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ドイツ観光局、円安で日本人の回復は5割程度。2024年は7割見込みで、名物や文化遺産を巡る旅やサッカーUEFA欧州選手権をアピール
アマギフ10万円分の当たるTwitterキャンペーンも
2023年11月10日 13:00
- 2023年11月8日 実施
ドイツ観光局は11月8日、ドイツ旅行展の開催に際し東京でプレス向け発表会を実施した。
ドイツ旅行展は2年に一度開催しているイベントで、もともとはBtoC・BtoB向けイベントだったが2005年からはBtoB向けに特化。ソウル・東京・大阪で開催しており、今回はドイツからベルリン観光局やフランクフルト観光局、今回初参加となるマイセン陶磁器工房など11のデリゲーションが来日し、旅行会社と商談会を実施した。
プレス発表会で登壇したドイツ観光局 日本支局長の西山晃氏は、ドイツの日本人宿泊数について、1月から7月まで毎月2019年比50%前後で推移し続けていることを紹介。一方で日本人出国者数は7月には2019年比53.7%減、9月には57.4%減まで回復していることに触れ、「コロナが明けたのでリカバリーに期待してきたが、ドイツは微妙な状況」と現状を説明した。
日本人が伸び悩む理由としては、ロシアのウクライナ侵攻、欧州全体のインフレや円安の影響などをあげた。航空便についても日本~ドイツ間の直行便数は7割程度まで回復しているものの、座席供給量はそこまで戻っておらず、ロシア上空が通過できないことで飛行時間も3~4時間伸びていることも一因だという。
12月はクリスマスマーケットがありドイツへの旅行需要が高まるが、旅行会社のツアー数が2019年より少ないこと、FITの見通しがたたないことから西山氏は「厳しい目線で見ている」とコメント。2024年の見通しについては、現地の宿泊や交通などを手配するランドオペレータ―からのヒアリングなどをもとに「楽観的に見て2019年比の60%から70%程度」と厳しい見方を示した。
旅費については2019年の上期平均ツアー価格が48万2398円だったのに対し、2023年上期は74万590円まで値上がりしたことを紹介。こうした現状を踏まえ、ドイツ観光局では当面のターゲット層として高所得者・富裕層を設定し、旅行会社と協力してターゲットに適したコンテンツを組み込んだツアーの造成を図る。
加えて、西山氏はドイツ本国で実施している新たなマーケティング手法に基づき、日本市場のターゲットについてリサーチ中であることを説明。12月にターゲット層を明らかにする予定だが、西山氏は予想として、サステナブルな旅行に共感し、社会的な地位が高く高収入な層や、学歴が高く知識が豊富でさまざまなものに興味関心を抱く層、トレンドに敏感だが現実的な考えをする層をあげた。
サステナブル要素を打ち出しプロモーション、2024年はサッカーのユーロ2024をアピール
西山氏は今後のプロモーション方針も説明。これまでと同様に「宮殿と城」「都市と文化」「食文化」「観光街道」を重点テーマにプロモーションを継続するとともに、サステナブルな旅行も打ち出す。
同氏は旅行会社の意識調査を例に挙げ、日本では「手つかずの自然」「郷土料理と地元の名品」「ほかでは見られない文化遺産」といったサステナブル要素のある商品が緩やかに増えていることから「サステナビリティの意識が高い」と説明。ただし島国の特性上航空機を利用せざるを得ないことから「環境に配慮した交通機関の利用」の項目は低いとした。
そのうえで西山氏は「『サステナビリティ』という言葉は旅のモチベーションにはならないので消費者キャンペーンでは利用しない」と説明。「旅行者のニーズは地元の名物・文化遺産巡り、田舎でのんびり過ごすこと。すべてサステナブルな考え方だが、かしこまった『サステナブル』というワードを使うと関心喚起ではあまり効果がない」と話した。
プロモーション手法としては、引き続きデジタルマーケティングに特化した活動を継続。11月1日から30日まではフォートラベルとクリスマスマーケットを訴求するX(Twitter)キャンペーンを実施中だ。ドイツ観光局の公式アカウント(@GermanyTravelJP)をフォローし、投稿をリポストした人から抽選で1名にAmazonギフト券10万円分を贈呈する。
ルフトハンザに乗ってフランクフルトやミュンヘンに降り立ち、クリスマス市巡りをしたいフォロワーさんから抽選で1名様にAmazonギフト券10万円分をプレゼント。
— ドイツ観光局 (@GermanyTravelJP)November 1, 2023
■応募方法
①ドイツ観光局をフォロー
②本投稿をRT(11/30〆切)
賞品と旅の詳細:https://t.co/tCbJFftENu#GermanySimplyInspiringpic.twitter.com/vW7MmABisn
また、同局ではリアルイベントのパートナーにもなっており、11月初旬に都立青山公園で実施した「ドイツフェスティバル2023」ではブースを出展。SNSを利用した抽選会を実施し、約2000人がアンケートに回答する盛況さだったという。今後は東京や大阪、名古屋の各地で開催されるクリスマスマーケットについて、一部のイベントで協賛するほかSNSで情報を発信し、ドイツの露出を強めていく考えだ。
2024年については「芸術と文化の国」をテーマにしたキャンペーンを開始するともに、今年の「ドイツのユネスコ世界遺産」「Simply FEEL GOOD」を継続する。さらに、グローバルでの重点テーマとして、サッカーの欧州選手権UEFA EURO 2024(ユーロ2024)に焦点をあてて情報を発信。イベントツーリズム需要の獲得をめざす。このほか、ロマン主義の画家のカスパー・ダヴィット・フリードリッヒ生誕250年についても触れる予定。さらに2024年がドイツ観光局日本支局開設50周年を迎えることから、SNSでのキャンペーンを予定しているという。