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FDA 9号機のコックピットやエンジン、キャビンなど細部を見る

「エンブラエル ERJ 175(ERJ 170-200 STD)」を格納庫で公開

2015年3月24日公開

フジドリームエアラインズが、30億円弱で購入した「エンブラエル ERJ 175(ERJ 170-200 STD)」

 FDA(フジドリームエアラインズ)は3月24日、県営名古屋空港内の格納庫において、同社9番目の保有機となる「エンブラエル ERJ 175(ERJ 170-200 STD)」を報道陣および関係者に公開した。

フジドリームエアラインズ 代表取締役副会長 内山拓郎氏

 機体の公開前に行なわれた説明会では、フジドリームエアラインズ 代表取締役副会長 内山拓郎氏が登壇。「この9号機は昨日ブラジルのサン・ホセ・ドス・カンポスから4泊5日をかけて名古屋空港に到着いたしました」と前置き。「FDAは2009年の7月に2機、3路線4便で始めたわけですが、この飛行機が来まして夏ダイヤからは15路線29便になります。県営名古屋空港では2010年10月末から(就航を)始めたわけですが、今度の夏ダイヤからは9路線20便になります」と挨拶。これにより2011年まで同空港をベースにしていたエアラインの9路線19便を超え、同社が地域の足として着実に地盤を固めつつあることを示唆した。

FDA 9号機 エンブラエル ERJ 175

 FDAの9号機となる「エンブラエル ERJ 175」はブラジルに本拠を置く、世界第4位の航空機メーカー「エンブラエル」が生産するE-Jetシリーズの小型ジェット機。地方と地方を結ぶ短距離&座席数100席程度の路線向けとなる、いわゆるリージョナルジェットと呼ばれるモデルだ。小型軽量なボディと高出力のエンジンを組み合わせることで燃費性能を高め、低コストでの運用が可能なことから、日本国内はもとより海外でも高い人気を誇る。

 E-Jetには小型のERJ 170とERJ 175、胴体を延長して客席数を増やしたERJ 190とERJ 195と異なるモデルが用意されており、FDAでは座席数76席のERJ 170が3機、座席数84席のERJ 175を5機導入。この9号機は6機目のERJ 175となる。

 9号機の特徴は「Fuel Burn Improvement(Package2)」仕様となっていること。ERJ 175は他社にも導入されているが、この仕様の機体は日本初導入であるという。従来モデルとの大きな違いは主翼端のウイングチップだ。従来モデルにもウイングレットが装着されていたが、この仕様では大型化するとともに角度を寝かせることで、翼端部に発生する空気渦の発生をより効果的に低減。同時に全幅は26mから28.65mに広がっている。さらにLED化によるナビゲーションライトのスリム化、主翼付け根部分に整流形状のパーツの取り付けなどにより、ベースモデルより約5.5%の燃費改善を実現しているという。

9号機となるJA09FJの特徴長
機体完成後は国土交通省から登録記号ナンバー(JA09FJ)入りの航空機登録証明書を取得。その後、最終領収検査を行ない耐空証明書と運用限界等指定書を取得することでFDAの機体として飛行できるようになる
フェリーフライトのルート

FDA 9号機 エンブラエル ERJ 175の細部をじっくり見てみた

ゴールドのカラーが印象的な9号機
エンジンはGE(General Electric)製ターボファンエンジン「GE CF34-8E」を採用する
ショックコーンとブレード
内側のカウルには無数の穴が開けられている
エンジン後方は排気流をスムーズに流すために波形になっている。排気を受ける部分は耐熱パネル仕様
カウルを開けた状態
カウルのキャッチは剛性が高そうな構造
エンジン内部はハーネスが複雑に絡み合っている
外側のカウルにはNACAダクトと整流板
カウルにはエンジン作動時の立ち入り禁止区域を示す表示がある
機体側にも「INGESTION HAZARD」と同様のレタリング(左側の赤線)がある
前輪。機体番号を示す「09」の文字もボディーカラーと同じゴールド
タクシーライト
主脚
タイヤはダンロップ製
ブレーキはカーボン製
主翼端には大きなウイングチップがある
飛行中に発生する静電気を放出する放電索
主翼の付け根に着陸灯が付く
主翼にある給油口
右主翼に日の丸
左主翼には機体登録番号
フラップまわり
アースポイント
後部ドアの後方にも機体登録番号が表示される
前部ドアのハンドル
機体後部のカーゴドア
前側
緊急時に外部から機内へ入るための突入口
対気速度を測るためのピトー管
外部電源のコネクター部
コックピット
表示部まわり
キャプテン側
コパイ側
ダブルバブル構造の採用で同クラスの機体より広い客室を実現している。シートは2-2の1列4席
シートはリクライニングおよび中央アームレストのハネ上げが可能
シート下は救命胴衣があるもののスッキリとした空間
シート間隔は79センチ。成人男性が座ってもコブシ1つぶん以上の余裕がある
テーブルはフリップ式
13インチ MacBook Airを乗せてみた
オーバーヘッドコンソール
ブラインドは一般的なプラスチック製の遮光板を手で上下させるタイプ
手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)
前部ドアを入ったところ。左右でドア位置が前後にずれているのが分かる
前部ギャレー
キャビン最後部はギャレーになっている
ギャレー部分
ジャンプシートとラバトリー

安田 剛