旅レポ

沖縄本島からフェリーで行く離島、座間味島&阿嘉島ツアー。島豆腐作ってケラマジカに遭遇の阿嘉島編(その2)

沖縄観光コンベンションビューロー主催の「座間味・阿嘉島メディアツアー」に参加してきました

 1月中旬に開催された沖縄観光コンベンションビューロー主催の「座間味・阿嘉島メディアツアー」。

 前回の座間味島に続き、今回は人口270人あまりの自然豊かな島、阿嘉(あか)島をご紹介します。

沖縄本島からフェリーで行く離島、座間味島&阿嘉島ツアー 記事一覧

  • その1:ザトウクジラに会える座間味島編
  • その2:島豆腐作ってケラマジカに遭遇の阿嘉島編
  • マリリンに逢いに行ったシロの島、阿嘉島へ

     座間味島から阿嘉島へは、村内航路「みつしま」を利用します。わずか15分の船旅ですが、荷物を積んで風を感じながら別の島に行くというワクワク感はたまりません。到着した阿嘉港旅客待合所を出ると、映画「マリリンに逢いたい」で海を渡って恋人犬マリリンに逢いに行った“シロ”の像がお出迎えしてくれました。

    海上タクシーのようなもの。料金は大人片道300円
    シロの像。映画では実際に演技をしたというお利口犬

     ちなみに阿嘉島は、住所でいうと沖縄県島尻郡座間味村。座間味島と同じ“座間味村”になります。だから村内を行き来する船「みつしま」があるのですね~。そしてここ阿嘉島は、国の天然記念物になっているケラマジカという小型のシカが生息している島。原生林の方にひっそり暮らす数少ない希少動物なのかと思ったら、どうやら集落でも普通に見かけるそう。彼らの活動が活発になる夜には、寝静まった暗い集落のなかで目だけが光って見えたりするのだとか!

    ここ阿嘉島も2014年に指定された慶良間諸島国立公園

    写真にあるりっぱな橋は、阿嘉島とお隣の慶留間(げるま)島を結ぶ阿嘉大橋。ここ橋の下の海の色ったらすごくて、まさにケラマブルー! 曇天でこの青さですから晴れていたらを想像してみてくださいませね。

    阿嘉大橋。青く見えるところは海の色が反射しているのだと聞いてびっくり!
    どれだけ青いですの~!と橋の上にやってきました。曇天でもこの青さはすごい

     阿嘉島のお宿は「ゲストハウスすまいる」。優しいご主人と元気で笑い声がたえない奥様が営む、こちらもリピーターさんの多い宿です。阿嘉港からはほんの1、2分ほどというアクセスのよさですが、ネコちゃんが案内してくれました。

    こっちだニャン
    ペンション「すまいる」。コンクリート造り3階建ての建物
    3階のお部屋を使いました
    1階のリビングルーム兼食堂

    にがりの代わりに海水を使った阿嘉島の島豆腐作りに挑戦

     阿嘉島で楽しみにしていたのは島豆腐作り体験です。泊まった「ゲストハウスすまいる」の食堂で開催されました。できた島豆腐はランチでいただけるとのこと。では早速豆腐作りスタート!

    用意されていたのは大量の大豆

     テーブルの上には、豆1に対して水4の割合で一晩浸された大豆。まずはそれに水を足してミキサーにかけます。

    大豆と水を混ぜてミキサーにかけ、さらし布で絞っておからと豆乳にわけます

     ミキサーにかけてドロドロになったものをさらし布に入れて絞ります。これがなかなか力のいる作業。ご存じのとおり出てくるのは豆乳で、布に残ったのはおから。おからはもう一度水を加えて2度絞りします。豆乳の方も2度漉ししてなめらかに。大量の豆乳がとれたら、大きな鍋に入れて火にかけます。ここでかき混ぜたらダメ。じっくり焦らずフツフツとなってくるのを待ちます。そしてにがりの代わりに入れるのが海水。これが島豆腐の特徴です。

    絞った豆乳を大鍋に入れて火にかけます
    目を離さないように注意!
    フツフツしてきたら海水を回し入れます
    途中でさし水をしたときにできた豆乳
    型に流し込んで重しを乗せます
    固まったら島豆腐のできあがり

     できあがった島豆腐。苦労して絞って絞って絞ったかいがありました。できたてホヤホヤはとっても美味しくておかわりして食べたほど。写真に写っているご飯は沖縄の炊き込みご飯「じゅーしー」、お椀のなかは島豆腐たっぷりのお汁。小鉢には大豆を絞ったときにできたおからで作った卯の花。左上の小鉢はシイラというお魚のフライです。お汁には沖縄そば店に必ず置いてある調味料の島とうがらしを数滴ふりかけるとピリリとしたアクセントになってさらに美味でしたよ。

    島豆腐ランチ、いただきま~す
    自分たちで作ったお豆腐、美味しいですわ~

    阿嘉島をぶらりお散歩。最後はビーチでケラマジカに遭遇ですの

     小じんまりとした阿嘉島の集落は、前浜と書いてメーヌハマと呼ばれる白砂のビーチのすぐお隣にあるので、路地の間からチラチラと美しい海が見えるのが素敵です。狭いエリアに郵便局や幼・小・中学校にスーパー、小さな商店、ダイビングショップなどが密集していてカメラ片手の散策がとっても楽しかったです。

     鮮やかな朱色の鳥居が目に入って思わず立ち止まってしまった場所は「海の神様」を祀る御嶽(うたき)。年に一回のお祭りには島中の人が集まるのだそうです。

    海神様を祀るイビヌメィー

     阿嘉幼小中学校前にある老大木が、地元では「ウルンのケー(うるんの木)」と呼ばれ大切に守られている常緑高木アカテツの木です。樹齢400年と言われているそうで、島で生まれ育った人はみな、一度はこの木に登って鬼ごっこをし、一度は落ちて泣いたことがあるのだそう。長い時間島を見続けてきた神様のような木は、村指定文化財にもなっています。

    樹齢400年とも言われる御殿(うるん)の木
    ヌンドゥルチお宮
    ブーゲンビリアがあちこちに
    シーサーもひとつひとつ違って楽しい
    沖縄民家の石垣はとってもフォトジェニック
    こちらはパイナップルではなくアダンの実。熟すと黄色くなります
    メーヌハマ。しつこいようですが晴れているときをご想像しながら見てください
    島の“おじい”“おばあ”がのんびり歩いていました
    ネコもあちこちに。気付くとついて来るからかわいい
    え!? 犬!?

     と、そのときですの。ビーチ沿いをでっかい犬か何かが歩いてますわ~と思ったら、なんと天然記念物のケラマジカ! 本当に民家のすぐ近くに来るのですね~。大慌てでカメラを構えてシャッターを切ってしまいました。が、島に暮らす人にとっては別段めずらしい光景ではなく、むしろ畑の野菜を荒らすなど被害が絶えず悩みの種のようです。でもこのケラマジカ、夜の集落で遭遇したらちょっと怖いかも。

    雨の日はあまり出てこないのだそうですが、この日はビーチをのんびり歩いていました
    ネコもケラマジカも歩く阿嘉島の集落

    お隣の慶留間島、外地島へドライブ

     そのあと、阿嘉大橋を渡ってお隣の慶留間(げるま)島へ。慶留間島には重要文化財に指定されている沖縄家屋「高良(たから)家」があります(入場料300円)。昔ながらの赤い瓦屋根の平屋とそれを取り囲むりっぱな石垣が特徴です。

    高良家。縁側がいい感じ
    フクギが生い茂る石垣が沖縄っぽい

     慶留間島からさらにお隣の外地島へ。そとじ、ではなく、ふかじと読みます。ここは無人島ですが、地方管理空港の1つ、慶良間空港があることでご存じの方も多いかもしれませんね。

    環境としては日本一レベル!? 慶留間小中学校はうらやまし過ぎるロケーション。慶留間橋から撮影
    外地(ふかじ)島にある慶良間空港
    空港前にもありました、国立公園の記念碑

    阿嘉島で唯一のバーとマンホールコレクション

     人口300人にも満たない小さな島だから飲み屋さんなんてないでしょと思われがちですが、そんなことはありません。古民家を利用したとってもステキなバー「ヨナミネハウス」が集落の西側にあります。これで島のナイトライフもバッチリですわよ(何が!?)わたくし阿嘉島に1週間滞在したら、ココに毎晩通う自信ありますわ~。それくらい居心地のいいバーでした。

    マスターの与那嶺さん。リクエストに応じて何でも作ってくださいます。そして美味しい!
    これはカクテル「ケラマブルー(だったかな?)」
    奥がカウンター席。くつろげるお座敷席も広々

     最後に今回、座間味村、阿嘉島、慶留間島と3つの島で忘れずに撮ってきたマンホール蓋の写真をご紹介します。ご当地マンホールマニアさんの間では人気のようですよ。

    座間味島はザトウクジラ
    阿嘉島はやっぱりケラマジカ
    慶留間島は高良家とケラマジカ

     楽しかった離島の時間もあっという間に終わり、阿嘉港からは来たときと同じ「フェリーざまみ3」に乗って那覇の泊港へ向かいました。フェリーが阿嘉港を離れるとき、お世話になったゲストハウスすまいるのお母さんが雨のなかいつまでも手を振ってくれてちょっとうるうるしちゃいましたわ。

     今回の旅で訪れた座間味島も阿嘉島も、沖縄本島から日帰りできる島。だけど実際に行ってみて、どちらも泊まらないと分からない魅力にあふれた島だなと思いました。またいつかきっと遊びに来ようと思った座間味島、阿嘉島の冬旅でした。

    さようなら~さようなら~!
    ゆきぴゅー

    長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。