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夢洲北側の鉄道アクセス、JRゆめ咲線・京阪中之島線の延伸が優位との検討。2037年ごろ開業

新桜島経由は「40年以内の黒字転換なし」

2025年8月6日 発表
桜島線(ピンク)・中之島線(青)の延伸が、当初の計画路線(オレンジ)より優位性が高いと判断

 大阪府と大阪市は、「夢洲アクセス鉄道に関する検討会」の見解を踏まえた、夢洲北側からの鉄道アクセスの優位性について検討結果を公表した。

 大阪・関西万博の終了後、統合型リゾート(IR)の整備を見据えたもので、2037年ごろの開業を想定。答申路線として、中之島新線・北港テクノポート線の中之島~夢洲間(西九条・新桜島経由)、検討路線としてJR桜島線(JRゆめ咲線)の桜島~夢洲間および京阪中之島線の中之島駅~九条駅間が比較対象となっていた。

 検討によれば、北港テクノポート線・中之島新線案は輸送人員が6万9100人/日、第3種鉄道事業者について40年以内の黒字転換はないと試算。一方桜島線・中之島線延伸案では計12万1000人/日の利用、40年以内の黒字転換を見込んでおり、費用便益分析・収支試算のいずれでも優位とした。

 また、桜島線の延伸では大阪・新大阪と夢洲が直結することから、アクセスの向上や地下鉄中央線の混雑緩和につながると試算。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと夢洲にまたがる観光拠点の形成も期待できるとした。中之島線の延伸では九条駅で阪神なんば線と接続するため、京阪神を結ぶ新しい鉄道ネットワークが生まれるとしている。

 一方、北港テクノポート線・中之島新線の場合は中之島・京都方面へのアクセスで優位になるものの、大阪や新大阪へは引き続き中央線経由が最短経路となり、優位性が低いと判断した。

 今後は、桜島線・中之島線延伸案について建設・運行計画の検討を進める。

費用便益・収支の試算
路線整備の効果・影響の試算
桜島線・中之島線延伸によるアクセスの概念図。なにわ筋線の開業も考慮している