旅レポ

初夏の京都をゆっくり歩く「古都京都の青もみじ&御朱印めぐり」旅

青々と生い茂る「青もみじ」

 木々が一斉に芽吹いて、新緑が美しい季節を迎えた4月下旬。観光地として名高い古都・京都はいま、とてもよい季節を迎えているのをご存じだろうか。夏は暑くて冬は寒い京都も、初夏を迎える5月~7月は暖かく過ごしやすい気候で、柔らかな木漏れ日や吹き抜ける風が心地よく感じる季節だ。

 この初夏の時期に神社や寺院で見られるのが「青もみじ」。若々しい黄緑色から夏に向け色濃く変化するもみじに、誰もが知っている秋の紅葉の美しさとは異なった印象を受けるのではないだろうか。

 四季折々の京都の風景を紹介するJR東海(東海旅客鉄道)のPRキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」でも、青もみじの鑑賞やこの時期だけの御朱印がもらえるツアー商品「古都京都の青もみじ&御朱印めぐり」などを用意しており、記者もJR東海が主催するプレスツアーに参加して一足早く青もみじを鑑賞してきたので、その様子を紹介したい。

「そうだ 京都、行こう。」古都京都の青もみじ&御朱印めぐり

出発日:2018年4月16日~9月30日
種別:日帰り、宿泊
代金(東京駅/品川駅出発):大人1名2万9100円~4万8600円(2名1室利用時)、大人1名2万1000円(日帰り)
※ただし4月28日/29日、5月3日/6日、7月14日/16日、8月11日/12日/16日、9月15日/17日/22日/24日は大人1人3万1000円(日帰り)
代金に含まれるもの:往復新幹線チケット、ホテル宿泊費(宿泊する場合)、JR東海ツアーズ青もみじオリジナルグッズ
ツアー特典:京阪電車・叡山電車1dayチケット、京都地下鉄・嵐電1dayチケット、ツアー参加者限定の特別御朱印(対象10社寺のうち2カ所)
対象神社、寺院:貴船神社、神護寺、北野天満宮、下鴨神社、河合神社、常寂光寺、法厳院、曼殊院門跡、東寺、東福寺
Webページ:「そうだ 京都、行こう。」古都京都の青もみじ&御朱印めぐり

清流・貴船川と山に囲まれた古社「貴船神社」

貴船神社のライトアップ

 最初に訪れたのは、鴨川の源流・貴船川に沿って建つ古社「貴船神社」。貴船神社は水の神さまである高龍神(たかおかみのかみ)を祀る神社で、本宮、結社(中宮)、奥宮の三社からなる。古くは気力が生じる根源の地というところから「氣生根(きふね)」と称された、全国に500社ある貴船神社の総本宮だ。

 早速二の鳥居から奥宮へと向かって境内へ入ると、約3000本の美しい青もみじが参拝者を出迎えた。

貴船神社の二の鳥居
日中の参道の青もみじ。みずみずしい黄緑色がとてもきれい
貴船神社でもらえる特別御朱印。左下に青もみじと水の印が押印される(画像提供:JR東海)

 本宮から少し歩くと見えてくる結社(中宮)には、磐長姫命(いわながひめのみこと)が祀られている。貴船神社は古くから縁結びの神さまとしても知られている。その由来は、平安時代の女流歌人 和泉式部が夫との復縁を願い、かなったことから、縁結びの神さまとして広まったという、縁結びのパワースポットでもあるのだ。

結社は本宮と奥宮の中間にあり中宮(なかみや)とも呼ばれる。縁結びの神さま「磐長姫命」を祀っている。縁結びのパワースポット
たくさんの願いごとが結ばれている
結び文(むすびぶみ)に願い事を書く
絵馬には和泉式部が描かれている
立派な御神木
次は奥宮へ

 結社から5分ほど歩くと奥宮に到着。境内は凛とした空気で満ちていた。奥宮は龍穴と呼ばれる大きな穴の上に建っており、とても神聖な場所だという。この奥宮には水に関係する仕事に就く人々(料理業や船舶関係者など)が参拝に来ているそうだ。

拝殿
龍穴の上に建っている奥宮
奥宮の入り口。本宮に戻るころには日も落ちて薄暗くなった

 日も暮れ始めたころに本宮へ戻ると、ライトアップされた青もみじが目に留まった。貴船神社では5月3~6日、12~13日、20日、26~27日の9日間で「新緑のライトアップ」を行なう。日中とは異なり、暗闇に浮かびあがる青もみじはとても幻想的。水占いみくじなどをしながらこの期間だけの夜の参拝を楽しんでみてはいかがだろうか。

水に浮かべると文字が浮き出る水占いみくじ
記者も早速おみくじをやってみた。結果は小吉
本宮社殿前の石垣から湧き出る神水。無料で飲むことができ、多くの人が水を汲みにくる
幻想的な「新緑のライトアップ」(画像提供:JR東海)
新緑のライトアップ

開催日:5月3~6日、12~13日、20日、26~27日
開催時間:夕暮れ~20時

通常非公開の寺院を歩く「宝厳院」と茅葺きの仁王門と青もみじが美しい「常寂光寺」

春と秋の年2回だけ特別公開される宝厳院。今回は「獅子吼(ししく)の庭」を散策した

 次に訪れたのは、嵐山の中心に位置する天龍寺の塔頭(たっちゅう)の一つである「宝厳院(ほうごんいん)」。この寺院は通常非公開だが、春と秋の年2回だけ特別公開されている。

 この宝厳院では、嵐山を借景として室町時代に作庭された回遊式の庭園「獅子吼(ししく)の庭」が散策できるのだが、約300本前後の青もみじや苔の新緑のほかに、季節の花なども楽しんでもらいたい。

 またここでいただける特別御朱印は、獅子吼の庭が描かれた紙に「念彼観音力(ねんぴかんのんりき)」という言葉か書かれている。「難のときに観音さまの力を念ずれば、苦しみから解放してくださる」というありがたい言葉もぜひ受け取ってほしい。

庭のいたるところに広がる苔
獅子吼の庭が描かれた紙に「念彼観音力」と書かれた御朱印
もみじの実が付いていた
常寂光寺の茅葺きの仁王門と青もみじ

 さらに歩いて小倉山に中腹に建つ「常寂光寺」へ。入り口となる山門をくぐると見えてくるのは茅葺きの仁王門。鮮やかな青もみじと仁王門を見ていたら「そうだ 京都、行こう。」のテーマソングを思い出した。仁王門の先には、青もみじのトンネルが参拝者を出迎え、さらに石段を登ると嵯峨野の景色を一望できるので、境内を散策してみよう。

 常寂光寺でいただける特別御朱印は「如日月光明(にょにちがっこうみょう)」。経文になぞらえて黄紙に書かれている。この御朱印は「『そうだ 京都、行こう。』古都京都の青もみじ&御朱印めぐり」でしかいただけない限定の御朱印となっている。

常寂光寺の山門
黄紙に書かれた御朱印「如日月光明」と書いてある
境内にはさまざまな種類のもみじがあった

八瀬もみじの小径、ひっそりと佇む「瑠璃光院」

京都・洛北の八瀬もみじの小径ライトアップ

 さて、最終目的地の「瑠璃光院」に行く前に訪れたのは、比叡山の麓、叡山ケーブル八瀬駅のすぐ近くでたくさんの青もみじが群生する「八瀬もみじの小径」。この八瀬エリアでは、叡山ケーブル「ケーブル八瀬駅」「ケーブル比叡駅」でもライトアップを実施するので、きれいな夜景とともに楽しんでみてはいかがだろうか。

 そして最後にやってきたのは「瑠璃光院」。この寺院も普段は非公開で、春と秋の年2回のみ特別公開を行なっている。秋期のもみじライトアップに続いて、今回初めて青もみじのライトアップを実施。「そうだ 京都、行こう。」のプランを申し込んだ1500名(1日150名限定、10日間実施)限定の一般公開となっている。

 瑠璃光院では3つ庭があるうちの一つ「瑠璃の庭」を鑑賞した。瑠璃の庭の由来は、庭に広がる苔に付いた朝露や雨粒に日が差すと、瑠璃色に見えたことからその名がついたとのこと。瑠璃色は仏教ではとても尊い色なのだそうだ。

 秋の色鮮やかなもみじとは異なり、落ち着いた雰囲気の青もみじも格別の美しさだ。1階の廊下に腰を下ろして見る庭と、2階の窓越しから見る庭の表情の違いとともに、ゆっくりとした時間の流れを味わってほしい。

八瀬のもみじの小径ライトアップと瑠璃光院 夜の特別拝観

開催期間:2018年5月12日~6月10日の土・日曜日
拝観時間:19時~20時30分(最終受付19時45分)
募集人数:1日150名限定
代金:6000円
代金に含まれるもの:瑠璃光院拝観料、叡山ケーブル往復乗車券、八瀬もみじの小径ライトアップ鑑賞
Webページ:京都洛北 八瀬もみじの小径ライトアップと瑠璃光院 夜の特別拝観

瑠璃光院の青もみじ(画像提供:JR東海)

編集部:峯岸麻美