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“青渋”の新ランドマーク「渋谷アクシュ」開業で、駅・渋谷ヒカリエと歩行者デッキでつながった! 初出店テナントほか、いち早く内部を見てきた
2024年7月6日 08:00
- 2024年7月8日 開業
渋谷二丁目17地区市街地再開発組合とその参加組合員である東急は、渋谷駅東口エリアに誕生する大型複合施設「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」(東京都渋谷区渋谷2-17-1)を、7月8日に開業する。
開業に先立ち報道向けに説明会と内覧会が開催されたので、その様子を紹介しよう。
渋谷駅~渋谷ヒカリエと歩行者デッキで接続
「渋谷アクシュ」は、2012年に開業した「渋谷ヒカリエ」から青山通りで青山方面に続く位置にある。70年台に建てられた「渋谷クロスタワー」の向かいとなっていて、周辺一体はビジネス街とも言える。これまで、飲食店やカフェが少なく渋谷駅周辺でも、人があまり滞留しない静かな場所でもあった。ここに、地上23階、地下3階の大型複合ビルが完成する。
低層階の1~4階の商業施設区画には飲食店やカフェ、バーなどが15店入り、上層階はすべてオフィスという構成。低層階は、渋谷駅から続く渋谷ヒカリエ2階通路から「渋谷アクシュ」の1階広場「SHIBUスポット」に続いていて、「渋谷アクシュ」2階(渋谷ヒカリエでは3階)では歩行者デッキでも直結している。そのまま低層階を回遊して、渋谷クロスタワー方面のデッキや、青山方面にはアートが飾られた広場「AOスポット」に抜けることができる作りとなっている。
飲食店やカフェ、コンビニ、バーなどが、1~3階に入っている。メインとなるのは1~2階の吹き抜け部長分の周囲で、以下のテナントが公表されている。
1階に「hale 'aina HOA(ハワイアンカフェ&ダイナー)」「Spice Theater(スパイスカリー)」「チャオタイ渋谷アクシュ店(タイ料理)」「Single O Shibuya(コーヒースタンド)」が、2階に「ANTICO CAFFE ALAVIS(カフェ)」「塩・酒・肴 中井商店(日本料理・居酒屋)」「NANZUKA TAKEN(バー)」「Trattoria Pizzeria 207(イタリアン)」「Cerveza JPN (スペイン料理)」が入る。
3階はオフィスエントランスとなっていて、こちらに「タリーズコーヒー(カフェ)」「NANZUKA(アートギャラリー)」が入る。壁面緑化とともに、多くの植栽を配置していて、ビル内でも自然が感じられるデザインとなっている。休憩もできるワークスペースも多くとられている。オフィスフロアは、総賃貸面積2万4950m2、基準階面積で約1325m2となっている。
「変化のなかで一度立ち止まり、改めて渋谷でオフィス事業を推進する意義を発信」
説明会では、東急 不動産運用事業部長 事業推進第三グループ 主査 亀田麻衣氏から、働く場としての渋谷の魅力とオフィスブランディングについて説明があり、広いオフィスフロアは開業前に契約済みとなったことの報告があった。
「開業前に満床になるのは近年非常にまれなことで、渋谷のポテンシャルの高さを改めて感じています。入居企業の業種は、人材、IT、不動産、金融など多岐にわたっています。渋谷は電車で10分圏内に人気の住宅街が複数あり、“働く・遊ぶ・暮らす”と近隣でQOLの高い生活がしやすい環境です。隣り合わせで働けることはビジネスにとって非常に大切な要素です。そして従業員が自分のスタイルで働きやすいことは、現在の多様な働き方のなかで、ますます大事なポイントになってくると考えています」と説明。
加えて、渋谷でオフィス事業を推進する意義を発信すべく、“心を踊る世界を、渋谷から。~渋谷の皆さんとともにさらなるフィールドを作り続け、産業と文化の発展を後押しします~”という、パーパスを策定。“Playwork~渋谷で生きるビジネスに生きる~”をキャッチコピーに、関口メンディさんを起用してプロモーションをしていくとのこと。
「20年以上にわたり渋谷の再開発を推進する弊社ですが、この変化のなかだからこそ一度立ち止まり、改めて渋谷でオフィス事業を推進する意義を発信していこうと考えました。渋谷はたくさんの企業プレイヤーによって育ってきた町。皆さんが活躍できるフィールドを我々が作ることによって、さらなる産業文化が生まれ、日本、そして世界の発展に貢献をしていきたいという思いを込めています」と説明した。
また、東急のオフィスビルで働くオフィスワーカー向けのアプリ「Shibuya TOQ Pass」を6月から提供を開始。イベントやグルメの情報を提供するだけでなく、アプリでの優待サービス(現在約250店舗)も提供し、とても好評であることも報告。「すでに1万3000を超えるダウンロード数となっており、再開発によるハード面の整備だけではなく、ソフト面でも働きたい街として渋谷を選んでいただけるように、これからもさまざまな取り組みを行なってまいります」と締めくくった。
続けて、東急 渋谷開発事業部長 プロジェクト推進第二グループ 担当部長 田邊秀治氏が登壇し、「渋谷アクシュ」について解説した。
このエリアは、青山方面にオフィスビルや教育施設があるため、数多くのオフィスワーカーや学生などが行き来するエリアになっている。周辺は宮益坂、青山通りといった幹線道路に囲まれているうえに、渋谷駅から青山方面に向かって上り坂になっているため、スムーズな回遊がしにくい状況にあった。この状況を踏まえ、事業コンセプトは“TSUNAGI-BA”と設定したと説明。
「渋谷と青山を行き交う人々をつなげるハブとなり、居心地のいい場所を提供することで、多様な人々が集い、交流する。そういったつながりにより人々だけでなく、ビジネスや文化が混じり合うことで新たな価値が生まれる。そんな未来を想像していました。その思いをそのまま表現したのが、この渋谷アクシュという名前です」とネーミングの由来を含めて説明した。
渋谷アクシュの開業で、渋谷駅東側エリアから青山方面へつながった。「Shibuya Sakura Stage」の開業とJR渋谷駅新南改札の移転開業で、桜丘エリアから代官山や恵比寿方面へもつながっている。
「周辺デッキや地下通路の整備に伴い、歩行者ネットワークが東西南北につながることで街の分担が解消され、回遊性が高まり、さらにめぐり歩いて楽しい街へと変貌を遂げます。周辺のデッキや地下通路の整備に伴い、歩行者ネットワークが東西南北につながることで街の分断が解消され、回遊性が高まり、さらに巡り歩いて楽しい街へと変貌を遂げます。そして、今回の2024年の“まちびらき(※)”で、駅中心5街区と呼んでいる2000年ごろから描いてきた計画が完成します。
道玄坂上から宮益坂上がデッキレベルでもスムーズにつながります。地下、地上、デッキといった各レベルで東西南北の導線が分かりやすくつながり、渋谷らしい新しい景色を楽しめる、渋谷駅前歩行者ネットワークが形成されます。今後、各プロジェクトの詳細の開発計画については随時発信させていただきたいと思います。渋谷の未来にぜひご期待ください」と説明し、将来の渋谷の姿を示す周辺をウォークスルーするイメージ映像が放映された。
※新たな公共的な施設の整備や大規模建築物のオープンの時期に合わせて、区民、事業者、教育機関、区が協働で実施してきた節目の取り組み。2018年第1期、2019年第2期と実施されてきた。