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JAL、手荷物の預け入れを簡略化する「JALエクスプレス・タグサービス」を福岡空港で3月26日開始

そのほかの主要都市3空港でも順次サービス開始

2016年3月26日 運用開始

 2015年の3月より、JAL(日本航空)が羽田空港で先行して提供していた「JALエクスプレス・タグサービス」が、このたび福岡空港をはじめ、伊丹空港、新千歳空港(札幌)、那覇空港(沖縄)など主要空港でもサービス開始となる。スマートスタイル活動の一環だ。3月26日の導入に先立って福岡空港で行なわれた説明会の様子をレポートしていこう。

より快適な搭乗をサポートするサービスが福岡空港でもスタート

 JALは3月26日より「JALエクスプレス・タグサービス」を福岡空港で開始する。JALエクスプレス・タグサービスはJALが掲げている「JALスマートスタイル」という、簡単・便利・シンプルに飛行機を利用してもらおうというコンセプトを提供する活動の一環として提供されるサービスだ。

 JALでは、機内Wi-Fi、ICタグでの搭乗など、さまざまな便利機能を提供しているが、手荷物のタグを自動発券してスムーズな搭乗を実現するJALエクスプレス・タグサービスを福岡空港でもスタートさせる。

 いったい、どのように利用するのか、実際に発券機の操作方法をレポートしていこう。

出発ロビーに設置された専用のタグ発券機でタグレシートを印刷してみる

 それでは、利用方法について、発券機の操作から流れを追って説明していこう。手順を確認して、実際に自分が手続きするときをイメージしていただければ、と思う。

X線検査ボックスに荷物を通すところまでは従来と同じ

搭乗券などのバーコードや、タッチ&ゴー対応のスマホなどをリーダー部にかざす
荷物の内容を把握している場合は「はい」をタッチ
危険物が入っていないかを確認して、該当するボタンをタッチする
手荷物の個数を選択してタッチする
便名が表示されるので「確認」をタッチするとタグレシートが発券される
タグが印刷される

タグを手荷物に貼ってみる

タグの裏の「1」というところから台紙をはがす
手荷物の取っ手に巻きつける
「3」の部分にシール部分を貼り付ける
そのまま手荷物カウンターにあずけて完了

 タグレシートが発券されるまでの所要時間は、数十秒程度とあっという間だった。

 従来の有人カウンターを利用する場合、時間帯によって列をなしている光景を目にするが、JALエクスプレス・タグサービスは、搭乗者本人がタグを手荷物に巻きつけることで、預け時のタイムロスを減らすことを実現している。

 すでに2015年からサービスを開始している羽田空港では、およそ搭乗者の半数が利用しているとのことで、最大で10分早く手荷物預けカウンターを離脱して、保安検査場に向かうことができているとのこと。1人あたりの時間節約は数十秒程度だが、1便あたり数百名を、なるべく短い時間で搭乗させることを考えると、かなり大きな差となって現れる。これは搭乗者にとっても、空港で過ごす自由な時間が増えるということでメリットが大きい。

 不慣れな人や、特殊な荷物を運ぶ場合は、有人カウンターの方が便利となるが、出張などの機会が多い旅慣れたビジネスマンにはうれしいサービスといえる。

一人あたりの時間節約はわずかだが、空港内の人の流れを変えるサービス

いたるところが改装中の福岡空港内では、人溜まりをなるべくなくすための導線作りとしても効果が期待できるとのこと

 一見、大幅な時間節約にはつながらない印象を受けるかもしれないが、列に並んで順番を待つよりも、タグを自分で巻きつける方が、ロビー全体の人の流れをスムーズにできる。タグ発券機を操作する時間もそれなりに必要だが、なにもせずに列に並ぶより結果的に早く保安検査場に移動できる。

 福岡空港に関しては、4台のタグ発券機が準備されたが、JALの「1人あたりの所要時間20秒短縮」というデータからみれば、混雑すればするほど高い効果が現われるはずだ。

 ゆくゆくは、X線検査もインラインスクリーニング(カウンターに預けてからバックヤードでてX線検査をする方式)に切り替わっていくとのことだが、このJALエクスプレス・タグサービスによって、空港内の人の流れがスムーズになることは間違いない。

 このサービスは福岡空港以外に、3月27日に那覇空港、3月31日に新千歳空港と伊丹空港で順次スタートしていく。旅行者によって空港を利用するリテラシーに差があるのは当然。一律で同内容のサービスを提供することが、かえって逆効果となる可能性があるが、今回のJALエクスプレス・タグサービスは、空港での時間をさらに有意義にしたいと感じている利用者にとっては効果の高いサービスと言える。

 今回導入予定の空港を頻繁に訪れるJAL利用者は、ぜひ利用してほしいサービスだ。

(赤坂太一)