イベントレポート

【CES 2019】パナソニック、ヘッドフォンなしで機内ノイズを低減するファースト/ビジネスクラスシート展示。2019年中に搭載機が運航開始

次世代航空機プラットフォーム「NEXT」

2019年1月8日~11日(現地時間)開催

米パナソニック・アビオニクスが「CES 2019」で次世代航空機プラットフォーム「NEXT」を展示

 米パナソニック・アビオニクス(Panasonic Avionics)は1月8日から11日までラスベガスで開催中の「CES 2019」において、次世代航空機プラットフォーム「NEXT」を展示している。パナソニックブースにはガラス戸で区切られた個室状のスペースがあり、そこにファーストクラスとビジネスクラスのシートをイメージした2席が設けられている。

 テーマは「ウェルネス」で、利用者が肉体的にも精神的にも快適に過ごすことを目的としており、展示の核となっているのは「Active Noise Control」「Premium Seat Lighting」「nanoe Air Cleanser」の3点。

 航空機の中では、風切り音やエンジン音、振動音など起因する定常的な騒音が発生している。その対策としてはノイズキャンセリングヘッドフォンなどが有効だが、耳を覆うオーバーヘッド型のヘッドフォンでは首の向きに制限がかかり、例えばビジネスクラス以上でシートをフラットにできたとしても、寝返りを打つのは難しい。

 NEXTのActive Noise Controlは「ヘッドフォンなしのノイズ低減」を実現するもので、シートの背後を半円状に覆ってマイクアレイとスピーカーを設置。マイクが取り込んだ騒音に対して逆相の音をスピーカーから流すことで機内ノイズを低減する。ブースではボーイング 777型機の機内を再現した騒音を流せるようになっており、実際立ち上がって聞くとかなりうるさく感じるが、シートに寝そべってActive Noise Controlを有効にすると低域の騒音がぐっと減る。囲いの中であれば頭(耳)がどこにあっても効果があるのが画期的なところで、「せっかくのビジネスクラスなのにうるさくて横になっても寝付けない」という状況を打ち破る技術と言える。

 マイクとスピーカーの数は、「シート形状によって変わる」とのこと。技術的にはシートを起こした(着座)状態でも機能させることはできるそうだが、そのために頭をすっぽり覆うくらいシート背後の囲いを高くする必要があるため、現在はフラット時のみを想定している。

ビジネスクラスをイメージしたシート
こちらはファーストクラス

 機内での安眠、という面では同社のエコソリューションズ社ライティング事業部と共同開発したPremium Seat Lightingも効果の高そうな技術だ。フラットなシートで横になっても寝付きにくい、という人にとって(到着後すぐに仕事が始まるという場合は特に)睡眠導入は深刻な問題だが、NEXTは寝室用照明などに採用されている段階的な照度変化と色温度変化、さらに音を組み合わせることで眠りを促し、起床時には穏やかな目覚めを実現するという。

 具体的には、就寝時は枕元で(色温度の高い)暖かな光がホタルのように明滅を繰り返し、鳥の声などが聞こえるなかで20~30分かけてゆっくりと眠りに誘う。一方、起床時はセットした時刻へ向けて、囲いの上部に巡らされたLEDが次第に明るくなり、太陽が昇るような明るさの変化をシミュレートしている。このとき、やはり静かなピアノの音が流れており、スッキリと目覚められるようになっている。

就寝時は暖かな光が明滅して眠りに誘う
起床時は太陽光に近い明るさ(色温度)で爽やかな目覚め

 また、目には見えない部分だが、エアコンや加湿器、ドライヤーでもおなじみのナノイーを使った空気清浄機能も組み込まれている。ブースではフライドポテトの匂いをしみこませた布をナノイー発生器にあてがい、90秒後にほとんど匂いがしなくなるというデモを体験できた。

 このほか、シートにはスマートデバイスとの接続に対応した4KディスプレイやQi規格対応の無接点充電パッドが備えてあり、小物入れにもなる扉の中にはヘッドフォンの収納スペース、HDMI入力端子、USB充電ポート(Type-A/C各1基)、ユニバーサルコンセント、ヘッドフォン出力用のアナログジャックが設けられていた。また、この扉の裏側はスマートミラーになっており、鏡としての役割はもちろん、再生中の楽曲名や目的地の天気といった情報を表示できる。

 ブースに展示しているのはあくまでコンセプトシートだが、すでに航空会社への採用が決まっており、2019年中にNEXTプラットフォームを搭載した機材が就航するという。

4Kディスプレイ
Qi対応の充電パッド。対応スマートフォンなどを置くだけで充電が始まる
シート横の小物入れの扉は読書灯のスイッチなども兼ねている
扉を開くとHDMI入力やUSB充電ポート、ユニバーサルコンセントなど充実の装備
扉の裏はスマートミラー
タッチパッドとボタンを組み合わせたワイワードリモコン
ディスプレイではクラウドを介して地上と接続したPanaSkyソリューションを提供
機内Wi-Fiのメニュー(イメージ)
スマートデバイスとの接続はコード入力式
オーバーレイするホームメニュー
各種ゲーム
フライトマップ
機内販売