旅レポ

タイ国内最大級のクメール遺跡「ピマーイ歴史公園」で音と光のショー。伝統的なお菓子作り体験も

バンコクから約260km離れたところにあるピマーイ歴史公園には、アンコールワットのモデルになったと言われるクメール王朝時代の遺跡群が残ります

 タイ東北部イサーン地方の食い倒れ旅、3日目。2泊したウドーンターニーのホテルをあとにして、タイ東北部の県の1つ、コーンケーンへ向かいました。

 ちなみに今回の旅はバンコクから飛行機で一気にウドーンターニーへ飛んで、バスで徐々に南下しながらバンコクに戻るというツアー。この日のランチはコーンケーンにあるオーガニック農園で地鶏バーベキューをいただきました。

輝くタイ人女性が経営するオーガニック農園を訪問しました
ワークショップやホームステイもできるという「メキン・ファーム」。欧米と日本からのゲストが多いのだとか
時間の流れがゆっくりとしていてステキな空間

 バスが到着したのは、国道から外れてしばらく走った県道から、さらに未舗装道を数百m行ったところにある家族経営の農園「メキン・ファーム」です。大きな看板が出ているわけでもなく、ガイドブックに載っているわけでもないこの場所に、なぜ連れて来られたかと言いますと、ランチにガイヤーンを食べるため! ガイヤーンとはコーンケーン地方の名物でタイ版焼き鳥のことです。

タイ語でアンチャンというバタフライピーのお茶がウェルカムドリンク

 メキンさん一家が営むこのオーガニックファームを仕切っているのはプーさんという女性。3年ほど前にサトウキビ畑だった5エーカーの土地を開墾して農園を作ったのだといいます。

「ここは無理のない範囲で野菜やハーブを育てている、いわばスモールキッチンなの。栽培する作物の量を調整して、植える時期も管理しながらやっているわ」。

 そうプーさんは、タイの前国王・ラーマ9世(プミポン前国王)が提唱した「足るを知る経済」の影響を強く受けているのだそう。自分たちの身の丈にあった量の作物を作っていくことで、持続可能な農業生産を目指していくという考えです。

農園を案内してくれたプーさん
左下の花のつぼみが、このあと食べたソムタムに入っていました
ホームステイはこの超アウトドアなファームハウスで寝泊まりするのだとか
手入れが行き届いた美しい農園ですが、ここまでにかなりの苦労があったそう
お花が大好きというプーさん。ハーブに混じっていろいろな花が咲いていました

 イサーン地方の名物料理ガイヤーンはタレに漬けて焼いた鶏肉のこと。この農園で放し飼いされているニワトリを使っているということで、炭火でじっくりと焼かれたその味は、歯ごたえしっかりで野性味あふれるものでした。

 個人的にはガイヤーンの横で焼かれていた、タイ版焼きおにぎりに伸びる手が止まりませんでした。この焼きおにぎり、タイではカウチーと言うそうです。採れたてのフレッシュな野菜がたっぷり入ったサラダやピリ辛ソムタムも絶品で、おかわりして食べてしまったほどです。

ガイヤーンを焼いてくれたお母さん
焦げ目が食欲をそそります
もち米は溶き卵に浸してから網の上で焼いていました。素朴で美味!
採れたて野菜で作ったサラダ(手前)
こちらはソムタム。畑で見た花のつぼみが入っている!
こちらがランチを食べたスペース。風が通って気持ちのよい場所です
いただきま~す
ココナッツミルク風味のぜんざいデザート
メキン・ファームにいる人懐っこいワンコ
さようなら~! 次はファームステイで滞在してみたいな

小さな村に立ち寄って伝統的なお菓子作りを体験

立ち寄った村で熱烈歓迎を受けました

 次なる目的地であるピマーイ遺跡にほど近い村に立ち寄って、おやつにお菓子作り体験をしました。子供からおばあちゃんまで幅広い年代の人たちが集まるバーンプラサットという集落で、お菓子作りを教えてくれたのはここの婦人会のおばちゃんたちです。

甘くて冷たくて美味しかったウェルカムドリンク
まわりを見ればチャボがコッコッコッコッと放し飼い

 作ったのは米粉で作るおやつで、旧正月に食べる伝統的なお菓子だそう。見た目はちまきみたいな感じですが、餡の味はココナッツ風味で甘く、私にはこのお菓子もかなりツボでしたわ~! コミュニティの子供たちがひっきりなしにお茶や冷たいドリンクを持ってきてくれて、こちらも終始笑顔になっていました。微笑みの国タイ、バンザ~イ!

粉とパンダンリーフエキスの入った水を混ぜてこねこねし生地を作ります
ナッツやココナツ、パームシュガーの入った甘じょっぱい具を包みます
それをパンダンリーフで包んで蒸し上げたら完成
蒸し上がったものがこちら
もちもちしていて素朴な味で美味しい
時間が押していて体験できませんでしたが、こんなかわいらしいキーホルダー作りも教えてもらえるらしいです
おばちゃんに教えてもらいながら挑戦してみたかったワークショップ

 1時間もない短い滞在でしたが、このバーンプラサット集落の人たちの温かいおもてなしは胸にじ~んとくるものがありました。またいつか会いに行けたらいいな。

さようなら~! ここでも名残惜しい気持ちに

国内最大規模のクメール遺跡が残るピマーイ歴史公園へ

ピマーイ遺跡では熱烈歓迎、再び!

 バーンプラサット集落から20分ほどバスに揺られて到着したのがピマーイ歴史公園です。この日は「ピマーイライト&サウンド」という、音と光によるお祭りが開催される日で、今回はこれに合わせてツアーが組まれていたのでした。

 ちなみにピマーイのお祭りは、毎年11月に「ピマーイフェスティバル」というのがあり、こちらは観覧用のチケットを販売するので有料。それとは別に1月と2月に各1回、無料で観覧できる「ピマーイライト&サウンド」があります。

バスを降りた私たちを踊り子さんたちがVIP待遇で出迎えてくれてびっくり、そして感動

 バスから降りた私たちツアー一行を待っていたのはフェスティバルに出場する着飾った踊り子さんたち。手を合わせながら道の両側に立って温かいタイ・スマイルで出迎えてくれました。

 実はこれ、地元観光庁のナコンラチャシーマー事務所のお計らい。どうやら私たちはVIPは待遇でご招待を受けたようです。どうもありがとうございました!

お年寄りに結んでもらう紐。これが切れた時に願いが叶うと言われているのだそう

 ナコーンラーチャシーマー県にある、このピマーイ歴史公園は、市街地のなかに整備された史跡公園です。タイ屈指のクメール遺跡と言われていて、その歴史はアユタヤ朝より古く、11世紀~12世紀に建てられたものだそう。

 そんなすごい遺跡なのに到着が遅れてしまったため、遺跡の見学は15分だけということで(泣)かなり急ぎ足で見てまわることに。でも、ちょうど夕暮れどきで、夕日で赤く染まった空を背景に、素晴らしい光景を目に焼き付けることができました。

圧倒されるスケールの遺跡群
遺跡の内部はかなり入り組んだ作り
日が落ちて空がだんだん茜色に
「ピマーイライト&サウンド」のリハーサルがスタート
ゴザの上でお祭りの食事を食べる人たち。みんな楽しそう
3~4人でシェアして食べたお祭りプレート。練り物などがあって美味しかった。サテもありました
デザートもいろいろ。基本タイのデザートは和菓子が好きな人ならどれも大丈夫なのでは?

 大急ぎで遺跡を観てまわり、大急ぎで夕食を食べたらいよいよ「ピマーイライト&サウンド」のスタート。歴史絵巻のような内容になっていて、きらびやかな民族衣装に身を包んだ踊り子さんたちが、それはそれは美しい手の動きを披露しながら踊ります。女性だけではなく男性グループのときもあって、ムエタイっぽいものも。全編動画で録りたいと思ったほど見応えのある音と光のショーでした。

ラストはアミダラ姫みたいな人を従えた御一行が後方から登場
遺跡も豪快にライトアップ!レーザー光線を使っていたりとなかなかの迫力
最後はEXILE風の演出があってフェスティバルは終了。見応えたっぷりの素晴らしいショーでした

宿泊は「タイの軽井沢」にあるキリマヤ ゴルフ リゾート&スパ

 この日の宿泊は、ピマーイ遺跡から約170km南西の「キリマヤ ゴルフリゾート&スパ」。ピマーイ遺跡を出発したのが21時近くだったので到着は23時を過ぎていました。

 ホテルのある場所は日本でいうと軽井沢のような避暑地とのことですが、真っ暗でなにも分からず……。でもひんやりした心地よい夜風が、どこか軽井沢っぽく感じられましたわ。

 そして、さすがゴルフ場を有するリゾートホテル! 敷地が広いためチェックインをしたフロントからお部屋までは電動カートで移動です。翌朝見る全貌を楽しみに、あっという間に眠りにつきました。

自然素材を随所に使ってナチュラル感を演出したゲストルーム
バスルームも広くてGood! 大きなバスタブがありました
ベランダで夜風を浴びながら月光浴。明日の朝の景色が楽しみですわ~

 タイの東北部イサーン地方をめぐる“食”ツアー。次回はマンゴツリーのレシピブックに掲載されたローカルレストランが登場します。そして南下してきた旅はいよいよバンコクへ到着。チャオプラヤー川沿いにある「マンゴツリーオンザリバー」での料理教室などもお伝えします。お楽しみに~♪

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。