旅レポ

身も心もリラックスしたい人におすすめしたいインドネシアの旅(その1)

バリ島最西部、国立公園内にあるリゾート「ザ・ムンジャンガン」で過ごすひととき

 夏が目前に迫ってきました。そろそろ海だ! 山だ! とソワソワしはじめているアクティブな人たちや、日々仕事に追われ疲れ切っている人たちを尻目に、インドネシア共和国観光省主催の「インドネシア メディアトリップ」に参加してきました!

 今回の行程はバリ島の最西部、国立公園の中に位置するという極めて珍しいリゾート地「ザ・ムンジャンガン」で過ごすひととき、お隣ジャワ島の最東部の火山「イジェン」でのトレッキング、そしてその麓の街「バニュワンギ」の観光、の3本立て。ちょっぴりタイトな行程ではありましたが筆者が感じたその魅力の一端をお伝えできればと思います。

インドネシア特産布地風のシートでくつろぎながら現地へ!

 さて、その第1回目は東京(成田国際空港)からバリ島(デンパサール国際空港)へ、そして大自然の中にあるリゾート地、ザ・ムンジャンガンまでをお届けします。往路は成田空港午前11時発ガルーダ・インドネシア航空GA881便、バリ島のデンパサール行きに搭乗。

 7時間弱のフライトです。日本との時差はわずか1時間と、時差はほぼないに等しいですから体はすごく楽です。近すぎず、海外旅行感をしっかり感じながらも食事や機内エンタテイメントを楽しんでいる間に到着する気軽さも併せ持つ、ちょうどよい感じ。機内ではCA(客室乗務員)のファッションやBGMにインドネシアを感じるような工夫がなされ、これから過ごす地のワクワク感を先取りできる演出が随所に盛り込まれていますが、筆者が特に気に入ったのは機内のシート、というかシート生地。

インドネシア特産のバティックという布地をモチーフとしたザックリとした風合いのシートはとても快適でした

 インドネシア特産のバティックという布地をモチーフとしたというものですが、その風合いを大変気に入りました。気にしない人には気にならない部分でしょうが、薄着で乗る機会の多い南国への旅ではそのザックリとした肌触りによる座り心地はなかなかの好印象。筆者の極めて個人的な好みではありますが、ご参考までに。ちなみにこのシート、柄や色にバリエーションはあるもののガルーダ・インドネシア航空のすべての飛行機に採用されているとのことです。

 そんなシートでくつろぎつつ、インドネシアのビンタン(BINTANG)ビールをいただきながら過ごせば、あッという間にバリ島に到着です。

インドネシアのビール「BINTANG」
日本茶はキチンと急須で。なにか落ち着きます
機内食用の箸はとてもしっかりしていて好み。これは持ち帰り可能ということで、ありがたく頂戴しました
エコノミークラスでもアイマスク、耳栓、靴下が用意されていました

バリ島到着、激甘と激辛料理で異国感! そして散策

 さて、到着後、我々ツアー一行は入国審査などを済ませ、街で夕食。ご飯こそ日本と似たような(でも違う)ものですが、鴨肉を揚げた料理には激辛ソース、アイスティーは激甘、とテラス席の微妙な蒸し暑さとも相まってこの夕食で自分たちが東南アジアにいることをあらためて知らされた気分。その美味しさと同時にちょっぴり異国情緒をも味わいながらバリ島での夜を過ごします。

辛いソースで食べるカリカリに揚げた鴨が美味しい
激甘のアイスティーを飲むと、ここが日本ではないことを感じたりします

 食後は少しだけ街を散策。もうこの時点で体はすっかりこの街に馴染んだような気になっています。一方で馴染まないのは金銭感覚。

 日本の1円がここインドネシアでは約130ルピア(2016年6月現在、以下同)。日本では今や缶コーヒー代にも少々足りない100円が約1万3000ルピア。現地での換金後は財布の中が万札、いや10万札だらけになってしまい(ルピアだけど)なんだか気が大きくなったり、一方でコンビニに並ぶ缶のお酒の値札に並ぶ9000ルピアの文字に異常に物価が高く感じたり(実は約70円とかなり安いんですけど)、なにかそのゼロの並ぶ数字の感覚が馴染めないのも初めてインドネシアを訪れた筆者にとってはちょっとした異国情緒だったりします。

入国して最初の夕食のあと、地元のショッピングセンターなど街を散策
コンビニの飲み物の値札が6000~9000ルピアと書かれると、それが円ではなくルピアだと知っていてもなんだか高価に思えてしまいます
ゼロがこんなに並んでしまうと、ちょっぴり金銭感覚がおかしくなってしまう筆者です(写真に写っている分なら日本円で約3000円)

国立公園の中のリゾート地「ザ・ムンジャンガン」へ

 到着した日はホテルで十分な睡眠をとり、翌日は朝からバスに乗って国立公園の中のリゾート地「ザ・ムンジャンガン」へ向かいます。150km程度の行程ですが、すべて一般道のため途中休憩を入れながら結局5時間くらいの旅となりました。

 実はこの5時間、ちょっと長いなぁと感じたのも正直なところ。帰路もデンパサール国際空港を利用することを考えると単純計算で往復10時間。つまるところ移動時間だけで1日は使い切ることになります。と、そんなことも頭をよぎるころ、バスは一般道を離れ森の中を突き進み「ザ・ムンジャンガン」に到着します。

 といっても見えるのは森の中のタワーのみ。このタワーこそがここのリゾートのフロントなのです。そのほかのさまざまなアクティビティや宿泊の施設は広い森の中に点在するのみ。ここは国立公園の中に位置している稀有なリゾート地ですので、どこを見回しても手付かずの自然そのものです。施設内の移動もクルマでとなります。

 そんな環境ですから移動中もリスや見たこともないような鳥など、さまざまな動物に出会います。宿泊施設は森の中、ビーチ沿い、そして海を見下ろすクリフ(崖)の上と3カ所、そしてレストランやアクティビティの拠点があちこちにあります。また、今回行く事はできませんでしたがスパはマングローブの原生林の中にあるそうです。

初日の宿は空港近くのホテル ソブリン バリ
バスでバリ島の最西端「ザ・ムンジャンガン」へ向かいます。道路はよく整備され快適です
車窓から見る田んぼもなかなか綺麗です
現地のSIMカードも手軽に入手でき、通信環境も確保できます
休憩したガソリンスタンドのトイレは有料。2000ルピア(約16円)でした
トイレはこんな感じです
道路脇の風景がどんどん変わりホテルに近づくにつれ木が生い茂ってきます
「ザ・ムンジャンガン」に到着
チェックインなどを行なうバリタワー
バリタワーはこんな立地にあります(写真提供:ザ・ムンジャンガン)
バリタワー2階は開放的なスペース。朝食などはここでいただきます
バリタワーの2階にはウェルカムドリンクのほかに軽食が用意されていました
フルーツも豊富です!
森に点在する宿泊施設や各種アクティビティ、レストランへはクルマで送迎してくれます
送迎車は屋根上にもシートがあって移動中も施設内の景色を満喫できます
モンスーンロッジと呼ばれるエリアのスイートルーム
モンスーンロッジのプール
ビーチ・ヴィラ
ビーチ沿いのレストラン。マングローブが生い茂ってます

 この極上のリゾートへ行くためには、今回の我々一行と同じように空港からバスなどのクルマでアクセス、もしくはお隣のジャワ島からフェリーに乗ってアクセスすることになりますが、もしここが空港のそばやアクセスのよい場所にあったのなら、この手付かずの環境はいくら国立公園とはいえ到底維持できないように思えます。

 むしろ5時間程度(もちろんノンストップで来ればもっと時間短縮は十分可能)でこのような楽園にアクセスできるのならば、いまは便利とすら思えます。ツアーはたった1泊の滞在ではありましたが、筆者は美しいムンジャンガン島付近でのシュノーケリングを初体験。船上での美しい風景も堪能しました。

シュノーケル体験のためムンジャンガン島へ向かう船に乗ります
船上での安全説明、そして準備
筆者はシュノーケリング初体験。インストラクターから手渡されたモノがなにかも分からないありさまですが、とにかく気持ちよかった
船上でもドリンクや食事が用意されていました。岸に上がれば夕食が待っているのについつい食べてしまいます

 この辺りはダイビングスポットとしても有名なところだそうです。海辺での乗馬を楽しんだツアーメンバーもいて、各自が思い思いの時間を過ごしたようです。

 また海を見下ろす崖の上に建てられた海沿いの部屋に宿泊した筆者にとって夜明けの海の美しさは忘れることのできない風景で、その魅力のすべてが大自然の恵みであるこの地ではさまざまなアクティビティはもとより「なにもせず、ただただゆったり過ごす時間」こそが最大の贅沢であるような気もします。いつか、たっぷりと時間をとって再訪したいものです。

月明かりの下で食べる夕食もなかなか楽しく、しかも美味しい
夕食後、部屋へ帰る道すがら鹿と出会いました
筆者が宿泊した崖の上のザ・ムンジャンガン・レジデンス。部屋にはエアコン、Wi-Fiも完備
施設は現代的で差し込む朝日が非常に美しいバスルームも気持ちよい
部屋のテラスから見る夜明けの風景はまるで絵画のようでした

 ツアー一行は短時間ではありましたがそれぞれに充実した時間を過ごし、翌日には次の目的地、海を隔てたジャワ島の街バニュワンギを目指します。(つづく)

高橋 学

1966年 北海道生まれ。仕事柄、国内外へ出かける機会が多く、滞在先では空いた時間に街を散歩するのが楽しみ。国内の温泉地から東南アジアの山岳地帯やジャングルまで様々なフィールドで目にした感動をお届けしたいと思っています。