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星野リゾート、2024年は仙台/新浦安/奥飛騨など5施設開業。星野佳路代表「一時的な労働力不足は観光業界にとってチャンス」

過去最多750名の入社を報告

2024年4月17日 発表

「星野リゾート オンラインプレス発表会 2024春」で代表 星野佳路氏が今後の施設展開や労働力不足を打開する取り組みを説明

 星野リゾートは4月17日、「星野リゾート オンラインプレス発表会 2024春」を開催。代表の星野佳路氏が労働力不足やオーバーツーリズムなどの課題を抱える旅行・観光業界の動向についてコメントした。

 アフターコロナにおいて労働力不足は世界的に起きている問題であり、特に観光産業では深刻になっている国も多いと星野氏。コロナ禍で採用を控え、新規雇用で入ってくるべき人たちが入ってきていないなか、観光需要が一気に戻り必要な労働力とのあいだに大きなギャップができてしまったことが原因と言い、「需要の戻りと同じペースで採用するわけにはいかず、(労働力不足解消に)数年かかるのでは」と懸念した。

 星野リゾートではコロナ禍にも採用を続けていたが、当時“コロナ蔓延によって失われた学生生活を取り戻したい”と、2022年10月以降は一時的に退職率が伸びるなど少なからず労働力不足に陥ったという。2023年には人員を揃え、維持し、採用を強化するなどさまざまな対策を講じたが、そのプロセスのなかで「必要人員をもう一度しっかり見直す必要がある」として、業務の最適化を図った。

 リゾート経営においては「収益と顧客満足度の両立」が軸となり、そして各ブランドごとの業務内容に対する配慮や多施設展開していく際に「どうしたらスタッフの負荷(残業時間や業務内容)を適正化できるか」が課題であるが、さらに「スタッフの心理的な負荷について高いレベルでバランスをとる」ことがリゾート、ホテル、温泉旅館を運営するうえで需要であると定義し、現場の課題や問題意識を見直した。

 この春には過去最多の750名の新入社員を迎え、3月31日と4月3日に入社式を実施。今年は国内に「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」(4月11日開業)、「界 秋保」(4月25日開業)、「OMO7高知 by 星野リゾート」(6月13日リニューアル)、「OMO5函館 by 星野リゾート」(7月6日開業)、「星野リゾート 1955 東京ベイ」(6月20日開業)、「界 奥飛騨」(9月5日開業)と6施設の新規開業・リニューアルを予定しており、2024年の1年間にキャリア採用も含めて1000名を目指すという。

2024年春は過去最多の750名が入社

 星野氏は「一時的な労働力不足というのは、観光産業が一流産業を目指すうえですごくよいチャンス」と話す。投資家に対して“よい人材を集めるため、労働環境を改善し、一流産業に並ぶべき”ということを今こそロジカルに説明できるからで、今回、従業員の公休数や残業時間賃金、初任給を増やし、観光業界の人材として能力を発揮しやすい地方居住者や地方大学出身者の採用を強化したのもこれが背景となった。

 星野リゾートの創業110周年記念にあわせ、採用サイトも大幅にリニューアルしている。「個性的なスタッフ110名による仕事紹介なども行なっているのでぜひ皆さんにもご覧いただきたい」という。

今後の星野リゾート展開施設
「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」(4月11日開業)
「界 秋保」(4月25日開業)
「OMO7高知 by 星野リゾート」(6月13日リニューアル)
「OMO5函館 by 星野リゾート」(7月6日開業)
「星野リゾート 1955 東京ベイ」(6月20日開業)
「界 奥飛騨」(9月5日開業)