【イベントレポート】パリ航空ショー2015

メキシコのInterjetが運航するロシア製小型ジェット機「SSJ-100」ギャラリー

2015年6月15日~6月21日(現地時間) 開催

InterletのSSJ 100-95B

 フランス パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催中の「パリ航空ショー2015」には多くの航空機が展示されており、一部は機内を見学することもできる。エアショーというと航空機メーカーによる提案仕様機の展示というイメージがあるかも知れないが、航空会社の仕様に合わせた納入前の機体も展示されている。航空会社向け航空機の機内では、実際に利用されるシートが取り付けられているのはもちろん、提供されるアメニティグッズや機内サービスなども紹介している。実際に乗る機会があるかも知れないこれら航空会社仕様機のなかから、本稿では「Interjet」の「SSJ 100」(Sukhoi Superjet 100:スホーイ・スーパージェット・100)を紹介する。

 Interjetはメキシコのローコストキャリア(LCC)で主にメキシコ国内や北米、中南米を中心に一部国際線も運航している会社だ。航空機の「SSJ 100」は、ロシアのスホーイが製造するリージョナルジェット機で、60~90席級のサイズと、三菱航空機と三菱重工業が開発を進めている「MRJ」の競合製品である。

 ただし、SSJ 100はすでに航空会社に納入済みで、各社の路線に就航している。国内の航空会社に導入事例はないものの、ロシアのヤクーツク航空が、日本とシベリアを結ぶチャーターツアーで利用されており、日本人にも無縁の存在というわけではない。

 Interjetが導入するSSJ 100は、90席級の「SSJ 100-95B」で、2-3配置の5アブレストで、19列の座席を備える。最前列の2席がないため93席の仕様となっている。その大きな特徴といえるのがシートピッチが34inchと広い点で、シートも膝部分がえぐられた形状のものを採用しており、足元はかなり広い。SSJ 100-95Bはシートピッチ30inchで最大108席の装備が可能な仕様とのことで、この93席というのはゆとりのあるレイアウトといえる。

客室。2-3の5アブレストで、最前列2席がないため93席を装備。オーバーヘッドコンパートメントが大きいので多少圧迫感はあったが、通路部分の天井は高い。
シート。エコノミークラスのみのビジネスクラスやプレミアムエコノミーはない1クラスの仕様。シートピッチが34inchと広く、シート形状と相まって足元はかなりゆとりがある
オーバーヘッドコンパートメント
機内ディスプレイ。7型程度の小さなサイズのディスプレイを狭間隔で配置している
前方ギャレー(写真左)と後方ギャレー(写真右)
最後方に備わっているトイレ
SSJ 100のコックピット
ロシア製の航空機だが、採用部材の製造メーカーは多国籍であることを紹介するパネル
SSJ 100-95Bの機体
主翼端や尾翼など
エンジンはパワージェットの「SaM146」を2基搭載する
タイヤはミシュラン製「AIR X」が使われていた。サイズは40×14.5/R19
後部貨物室

編集部:多和田新也