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せとうち SEAPLANES、瀬戸内海のしまなみ海道、小豆島、宮島などを遊覧飛行する水陸両用機を公開

5月末から運航開始予定、離水動画を掲載

2016年3月23日 発表

Quest Aircraft製KODIAK 100

 せとうち SEAPLANESは3月23日、広島市内のホテルにおいて遊覧飛行やチャーター便の運航に使用する水陸両用機を公開した。

 同社はベラビスタマリーナ内オノミチフローティングポート(広島県尾道市)を拠点に、5月末ごろを目途に遊覧飛行やチャーター便の運航を予定している。使用機材はQuest Aircraft製「KODIAK 100」で、定員はパイロットを含め10名。現在3機を保有しており、4月に1機を追加して4機体制で運航する。水陸両用機を使用したサービスは50年ほど前に存在していたものの、現在では同社のみとなる。

 Quest Aircraftは、せとうち SEAPLANESが所属する常石グループのせとうちホールディングスが2015年2月に買収。株式を100%保有する完全子会社となっている。

KODIAK 100

エンジン:P&W PT6A-34
離陸出力(2200rpm):750HP
最大連続出力:700HP
最高巡航速度:300km/h
航続距離:500km~1000km(搭載重量による)
離水滑走距離/離水距離:530m/710m
離陸滑走距離/離陸距離:300m/460m
着水滑走距離/着水距離:400m/930m
着陸滑走距離/着陸距離:390m/620m
最大離陸水重量:3290㎏
最大着陸水重量:3270㎏
最大搭載燃料容量(重量):1210L(990kg)
定員:10名(パイロット含む)

KODIAK 100は水陸両用のほか、通常の陸上タイプやカーゴスペースを増やしたタイプなどバリエーションが豊富
エンジンはP&W PT6A-34
プロペラはHARTZELL製
エアインテークまわり
フロート
先端にノーズギヤが付く
係留用のフック
尾翼まわり。登録記号はJA01TG
主翼
右主翼下には気象観測用機器が吊り下げられている
主翼下には機体下部(メインギヤ)確認用のミラーが付く

 現在想定している遊覧飛行では、オノミチフローティングポートをベースに20分と40分コースを設定。前者は「しまなみ海道コース」「福山・鞆の浦コース」、後者は「小豆島・讃岐コース」や「宮島・広島コース」を用意。乗客はオノミチフローティングポートの浮き桟橋から飛行機に乗り込み海上から離水。速度は250km/h~300km/hほどで、1500ft付近の高度から瀬戸内の風景を眺めることができる。水上から出発する場合、波高によっては離水ができなくなってしまうが、同社によれば40cm程度までであれば飛行可能としている。いまのところ料金は未定だが、1日5~6便の運航を目指すとしている。

 また、希望の場所を遊覧できる「貸し切り遊覧飛行」のほか、ゆくゆくはチャーター便による関西国際空港などへの運航、水上機操縦に必要な知識とスキルを提供するフライトスクールの開校なども視野に入れているという。

水上を滑走中
飛行中
フロート中央にメインギヤが付いている。飛行中は格納される
機内からは瀬戸内の美しい風景を見ることができそうだ
機内(せとうち SEAPLANES提供)
オノミチフローティングポート(せとうち SEAPLANES提供)
飛行イメージ(せとうち SEAPLANES提供)
離水するせとうち SEAPLANESの水陸両用機

(安田 剛)