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デパートなのに超地域密着! あべのハルカス近鉄本店、全面改装の地下食品売り場で地元・阿倍野の絶品惣菜を見てきた

2026年4月29日 開業
あべのハルカス近鉄本店 地下2階の総菜売り場がリニューアル

 4月29日にリニューアル開業した「あべのハルカス近鉄本店」地下2階の総菜売り場に、足を踏み入れて驚いた!

 百貨店なのに、徒歩数分で行けるような「地元・阿倍野の味」が勢揃いしていたり、どの街にもある“あの”弁当店の新ブランドも出店したりなど、近所の方々が普段使いできるようなデパ地下グルメが一杯! でありながら、タイ料理・韓国料理など多国籍な総菜やハイグレードな弁当も取り揃えるなど、インバウンド(訪日外国人旅行者)需要も意識しているようだ。

実際の店舗のイメージと各店の商品の数々(画像提供:近鉄百貨店)
各国のお総菜が並ぶ

 普段使いとインバウンドが交差する理由は、あべのハルカス近鉄本店の立地にある。百貨店がある阿倍野・天王寺エリアは昔から定住者が多いだけでなく、JR・近鉄・大阪メトロ(地下鉄)の駅が密集する一大ターミナルでもあり、近年はインバウンドの姿も目立ってきている。かつオフィスが多く、サラリーマンもこの地を行き交う。

 こうなると総菜売り場も多種多様、おもちゃ箱のような楽しさがある。そんなあべのハルカス近鉄本店の報道公開に足を運び、各店の味を堪能しながら、売り場を眺めてきた。

 買った商品をツマミに飲めるバルまである? なんともうれしい限りだ!

すぐウラに本店があるのに? 阿倍野の名店・勢揃い!

かつぱんとあげもん 広岡揚店(百貨店初登場)

看板メニュー「かつぱん」
自慢のかつぱんを掲げる「広岡揚店」岩田店長

 あべのハルカスから1駅先の「昭和町」で、1964年(昭和39年)から営業してきた「広岡精肉店」の2号店が、あべのハルカスに登場した。本店で1日1000個を売り、累計の販売個数は1500万個を突破したという名物コロッケももちろんあり、メンチカツ・クリームコロッケなどの定番ラインアップは、ほとんど同じだ。

 本店は人気のあまりおびただしい行列になることも多く、百貨店でも購入できるようになるのは、地元でも根強い広岡ファンには、ありがたい。

 この新店では、コロッケなどのパン粉の理想形を探し求めていた際に名古屋で出会ったという業者の協力を得て、ラグジュアリーホテルなどにも卸されるブーランジェリーのパンに「広岡のコロッケ」を挟んだ「かつぱん」を目玉商品として販売する。

 ちなみに広岡精肉店は、プロ野球・オリックスバファローズの廣岡大志選手の実家としても知られており、京セラドームでの試合日には野球ファンが行列に加わり、ただでさえ長い行列がさらに100人単位で伸びるという。

 お店の方いわく、廣岡選手には今回の出店「特に知らせていない」そうだが、数々の揚げ物を「プロアスリートの体を作ったグルメ」として、試合観戦前に味わいたい。

大阪あべの たこつぼ(百貨店初登場)、芋菓子匠 嶋屋

「たこつぼ」お好み焼き
「たこつぼ」大鳥真寛さん

「たこつぼ」の本店はあべのハルカスの300mほど南、「嶋屋」はすぐ南側に本店、北側にも店舗がある。なぜ、ここまでのご近所に支店を出したのか?

 近鉄百貨店本店 食料品部 部長の辻井寿明さんにお話を伺ったところ、「インバウンドや外部の人々も多く行き交うため、地元・阿倍野に根付いた名店の味を知ってもらうべく、きわめて近距離なたこつぼと嶋屋、そして広岡揚店を誘致した」という。

 もともと近鉄百貨店は地元業者に協力を仰ぐことも多く、嶋屋は過去に何度も催事出店していたという。たこつぼも過去に一度出店が縁となって声をかけられたそうで、まさに「地元を大切にする阿倍野の近鉄」であったからこそ、出店が実現したと言えるだろう。

「嶋屋」名物・100日ポテト
「嶋屋」店舗全景

 出店した各店は本店との差別化を図っており、たこつぼは明石焼きメインの本店に対して、持ち帰り需要・手土産需要がある「お好み焼き」や、パックでそのまま買って帰ることができる「ねぎだくホルモン焼きそば」などに注力。嶋屋でも、青のりをかけた「100日ポテト」オリジナル商品を販売するという。

 大正・昭和初期に、鉄道の発展とともに住宅地として急激に成長してきたこの街は、いまも裏路地に絶品グルメの名店が揃う。今回の広岡揚店・たこつぼ・嶋屋の出店を機会に、この街のよさがもっと知られてほしいものだ。

ほっかほっか亭の新業態「ワンハンドBENTO」見参!

「ワンハンドBENTO」。左から「チキン南蛮」「のり弁」「牛焼肉」
売り場には、発表したばかりの「ワンハンドBENTO」ロゴが輝く
ほっかほっか亭総本部 広報 永岑しおりさんによる説明

 どこの街にもある持ち帰り弁当店「ほっかほっか亭」が開発した「ワンハンドBENTO」が、常設店として初出店を果たす。

 このワンハンドBENTOは、昨年開催された「大阪・関西万博」の出店で評判を呼び、通算22万個を売り上げている。これまでも各地の万博フード出店ですさまじい売れ行きを示しており、今回の総菜売り場改装でも取材・問い合わせがそうとう多かったようだ。

 パッケージで見た限り、おにぎりのようなワンハンドBENTO。なにが違うのか? ほっかほっか亭総本部 広報の永岑しおりさんに聞いたところ、「おにぎりは、最初のひと口がコメで、そのあと具材。ワンハンドBENTOは弁当がベースなので、おかずを上に置いて、最初に食べてもらうようにしている」「食物繊維やビタミンが豊富な十六穀米を使用し、海苔弁では鱈のフライを使用することで満足感を訴求している」と話す。

 おにぎりより腹持ちがよく、食べる時間がかからずタイパもよいワンハンドBENTO。欧米を中心に日本のBENTO文化が浸透しており、インバウンドも多い阿倍野でどれだけ存在が広まるか、注目される。また、各地で要望が多いという2号店・3号店のゆくえにも注目だ。

ビジネス需要も見込める「ハイグレードな弁当」新店出店も

「まめたぬき」で提供された試食用あなご・かき飯

 阿倍野・天王寺エリアにはオフィスビルも多く、時間帯を問わずオフィスワーカーが行き交う。そんなビジネス需要に対応すべく、会議での提供や差し入れにピッタリの「ハイグレードな弁当」2店舗が入居を果たした。なかでも注目したいのが、百貨店では初登場となる「錦水館 まめたぬき」だ。

 広島県・宮島にある嚴島神社大鳥居近くで旅館「錦水館」とともに営業してきたあなご料理店「まめたぬき」は、観光地としては絶好の立地を活かして年間10万食もの売上数を記録するほどの人気を保っていたという。

 しかし、コロナ禍で売上は激減。通販や各地での催事出店で販路を広げているところに、近鉄百貨店 食料品部の辻井さんが味に惚れこみ、「どうしても常設出店してほしい」と何度も現地を訪れたことが、錦水館の120年余りの歴史で初めての「宮島から外への常設店舗出店」につながったという。

 そんな錦水館の煮あなご飯・牡蠣飯は身もふわふわで香りもよく、大事な会議でのランチや差し入れに最適な一品だ。

叙々苑では、予約受注商品を含めて、約10種類の焼肉弁当が購入できる

 もう1軒の「叙々苑」は、全国区の知名度を誇る焼肉店として、知らない人はいないだろう。各店とも「ビジネス需要での大口注文」が多いそうだが、まとまった注文をされる場合は、店頭か大阪京橋弁当製造センターに相談してほしいそうだ。

酒飲みのパラダイス「デパ地下のバル」誕生!

 今回のデパ地下改装の隠れた目玉は、立ち呑みスぺ―ス「ハルチカBAR セカサケ」の設置だ。

 これまで紹介してきたかつぱん・揚げ物や、お好み焼き、お総菜など、これらを持ち込んでビール・日本酒など選りすぐりの美酒とともに味わえるのだ。デパ地下グルメを何品も買ってアテにして、その場で呑み倒せる! ……なんと幸せな空間だろうか。

利酒師 渡邊圭一さん。お総菜に合うお酒へのこだわりが止まらない
渡邊さんおススメの地酒「磯自慢」

 このバルの設置に関わった、利酒師(ききさけし)の渡邊圭一さんによると、このスペースにはビール・日本酒など十数種類のお酒が揃うという。

 渡邊さんのお勧めを聞いたところ、静岡県焼津市の地酒「磯自慢」とのこと。フルーティでさっぱりした味わいのこのお酒なら、ハルカス内のどのお総菜にも合うだろう!と自信を持っていた。

関西最大級を目指す! あべのハルカス近鉄本店 食料品部部長に聞く

近鉄百貨店 本店 運営統括部 食料品部部長 辻井寿明さん
売り場の外観。翌日には商品がズラリと並ぶ

 今回の総菜売り場改装について、食品部部長の辻井さんは「タワー館・ウイング館の惣菜売り場はトータル55店だったところ、今回のリニューアルで16店の新店が加わり、トータルで66店となった」という。過去を遡っても2014年以来の大改装で、今回を足掛かりに総菜売り場として「関西最大級を目指していきたい」と目標を語った。

 また、改装の理由として「動線の確保」もあったという。これまで密集して奥まで見通せなかった店舗の配置を組み替え、店内の見通しを見やすくした。その代わりに各店の厨房はほとんどが9階に移転し、新店のスペースを作ることができたようだ。

タイの焼き鳥「ガイヤーン」
ズラリと並ぶ「かつぱん」

 あべのハルカス近鉄本店は今後とも改装を続け、「2026年秋、2027年春に菓子ゾーンのリニューアル」(10店ほどの新店入居)、「2027年中に生鮮売り場リニューアル検討」などの予定があるという。常に変わりゆくあべのハルカス近鉄本店、その変化を見守っていきたい。