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ドイツ観光局、高付加価値旅行を推進。「現地でなければできない体験を重視」と西山局長
2025年11月8日 08:00
- 2025年11月5日 実施
ドイツ観光局は11月5日、旅行会社向けに「ドイツ旅行展2025」を開催した。本イベントは2年に一度行なっており、今回は日本・韓国にのべ13社のサプライヤーが訪れて各旅行会社との商談会を行なった。
参加したサプライヤーはベルリン観光局、フランクフルト観光局、ローテンブルク観光局、マリティムホテル、クロワジーヨーロッパなど。ドイツ・メルヘン街道は長らく来日していなかったが、6年ぶりの参加となった。
ドイツ旅行展2025は1981年から続く歴史あるB2Bイベント。1990年代にはサプライヤーが30社を超えることもあったが、昨今のアウトバウンドの回復遅れもあり、サプライヤー数は減少傾向。実際、2025年の日本人のドイツ宿泊数はコロナ前の2019年比で65%に着地する見込みだ。
しかし現在のドイツ観光局が送客のターゲットとしている日本人の高付加価値旅行者が好む「ザクセン州立歌劇場ゼンパーオペラ」やクリスマス用品専門店「ケーテ・ウォルファルト」などもドイツから来日し、盛んに情報交換が行なわれた。
ドイツ観光局 アジア地区統括局長の西山晃氏は、「2019年のドイツを含むパッケージツアーの平均価格は48万2398円でしたが、2025年夏の平均価格は87万6335円でした。これはドイツ国内のインフレ、ロシア上空回避による飛行時間の増加、歴史的水準の円安などが背景にあります。そこで短期的視点では、リピーターおよび高所得者向けに旅行会社による需要喚起を促進させるべく、ツアー造成のための商談会開催などの取り組みを実施しています」と述べている。
メルヘン街道は今年50周年。各サプライヤーによるプレゼン
旅行会社との商談会後は、報道向けにサプライヤーからプレゼンテーションも実施した。
ドイツ・メルヘン街道からはJessica Kleiner氏が登壇し、「ブレーメンの音楽隊」ゆかりの地などグリム童話の世界が息づく全長1000kmを超えるメルヘン街道の魅力を語った。1975年に誕生したメルヘン街道は、今年開設50周年。グリム童話は日本人になじみ深く、ドイツ観光局としても、こういったドイツに行かないとできないような「文化に触れる体験」をするために、日本人にも訪れてほしいと意気込む。
ザクセン州立歌劇場ゼンパーオペラからはDoris Schneider氏が登壇。ザクセン州の州都であるドレスデンの歴史地区に位置するルネサンス要素を取り入れた後期古典主義様式の劇場で、外観も内観も息を呑むような美しさだ。火災による焼失、第二次世界大戦時の破壊と苦難もあったが1985年に再建・復興し、現在は年間350以上のオペラ・バレエ・コンサートの公園が実施されている。
今回、「ゼンパーオペラがわざわざ来日してくれたのには理由があります」と西山氏。コロナ前、実は日本はスイス、オーストリアに次ぐ重要な顧客だったということで、またぜひ「ゼンパーオペラで公演を楽しみに来てほしい」という想いがあるという。伝統と格式のある劇場での観劇はまさに「ここでしかできない体験」。ドレスデンは日本からアクセスがよいとはいえないが、時間をかけてでも行く価値があるだろう。
ドイツといえば「クリスマスマーケット」も有名だ。ケーテ・ウォルファルトからはTakuma Wohlfahrt氏が登壇し、1964年から家族経営で続くケーテ・ウォルファルトの歴史を語った。ケーテ・ウォルファルトではクリスマスシーズンにドイツ国内のクリスマスマーケットで屋台を出店するほか、ローテンブルクの本店クリスマスビレッジなどでは1年中クリスマスの雰囲気を楽しめる。ちなみに今年は東京、名古屋、大阪で開催するクリスマスマーケットにも屋台を出店する。
ツークシュピッツェ登山鉄道からはAnton Huber氏とEva Raab氏が登壇。ツークシュピッツェ山は標高2962mのドイツ最高峰で、120人乗りの大きなロープウェーで登ることができる。展望テラスはドイツ・オーストリア・スイス・イタリア4か国、400の山々を見渡せる絶景スポット。“ドイツ最高峰を目指す”というのも、旅の目的にぴったりだろう。
日本からドイツ各地へはルフトハンザが直行便を運航中。ルフトハンザ ドイツ航空からは澤田亜紀子氏が登壇し、10月27日から羽田~ミュンヘン線の機材にも導入した新仕様客室「アレグリス」を紹介した。特に5種類のシートタイプから選べる「ビジネスクラス」が高い評価を得ているということで、より快適なドイツ旅行を満喫できそうだ。


























