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本日まちびらきの「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」に行ってみた

南口改札もオープン

2025年3月27日 先行オープン
まちびらきする「TAKANAWA GATEWAY CITY」

 JR東日本は3月27日、高輪ゲートウェイ駅に隣接する新しい街「TAKANAWA GATEWAY CITY」をまちびらきした。今回のプレオープンとも言うべき開業では、駅にもっとも近いツインタワー「THE LINKPILLAR 1」のNORTH/SOUTH棟の一部と高輪ゲートウェイ駅の南口が利用できるようになる。

左のビルがTHE LINKPILLAR 1のSOUTH棟、中央がNORTH棟、右がTHE LINKPILLAR 2(建設中)
南北約1kmの敷地に4つの街区で構成されているTAKANAWA GATEWAY CITY
まちびらきに合わせて南改札も利用可能になる

 THE LINKPILLAR 1は、中・高層階にはハイグレードオフィス、低層階や地下には商業施設や多目的ホールが整備される。目立つところでは、NORTH棟にはKDDIが本社機能を移転し、SOUTH棟の高層階には「JWマリオット・ホテル東京」(2025年秋開業予定)が入居する。なお、NORTH/SOUTH棟の約170店舗、THE LINKPILLAR 2の約10店舗の商業施設は2025年秋にオープンする予定だ。

THE LINKPILLAR 1のフロアマップ
SOUTH棟には「JW MARRIOTT」と記されている

Suicaの入場判定を利用する街アプリの「タッチトリガー」機能

「100年先の心豊かなくらし」をコンセプトにしたTAKANAWA GATEWAY CITYでは、先端技術を用いた仕掛けがいたるところにある。「TAKANAWA GATEWAY CITYアプリ」もその一つであり、街のユーザーとして登録することで、嗜好に合う情報の提供、施設内容・サービスをプロット表示するフロアマップの閲覧、入居する飲食店のモバイルオーダーが可能になるなど、スマートフォンでいろいろな機能を使えるようになる。

 Suicaと連携する「タッチトリガー」も今後は活躍しそうな機能であり、改札を出たらお店の情報が届く、イベントの入場券として利用するといった使い方が期待されている。今回のまちびらきに合わせたキャンペーンとして、3月27日~30日に高輪ゲートウェイ駅でタッチトリガー機能を利用したユーザーには、「Gateway Park Market」で販売予定のTAKANAWA GATEWAY CITYオリジナル仕様のコーヒードリップバックがプレゼントされる。

Suicaと連携したタッチトリガー機能を試しているところ
Suicaを使って改札を出ると、キャンペーンの通知が届く
タップすると詳細な内容が表示される。アプリはAndroid版とiOS版を用意している
「TAKANAWA GATEWAY CITYアプリ」の機能一覧

駅前広場で自動走行モビリティを体験できる

 改札を出ると約6500m2ある駅前広場「Gateway Park」が広がる。ここでは、自動走行モビリティに乗ることができる。NORTH棟とSOUTH棟の間を最高時速4kmで走行し、ステップに乗れば自動で動き出す仕組みになっている。途中で降りたい場合は「slow」と記された場所に手をかざせば減速してくれる。

 試しに乗ってみたところ歩行速度と同程度なのでそれほど速さは感じないが、つかまっているだけなので快適度は高い。スタッフに速度が上げられるか質問したところ、最高時速5kmまで可能だが、「怖い」という声もあったのでこの速度に設定しているとのことだ。

水素由来の電気を使っている自動走行モビリティ
利用者が操作するのは「slow」と書かれたブレーキだけ
5台の自動走行モビリティがGateway Parkを行き来する

街を表わすアート作品「100色の道」

 Gateway Parkの中央には、遠目からも分かる色彩鮮やかなアート「100色の道」が展示されている。東京在住でフランス人の建築家/デザイナーであるエマニュエル・ムホー氏が手掛ける、100 colorsインスタレーションシリーズの第53作目だ。

 手前の柱には“2025”、最奥の柱には“2124”と記されているように、時代が移り変わるように100色のグラデーションで、100年先まで見据えているこの街を表現している。そのほか、アート作品「100色の道」と連動し、AR技術を使って街全体が100色で彩られた景色を再現するARコンテンツも用意している。

100 colors no.53「100色の道」
作品はなかを通ることができる
2025から始まり
2124で終わる

ARで当時の高輪築堤を再現

 Gateway Parkを過ぎて国道15号の方に向かうと、AR(拡張現実)コンテンツ「TAKANAWA LINK SCAPE」が体験できる場所がある。TAKANAWA GATEWAY CITYが建設されたこの場所は150年前は東京湾の浅瀬であり、日本初の鉄道の開業に際して「高輪築堤」という堤を築き上げて線路を敷いていた。

 着工後にこの遺構が見つかり、すべて保存するのは難しいという判断から(一部は公園として保存)、当時の雰囲気が分かるようにARで蒸気機関車が走った景色をスマホなどで見れるようにしている。この通路沿いの植え込みの囲いには出土した石垣を使い、通路上には当時の列車が走ったルートにレールを敷設している。

AR技術を使った「TAKANAWA LINK SCAPE」の説明
通路は「TAKANAWA LINK LINE」という名称が付けられている
タブレットでARコンテンツを再生しているところ
通路の壁面には当時の様子や説明が描かれている
石垣を活用した植え込みの囲い
鉄道林の木材を使用したベンチ

商業施設は2店舗が先行オープン

 今回のまちびらきに合わせて、商業施設も2店舗が営業を開始する。THE LINKPILLAR 1のNORTH棟2階のエントランスホールには、「フラワー」「カフェ」「スクール」「リビング」の4つのテーマで商品を販売するライフストア「ニコライ バーグマン」がオープン。SOUTH棟2階のエントランスホールには「ブルーボトルコーヒー」が入居する。なお、TAKANAWA GATEWAY CITYの商業エリアは「ニュウマン高輪」という名称で展開する。

「ニコライ バーグマン」
「ブルーボトルコーヒー」

JR東日本の新しい観光情報発信拠点

 THE LINKPILLAR 1のSOUTH棟1階には、JR東日本が最新技術を使って観光情報を発信する「TAKANAWA GATEWAY Travel Service Center」がオープンする。

 施設内にある大きなタッチ式デジタルサイネージでは、JR東日本管内の70か所におよぶ観光スポットを紹介。また、VR(仮想現実)ゴーグルを使った東北地方の観光地紹介もある。そして、カウンターでは13言語に対応した翻訳パネルを使って、観光案内や発券業務(現在はクレジットカード決済のみ)も行なえるようになっている。

「TAKANAWA GATEWAY Travel Service Center」
タッチ式のデジタルサイネージ
360度で観光地を楽しめるVRゴーグル
カウンターに設置されている翻訳パネル
双方向で自動翻訳される

街の未来を軽快なアニメで紹介する「未来体験シアター」

 コンベンションホールがある地下2階の一画には、無料で体験できる「未来体験シアター」がある。

 内容はTAKANAWA GATEWAY CITYのグランドオープン後から、その先の未来までアニメーションで描いたものであり、約7分の映像をドーム型の大画面で体験できる。映像に使われている音楽は、オルタナティブロックバンド「羊文学」がこのシアターのために書き上げたものだ。

「未来体験シアター」

120日間だけのナイトミュージアムバー&クラブ

 SOUTH棟の脇には、7月31日までの4か月間だけ営業するNIGHT MUSEUM&BAR「ZERO-SITE Takanawa Gateway」がオープンする。店内は2階フロアと3階フロアに分かれており、2階はクリアな音質でトップDJからの支持も厚い「VOID ACOUSTICS」によるサウンドシステムを、3階は高い解像度と革新的な新機構を採用した、日本初上陸となる「DANLEY SOUND LABS」のサウンドシステムを導入している。限定のオリジナルカクテル、プラントベースフードを使用したバーフードが楽しめる。

「ZERO-SITE Takanawa Gateway」
店内ではキネティックアートが映し出され、平日夜はナイトミュージアムバー、週末夜はミュージックバーやクラブとして営業する

高輪ゲートウェイ駅の南側にも新店舗がオープン

 最後に高輪ゲートウェイ駅にオープンする新店舗を紹介する。3つの形態で営業する「MAISON CLASSIC」は、改札内にカフェスタンドの「MAISON CLASSIC CAFE」、改札外にシュークリーム工房の「MAISON CLASSIC FACTORY」、ティーサロン&バーラウンジの「MAISON CLASSIC SALON」を構える。

 CAFEでは、自社焙煎したコーヒーやFACTORYで製造した焙煎玄米粉パンを活かしたワンハンド料理を提供する。FACTORYでは、製造工程を見ながらできたてのシュークリームを購入できる。SALONは、昼はティーサロン、夜はミュージックバーとして営業する。

高輪ゲートウェイ駅に新規開店した店舗
「MAISON CLASSIC CAFE」
「MAISON CLASSIC FACTORY」
シュークリームの製造工程をガラス越しに見ることができる
「MAISON CLASSIC SALON」
提供しているドリンクや料理

 イベントスペース「マチアイ」では、日本全国の魅力を発信する体験型イベントを定期的に実施する。現在はまちびらきに合わせて、駅周辺のよいものを取り揃えた「マチあるキッチン」を5月6日まで開催している。近隣のベーカリーが製造したパン、醸造所が手掛けたビールや日本酒などを販売している。

「マチアイ」
5月6日まで「マチあるキッチン」を開催