がれている場所。高級そうなお店の雰囲気のわりに気安く入店でき、価格もリーズナブルなのがうれしい。
ラーチャブリーのひとくせある伝統料理「黒豆腐」
バンコクから西へクルマで約2時間、ラーチャブリー県北部のポータラムという地域の市場で見られるのが、「タオ・フー・ダム」と呼ばれる伝統料理の「黒豆腐」。豆腐を黒醤油や香辛料などに3日間ほどつけ込むことで、真っ黒な見た目とチーズのような独特の風味をもつ黒豆腐ができあがる。
味は人によって好みは分かれそうだが、市場のあちこちにあるお店ごとに微妙に異なる製法で作っているのか、それぞれで味も違っている。根気よく探し続ければ、もしかしたら自分の好きな黒豆腐が見つかるかも?
価格は一丁あたり20タイバーツ(約70円、1タイバーツ=約3.4円換算)程度と安価で、宗教上の理由で動物の肉を食べられない人がその代わりに食していることもあるのだとか。