旅レポ
沖縄本島からフェリーで行く離島、座間味島&阿嘉島ツアー。ザトウクジラに会える座間味島編(その1)
2018年3月14日 06:00
1月中旬にOCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)主催の「座間味・阿嘉島メディアツアー」が開催され、慶良間諸島の海“ケラマブルー”に憧れを抱く私ゆきぴゅーが参加して参りました~!
沖縄本島から西へ約40km、船で行く離島・座間味島周辺は、ダイバー憧れの海として有名。2014年3月5日(サンゴの日)には「慶良間諸島国立公園」にも指定され、海外からの旅行者の数もぐんと増えたといいます。今回は座間味島に1泊、阿嘉島に1泊というスケジュール。まずは座間味島からご紹介いたしましょう。
「フェリーざまみ3」で那覇から2時間の船の旅
座間味島へは那覇市の泊港から「フェリーざまみ3」を利用して所要時間は2時間。朝10時に出発して途中阿嘉島を経由し、座間味島にはちょうどお昼に到着です。フェリーより速い「高速船クィーンざまみ」もありますが、料金が1000円ほどアップ。時間を取るかお金を取るかの判断ですわね。フェリー、高速船ともに予約受付は2カ月前からとなっています。
この「フェリーざまみ3」は2016年11月に就航したばかりの新造船。以前より乗船人数もぐんと増えてサイズアップしたのだそうです。ちなみに高速船とフェリー、どちらが揺れて船酔いしやすいかというと高速船。時間はかかりますがフェリーの方が波の影響を受けにくいので揺れないのだそうですよ。
船内はフリーWi-Fiの利用が可能。2階には海の方を向きながらノートPCを広げられるテーブル席もあるので、移動時間も有効に使えますわよ~。
ザトウクジラのオブジェがお出迎え! 座間味港に到着
前述したとおり、フェリーは阿嘉島で乗下船後に座間味島に到着です。阿嘉島は港のすぐ近くにある阿嘉大橋周辺の海の色がそれはそれは素晴らしいのですが、それはまた次回「阿嘉島編」でご紹介しましょう。
座間味島の港の近くには本物そっくりのザトウクジラのオブジェがあります。冬の座間味周辺の海は、このザトウクジラが繁殖や子育てのために回遊してくることで知られていて、そのクジラたちを船の上から観察するホエールウォッチングはこの時期人気No.1のアクティビティ。もちろん今回私たちもホエールウォッチングを楽しみにやってきました!
座間味島到着後まずは、夏場には大にぎわいになるという島随一のメインストリートを通って地元の食堂へ。その名も「海畑食堂」。想像していた以上にオシャレでカフェのようなお店でした。
本場の沖縄そばが食べられる「海畑食堂」のランチ。私がチョイスしたのは「フーチバーそば」です(650円)。フーチバーというのは“よもぎ”のことで、沖縄料理にはたびたび登場する食材。どうやら麺に練り込まれているらしく、身体によさそうな緑色をしていました。スープにも薬草っぽい香りがにじみ出ていてやさしいお味。トッピングした軟骨ソーキ(豚肉ですわね)とじゅーしー(沖縄の炊き込みご飯)も美味しくて、一気に沖縄気分が高まりましたわ~♪ ごちそうさまでした。
天候の回復を待ちながら、クルマで島内にいくつかある展望台を巡りました。晴れていれば青い空とエメラルドブルーの海という絶景がのぞめるはずですが、雨、雨、雨。ちょっと残念なお天気です。
しかし今回展望台を視察したのにはちゃんと理由がありました。というのも座間味島のホエールウォッチングは、2カ所の展望台から専門スタッフが双眼鏡を使ってクジラを探し、ウォッチング船を無線で誘導しているから! 座間味島ホエールウォッチングの遭遇率が95%以上と高いのは、この陸からの探鯨というほかにはない大きな強みがあるからなのです。クジラを探しながら行くのと、確実にクジラがいる場所に向かうのとでは大違い。よけいな時間のロスを回避でき、そのおかげで具合がわるくなるお客さんの数も減るのだそう。
さて座間味島といえば、白砂が美しいビーチが人気ですが、その1つが集落エリアの東側に位置する「古座間味(ふるざまみ)ビーチ」。白い砂浜が美しい曲線を描き、目の前には“これぞケラマブルー”という青い海が広がっています。驚いたのは雨が降っていたこのときでさえも、その海の美しさを感じることができたこと! これで晴れていたら……と想像するだけでワクワクしちゃいました。
冬の座間味の楽しみ方! ホエールウォッチング
那覇の泊港を出発したときから降り続いていた雨はいっこうに止む気配がなく、しかも前線通過中ということで時折強風も吹くありさま。結局この日予定していたホエールウォッチングは中止となってしまいました。が! 翌日阿嘉島から船を出してもらって決行することができましたの~! というわけで、出港時の写真は阿嘉港ですが、この座間味島編でその様子をご紹介しましょう。
座間味のホエールウォッチングは毎年12月末~4月初旬まで開催しています。1991年に発足した座間味村ホエールウォッチング協会が村の加盟ボートを管理し、自主ルールを設定。ザトウクジラにやさしいウォッチングを目指しているのが特徴です。料金は大人5400円で所要時間は約2時間。午前便と午後便の2回あります。
船に乗りこむと、トイレの場所とか、クジラを見付けたらこうしてくださとか、具合がわるくなったらどうするか? などのお話がアシスタントの“しんぽうちゃん”からありました。
クジラを見付けるポイントは、クジラが呼吸のために水面に上がってきたときに吐く息「ブロー」を見付けること。白い霧状のものが3~5mほど吹き上がります。船長さんをはじめ、全員が目を凝らして水面を見つめていたそのときです。しんぽうちゃんの「ハイ、上がりました、10時の方向!」の大声に、全員が一斉に10時の方向に目を向けます。するとザトウクジラの黒っぽい背びれ部分が水面に! ちなみにクジラ自体はゆっくりとした動きですが、写真を撮るとなると一瞬の出来事。撮れた、撮れないの会話が飛び交います。
上の写真でお腹側の尾びれの写真が撮れましたが、実はクジラのなかでもザトウクジラだけ一頭一頭この部分の模様が違うのだそう。座間味ホエールウォッチング協会はこの尾びれの写真を撮って個体識別をしていて、ここ最近では1シーズンで200頭ほどが識別されているそうですよ。
ザトウクジラは1回の呼吸(ブロー)で数分間は水中に潜ったままなので、次のブローまで待つことになります。それが5分のときもあれば15分のときもあるといった感じでクジラ次第。大きい個体だと30分くらい潜っていることもあるそう。それでも船はしっかりとクジラの進んでいった方向に一定の距離を保って追いかけていくので、そろそろあの辺りに出るかな~という予測は的中するのです。その船長さんの運転技術と距離感、予測能力ったらすごい! 今回お世話になった宮村船長をはじめ、座間味島には長年の経験から“クジラがイヤがらない操船”をするベテラン船長ばかり。展望台に立つ監視員さんと船長さんたちの連携プレーが座間味のホエールウォッチングを支えているのです。
私の撮ったしょぼい写真では伝わりきれないと思いますので、お借りしたとっておきのクジラ写真で〆ることにいたしましょう。座間味村ホエールウォッチングでは、運がよければこんな大迫力な体験ができちゃいますよ。
座間味島ではリピーターも多い「レストハウスあさぎ」に宿泊
座間味島では夕方、海に沈む夕日を期待して海岸道路を少しお散歩してみました。
ちょっと古いですが1988年の映画「マリリンに逢いたい」をご存じでしょうか。主役犬「シロ」はここ座間味島に暮らす恋人犬マリリンに逢うために、対岸の阿嘉島から3kmの海峡を泳いで渡ってきました。そのマリリンの像が海岸道路沿いにあります。ということは阿嘉島には……そう、シロの像がありましたよ(それは次回の阿嘉島編で)。
座間味島での宿泊は港から徒歩3分の「レストハウスあさぎ」。各部屋バス・トイレ付きでお部屋は和室タイプと洋室タイプがあって、ドライヤーやアメニティなども用意されています。夏場は家族連れに大人気とのことで、食事も美味しいと定評のお宿ですよ。
「レストハウスあさぎ」からは、歩いて1分のところに島最大の商店「105ストアー」があるので便利です。晩酌用のオリオンビールを買いに行ってみたところ、島のネコちゃんも買い出しに来ていました。
「レストハウスあさぎ」のお夕飯は、もずくやお刺身、チャンプルー、煮魚などの沖縄らしいメニュー。お酒に合うものばかりでビールが進みましたわ~。
さて次回は、座間味島から船で15分の阿嘉島編。座間味島以上にのんびりムードの阿嘉島は、カメラ片手の散策が楽しい島でした。ゆきぴゅーはビーチで遭遇した天然記念物の動物に大興奮。お楽しみに~♪