イベントレポート
【ファンボロー航空ショー 2018】ホンダ、HondaJetを展示。日本市場は「小さいからこそ成長の機会がある」とサイモン・ローズ氏
2018年7月31日 11:01
- 2018年7月16日～22日（現地時間）開催
イギリス・ファンボロー空港で7月16日～22日（現地時間）、世界最大規模の航空ショー「ファンボロー国際航空ショー（Farnborough International Airshow）2018」が開催された。会期前半の16日から20日は航空業界向けのトレードショー、後半21日と22日は一般向け公開日となっており、会場では、民間向け/軍用の航空機の地上展示や飛行展示、カンファレンス、航空機購入についてのアナウンスなどが行なわれた。
その会期中、本田技研工業の航空機事業子会社であるHACI（ホンダ エアクラフト カンパニー）は、小型ビジネスジェット「HondaJet（ホンダジェット）」の展示を行なっていた。HondaJetは、エンジンナセルを主翼上面に配置する構造や、フェラガモのハイヒールを参考にしたというノーズ形状など、ほかにない独自の思想でデザインされた機体で、2017年の小型ジェットの納入数で世界1位を獲得している。一方日本では、発表したばかりの新型機「HondaJet Elite」の受注を6月6日から開始。新型機は、従来機HondaJetに比べて航続距離が約17％アップの2661kmとなっており、東京から北京や台北（ともに約2100km）までノンストップで飛行できる。
会場で記者の質問に答えたHACI 販売部門でSenior Division Directorを務めるサイモン・ローズ（Simon Roads）氏は、納入数世界1位を獲得した理由を「このカテゴリーでもっとも速く、もっとも静かな航空機を作ったからです」という。「数々の競合がいますが、主翼の上にエンジンを配置するといった革新的技術が顧客を引きつけたのだと考えています。（HondaJetは）非常に効率のよい航空機で、より速く、より高い高度を飛行できます。そしてラグジュアリーな客室空間と先進的なアビオニクス（航空機向け電子機器）を備え、パイロット1人で操縦することができます」と特徴を説明。
世界に比べて日本ではビジネスジェットの市場が非常に小さい現状については、「日本の市場は小さい、そのとおりです。しかし小さいので、成長する機会があると言えます。日本で販売売するHondaJet Eliteの価格は525万米ドル（約5億7800万円）で、魅力的な価格に設定しています」と述べ、十分に市場性があるという認識を示した。
HondaJetは2015年の北米を皮切りに、2016年にヨーロッパなどで納入を開始。2017年には中国、2018年には日本で受注を開始し、2018年には中国と日本にディーラーを開設している。ローズ氏は今後の展望について、「さらにタイにディーラー、インドと中東に営業担当を設置します。日本市場でも力強く拡販を進めます」と述べた。
