ニュース

パスポート費用最大全額補助など「もっと!海外へ」始まる。海外旅行アンバサダーに岩田剛典

2025年3月24日 開始
「もっと!海外へ」プロジェクト開始

 観光庁と外務省、JATAは3月24日、新しいパスポート(2025年旅券)の発行受付を開始したことを受けて、都内で共同会見を実施した。また、パスポート取得費用の補助や旅行商品のキャンペーン展開など、JATAの主導する「もっと!海外へ」プロジェクトも同日始まった。

 新しいパスポートはICAO(国際民間航空機関)の勧告などに基づき、偽造・変造対策を大幅に強化。顔写真ページがプラスチック基材に変わっており、レーザーで印字・印画している。角度によって誕生日が浮かび上がるモノクロ顔写真や、指で触れると分かる刻印なども施しており、今まで以上に偽造しにくくなっており、詳細は以下の別記事を参照していただきたい。

 会見には観光庁長官 秡川直也氏と外務省 領事局長の岩本桂一氏、JATA会長の髙橋広行氏が登壇。2024年の日本人の出国者数が5年ぶりに約1300万人まで回復したものの、まだコロナ前の6~7割に留まることなどに触れたほか、本日から新しいパスポートの発行受付が始まったこと、来月4月には大阪・関西万博が始まり諸外国のパビリオン出展があることなど、機運醸成の好機であることから、今回のプロジェクトが決定したことを説明した。

 最新のパスポート保有率は17.3%で、特に若い世代の海外旅行離れが目立っているが、秡川長官は「若い人に海外に行ってもらって、文化の違いを知ってもらうことが将来につながる」、髙橋会長は「リアルな体験でしか得られない実感・価値が失われつつある。海外の文化や歴史、人々との交流はかけがえのない経験になる」と述べ、本プロジェクトを機に若年層のパスポート保有率を高めていきたい考えを示した。

 また、あわせてJATAの海外旅行アンバサダーに俳優・アーティストの岩田剛典さんが就任しており、岩田さんには実際に海外に行ってもらって後日レポートなどがアップ予定という。

観光庁長官 秡川直也氏
外務省 領事局長 岩本桂一氏
一般社団法人日本旅行業協会 会長 髙橋広行氏
JATA海外旅行アンバサダーに就任した俳優・アーティストの岩田剛典さん

 もっと!海外へプロジェクトで中核をなすパスポート取得費用補助は、2億円程度の予算規模を確保しており、2万5000名が対象になる大規模なもの。JATA会員の旅行会社36社と国内6つの空港(計42の旅行会社・団体)が参加しており、キャッシュバックやポイントの付与、旅行代金の割引など各社ごとに異なる施策を用意しているという。大学生だけ、19歳まで、29歳までなど特に若い世代に向けたものもあり、補助額は各社で異なるものの、おおむね5000円~費用全額(1万6000円前後)となっている。

 具体例をいくつか挙げると、JTBは0歳~29歳限定で10年旅券の取得費用に相当する最大1万5900円分のポイントを還元する施策を明らかにしており(4月14日開始)、HISは先着1000名に同社の商品券を最大1万円分付与(3月24日~5月8日)、ANA Xは29歳以下にSKYコイン1万枚付与(3月24日~9月15日)、ジャルパックは最大1万のe JALポイント付与(3月24日~5月15日)などで、このほか詳細はもっと!海外へのまとめページから確認できる。

 今回のプロジェクト自体は2026年3月末まで実施する長期間におよぶものだが、各社で予算に上限があるため、パスポートの発行と海外旅行を検討しているなら、申し込み先を早めに選んでおくのがよさそうだ。

JTBのパスポート取得費用補助施策は最大1万5900円分のポイント還元。新規取得・更新が対象

 また、これを機に海外旅行の安心感を高めるためのサポート体制の強化も掲げており、観光庁の「ツアーセーフティーネット」による情報提供や、外務省「たびレジ」と旅行会社の連携拡大など、新たな取り組みも始まる。

新しいパスポート(2025年旅券)のサンプル