旅レポ

片道6990円から、ジェットスターの成田~宮古・下地島線の初便に乗ってみた

子供時代を宮古島で過ごした黒瀬氏が「私が行くしかない」と初便の機長に

2019年3月30日 就航

ジェットスターの成田~宮古・下地島線の初便に搭乗。機内では初便搭乗記録が配られた

 ジェットスター・ジャパンは3月30日、「みやこ下地島空港ターミナル」開業に合わせて成田国際空港~宮古・下地島空港線を就航した。

 使用機材はエアバス A320型機(180席)で、運賃はエコノミークラスの「Starter」で片道6990円から。春/夏休み時期や大型連休時期は毎日運航。さらに7月3日からは、関西国際空港~宮古・下地島空港線の就航も予定している。

 本誌でも「みやこ下地島空港ターミナル」の開業や、初便の下地島空港への到着の様子などをレポートしているが、本稿では成田発の初便「GK323便」への搭乗レポートをお届けする。

ジェットスター・ジャパンが3月30日に就航した成田国際空港~宮古・下地島空港線の初便に搭乗した

・祝! みやこ下地島空港ターミナル開業。宮古島の新たな玄関口に
・ジェットスター、成田~宮古・下地島線就航を開業した「みやこ下地島空港ターミナル」でお祝い。「一番乗りで就航でき感無量」と片岡社長
・ジェットスターの初便が下地島空港に到着! 青空に祝福の放水アーチがかかる
・ジェットスター、成田~宮古・下地島線の初便は到着も出発も「17END」。下地島発の初便をジェッ太やミス宮古島がお見送り

初便の出発前には記念イベントを実施した

 沖縄県宮古島市に属し、宮古列島の一つである下地島は、伊良部島の西に位置する周囲17.5kmの自然豊かな小さな島。無料で通行できる橋としては日本最長の3540mを誇る伊良部大橋で宮古島と伊良部島はつながっており、伊良部島を介して下地島と宮古島はクルマで行き来できる。

 下地島空港はJTA(日本トランスオーシャン航空)の那覇線が就航していたが、1994年に運休。以降はパイロット訓練のための空港として活用されてきた。しかし、三菱地所と下地島エアポートマネジメントが「みやこ下地島空港ターミナル」を3月30日に開業。同日、ジェットスター・ジャパンによって約25年ぶりに定期便が発着することになった。

 青い空と伊良部ブルーの海に、進入灯の赤い桟橋のコントラストが印象的な下地島空港の「17END」は、インスタ映えすると観光客の人気スポットに。ほかにも、神秘的な雰囲気の「通り池」や、下地島南西岸の外周道路沿いにあるシュノーケルスポットとして人気の「中の島ビーチ」など、この島の魅力はたくさんある。

初便が出発する成田空港では記念品を乗客にプレゼント

GK323便は7時5分成田発

 筆者が搭乗した成田発の初便・GK323便は7時5分発。その出発前には、第3旅客ターミナル 163番ゲートにおいて、初便クルーの記念撮影、搭乗証明書「RWY17」の文字が印刷してあるB6サイズのノートとステッカー、クリアファイル、サングラスなどのオリジナルグッズと、ジェットスター・ジャパンのマスコットキャラクター「ジェッ太」くんの顔を焼き印した「雪塩どら焼き」が、就航記念品として配られた。雪塩どら焼きは、千葉県成田市にある和菓子メーカー「米屋」が成田~宮古・下地島線就航を記念して、宮古島の雪塩を使い、今回のためだけに作ったもの。

搭乗開始前のスタッフの記念撮影
ジェットスター・ジャパンのスタッフが乗客へ記念品を配った
搭乗証明書「RWY17」の文字が印刷してあるB6サイズのノートとステッカー、クリアファイル、サングラスなどのオリジナルグッズと、ジェットスター・ジャパンのマスコットキャラクター「ジェッ太」くんの顔を焼き印した「雪塩どら焼き」が、就航記念品として配られた
GK323便の搭乗客に配った初便の記念品

機長は子供時代に宮古島に住んでいた黒瀬馨氏

 GK323便に乗り込み出発すると、上空で機長の黒瀬馨氏が発案した「初便搭乗記録」が配られた。このカードは、移動中に乗客が機長のアナウンスを聞きながら自分で記入して楽しむというもの。出発や到着時の滑走路、時刻などを記入できるようになっている。

 黒瀬機長は機内アナウンスで、「幼稚園の年長組から小学校3年生のころまで、私は宮古島で育ちました。昭和54年(1979年)の秋まで宮古島におりましたが、54年の春に下地島空港が開港しています。当時私は宮古島空港の近くに住んでおり、毎日のようにYS、そしてボーイングの737などの航空機を見ていました。下地島空港が開港してからはDC8、そしてボーイングの727が飛び交いまして、そういった環境もあり飛行機乗りを目指すようになりました。

 下地島の空港が開港したとき、そのうち下地島空港から東京に行く飛行機ができるとの噂が、宮古島では囁かれました。それから40年の時を経まして下地島と東京が結ばれることになりました。この就航が決まった瞬間に、私が行くしかないと思いまして、広報に初便を担当させてほしいと申し出ました。本日私の右側におります副操縦士も沖縄県那覇市の出身でございます」と思いを語った。

 また、「これから先、下地島や伊良部島のリゾート開発が進んでいくと思います。下地島や伊良部島、宮古島に来られる皆さまに一つお願いをさせてください。宮古島も下地島も、まだ手つかずの自然がたくさん残っています。どうぞこの自然が私たちの次の代、その次の代まで引き渡していけるように、観光地に行かれましたら、持ち込まれましたゴミはお持ち帰りいただき、豊かな自然がそのまま残りますよう、皆さまのご理解とご協力をいただきたいと思います」と乗客へ語りかけていた。

黒瀬機長発案の「初便搭乗記録」用紙を配布するCA。カードには出発や到着時の滑走路、時刻などを記入できるようになっている
機内販売もスタート。7時5分発ということで、朝食を頼む人が多かったようだ

地元の音楽とともに、宮古島市長、ミス宮古島、みーやたちがお出迎え

 下地島空港に着陸すると、空港では放水のアーチで初便を迎えてくれた(筆者は通路側だったが)。また、タラップを降りたところでは、伝統芸能の太鼓と踊りが披露され、到着ロビーでは、宮古島市長、ミス宮古島、宮古島のマスコットキャラクター「みーや」たちが宮古島観光協会の横断幕、三線や唄とともに出迎え、さらにここでも記念品が配られた。

タラップを降りたところでは、伝統芸能の太鼓と踊りが披露された
宮古島市長、ミス宮古島、宮古島のマスコットキャラクター「みーや」たちが宮古島観光協会の横断幕、三線や唄とともに出迎えた
筆者の宿泊先が宮古島だったので伊良部大橋を渡った。あいにくの天気だったが本当に美しい色だった
ジェットスター・ジャパン「成田国際空港~下地島空港線」(2019年3月31日~)

GK323便: 成田(07時25分)~下地島(10時25分)着
※3月31日~4月8日/4月30日~5月6日/7月1~10月26日は毎日運航
※4月12日~29日/5月10日~6月16日は月・金・土・日曜運航
※6月17日~6月30日は月・火・木・金・土曜運航

GK324便: 下地島(11時10分)発~成田(14時05分)着
※3月31日~4月8日/4月30日~5月6日/7月1日~10月26日は毎日運航
※4月12日~29日/5月10日~6月16日は月・金・土・日曜運航
※6月17日~6月30日は月・火・木・金・土曜運航

酒井 利