旅レポ

タイ東北部イサーンと首都バンコクでマンゴツリーレシピブックの料理教室体験

マンゴツリーのレシピブックに掲載されたタイの東北部イサーン地方のローカルレストランで料理体験

 タイの東北部イサーン地方をめぐる“食”ツアー。今回はマンゴツリーのレシピブックに掲載されたローカルレストランや、バンコクのチャオプラヤー川沿いにある「マンゴツリーオンザリバー」での料理教室などをお伝えします。

 前回、前日の夜遅くにチェックインをしたため、その全容が分からなかった「キリマヤ ゴルフリゾート&スパ」。朝起きてカーテンを開けてみると、避暑地の光景が目の前に広がっていました。日本でいうと軽井沢のような場所と聞いていたのですが、本当にそのとおり!ということで、さっそく顔を洗って朝食会場へ。

 フロントに電話してカートを呼んでもOKと言われたのですが、お散歩がてら歩いていくことにしました。

時間がなくてこのプールに入れなかったのだけが心残りでしたわ~
前の晩に月光浴をしたバルコニーには居心地抜群の広いソファとクッションが
棟ごとに建物が分かれている客室。敷地内は広いのでスタッフが運転するカートで移動可能

 10分ほど歩いて到着した朝食会場は建物の2階にあって、目の前にゴルフ場が広がる見晴らし最高の場所でした。しかも風がとおり抜けるオープンエアーなのでとっても気持ちがいい! ちなみにここのゴルフ場のコースデザインはジャック・ニクラスが手がけているそうですよ。

前に突き出したこの席が特等席。朝のフレッシュな空気が気持ちがよい

 朝食はビュッフェスタイルですが、アジア麺が大好きな私は、ここでもヌードルコーナーへ直行。お好みの麺を選んでトッピングをあれこれチョイスするのが楽しい時間でした。盛りだくさんのフルーツもたっぷり食べて大満足。

やっぱり大好きなヌードルコーナーに行ってしまう
ゴルフ場を眺めながら優雅に「いただきま~す」
麺は3種類ほどあって選べます。トッピングはご自由に

 今回泊まった5つ星ホテル、キリマヤ ゴルフリゾート&スパは、バンコクから約200km、クルマで3時間ほど。東京~軽井沢間は約170kmなので、距離的にも似ていますね。

 ゴルフをしないゲストもスパを楽しんだり周辺をハイキングしたりして過ごせます。バンコクの喧騒や、ビーチリゾートとはまた違ったタイの魅力を知ることができました。

朝食会場とは別のカフェ・レストランも
こちらがフロント

レシピブック掲載のお店「ペン ラーオ」で料理教室

料理教室を兼ねてのランチは地元の人気レストランへ

 ここで再びお伝えしておきますが、この旅はタイ国政府観光庁とタイ料理レストラン「マンゴツリー」がコラボした食の旅。マンゴツリージャパン代表の小島由夫氏著の「mango tree kitchen イサーン地方の伝統料理と人気メニュー32のレシピ」に掲載されているイサーン地方のレストランを訪れ、料理教室を体験するという個人旅行ではなかなか体験できない内容が組み込まれていました。

 この日ホテルを後にして向かったのは、レシピブックに掲載されている「ペン ラーオ」という地元のレストランです。

2009年オープン。レストランというより食堂といった感じのカジュアルさ

 地域に根ざしたお店を作りたいという思いで10年ほど前にこのお店を開業したというオーナーのパンチャナさんは、

「ここカオヤイは、今でこそ年間を通して観光客が来るようになったのだけれど、以前は4か月ほどしか人が来ない場所だったわ。そこで閑散期を乗り切るためにボランティアシステムを作ったの。住む場所を提供する代わりに、日中はレストランで働いてもらうというものよ」。

「ここカオヤイには豊かな食文化があるの」とオーナーのパンチャナさん

 最初に協力してくれたのは家族や友人だけだったそうですが、次第に働くことを楽しんで滞在してくれる人が増えていったのだそう。「シニアが活躍できる場を」という思いから70歳以上の人の雇用も率先して受け入れているのだとか。そして今ではここカオヤイのほかに、バンコクやシンガポールなどにもお店を持つほどに!

 聞くところによるとパンチャナさん、ドキュメンタリー番組のキャラバンツアーに参加してモンゴルや中国、カンボジアやベトナムなど各国を巡った経験があるのだそう。一度タイから離れて外から自分の故郷を見つめ直した経験が、成功している大きな要因なのかもと、パンチャナさんのお話を聞きながら思いました。

ハーブや野菜などの食材ずらり
まずは先生のお手本を

「ペン ラーオ」で作ったのは「トムセップ(豚の軟骨煮スパイシースープ)」と「ラープムー(豚挽き肉のスパイシーサラダ)」。どちらも野菜やハーブがたっぷりでスパイシーなタイ東北部の味です。この日は自分たちで作った2品はもちろん、その他にもたくさんの美味しい料理を出してもらってお腹いっぱいに。「お土産にどうぞ」といただいたもち米入れのかわいらしいカゴを見るたびにパンチャナさんの笑顔を思い出しています。

ハーブの和えサラダ「ラープ」はソムタムと並ぶイサーン地方の代表的な料理
こちらはカフィアライム(こぶみかん)の葉
ユニークなにんにくの保存方法を思わずパチリ
赤玉ねぎと万能ねぎを薄くスライスして
炒めた豚肉の中に調味料を入れ、赤玉ねぎと万能ねぎ投入
味を整えたらラープムーの完成~!
やわらかく煮た豚の軟骨が美味しいトムセップ
お味はいかに?

いよいよバンコクへ! 最後はチャオプラヤー川に面した「マンゴツリーオンザリバー」で

最後の料理教室は、こんな幻想的な夕焼け空の下で

 徐々に南下してきた旅もいよいよバンコクに到着です。最後の料理教室はチャオプラヤー川に面したリバーサイドレストラン「マンゴツリーオンザリバー」の4階のテラスで、トムヤンクンとガパオを作りました。

「Yodpiman River Walk(ヨッピマン・リバー・ウォーク)」にある「マンゴツリーオンザリバー」
チャオプラヤー川の対岸に見えるのはKanlayanamit temple
料理番組さながらに用意された食材に感動です
作ったのはトムヤンクンとガパオ。料理教室も3回目ともなると調味料のさじ加減もだいぶ慣れてきた感じ

 料理教室もさることながら、そのロケーションが素晴らしかったマンゴツリーオンザリバー。ちょうど夕暮れ時で、対岸の寺院の向こうに夕日が沈むドラマチックな瞬間をツアー参加者全員で共有しました。

でき上がり♪

 料理教室のあとは2階に降りてマンゴツリーのお料理をたっぷりと堪能。その後、ほろ酔いでボートに乗り込み、40分ほどのリバークルーズを楽しみました。楽しかった旅もいよいよ終わりに近づいてきてちょっぴり寂しい気持ちに。

日没後の景色
夕食の後は目の前の波止場からボートクルーズへ
マンゴツリーオンザリバーを川から眺めるの図
ワット・アルン(暁の寺)
ワット・プラケオ(王宮)
夜風が最高に気持ちよいボートクルーズでした

最終日はバンコクの5つ星ホテルに宿泊

真っ白モダン!「プルマン バンコク ホテルG」の客室

 最終日の宿はバンコクの高級ホテル「プルマン バンコク ホテルG」。バンコク・スカイトレイン(BTS)のチョンノンシー駅から徒歩5分という便利なロケーションにあります。館内はポップでカジュアルで超スタイリッシュ。泊まったお部屋はなにからなにまで真っ白でびっくりしちゃいましたわ。そして高層階から眺める大都会バンコクの景色は圧巻。都会派の滞在が堪能できますよ。

白で統一されているゲストルーム。客室ランクによって違うようです
有料の飲み物が冷蔵庫にいろいろ用意されていました
バスルームもご覧のとおりモダンな作り

 5日目の最終日はホテルを早朝に出発してスワンナプーム国際空港へ向かいました。東京への復路、タイ国際航空のTG676便は、2階建てのエアバス A380型機。エコノミークラスは1階になりますが、2階の後方にも何席かあることを直前に知った私は2階席にしてみました。最前列の足が伸ばせる席だったので、広々としていてとっても快適。タイ国際航空は現在、成田発夕刻便とその復路でA380を飛ばしていますよ。

スワンナプーム国際空港の出発/出国コンコース内にマンゴツリーのレストランがあります
バンコク発~東京(成田)行きのTG676便はエアバス A380型機
機体後方にある階段を上ります。初めてなのでドキドキ
エコノミークラスのシートピッチは2-4-2
一番前の通路側にしてみました
斜め前に見えるのはロイヤル シルク クラス

 一気に食べてしまって飛び上がるほど辛かった青唐辛子や、サラダに入っていたアリの卵(初体験)、毎日のように食べたけれど飽きなかったソムタム、くせになるナンプラーのしょっぱさ……。ただ辛いだけじゃなく、酸っぱい、しょっぱい、甘いが絶妙に混ざり合い、そこにスパイスやハーブがミックスされてでき上がるタイ料理。

 東京でも美味しいタイ料理のお店はたくさんありますが、今回イサーン地方に行って、容赦ない地元の(辛い)味を堪能できたことはとても貴重な体験でした。タイ東北部イサーン地方の旅はこれにて終了です。

夕方無事に成田空港に到着。また行きたいな、タイ

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。