高速道路各社、将来的にSA/PA有料化する検討。立体駐車場導入などでトラック駐車スペースや休憩機会を確保

高速道路各社による検討会が「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する整備方針」をまとめた

　高速道路各社は12月26日、「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する整備方針」をまとめ、サービスエリア・パーキングエリアの混雑解消対策として中長期的に「一定時間以上の利用に対する有料化を検討」することを明かした。

　物流トラックが増加するなか、これまで既存駐車エリアのレイアウト変更により大型車駐車マスを拡充し、駐車場予約システムの社会実験（全国7か所実施中）や東名 豊橋PA（下り）で夜間利用を有料化するなど取り組みを行なってきた。

「駐車マスの拡充」に対するこれまでの取組

「確実な駐車機会の提供」に対するこれまでの取り組み（駐車マスの予約・有料化）

　今後は短期的な対策として、駐車マスの飽和度や物流の観点で重要と考えられる路線のSA・PAを対象に、大型車駐車マスの拡充を進める。敷地内での対策が難しい箇所では中長期的な対策として、SA・PA隣接地の拡張やSA・PAの新設を検討していく。

　また2024年度からは、複数縦列式（コラム式）や駐車場の立体構造化の導入に向けた検討にも着手するという。

レイアウト変更や園地部活用などで駐車マスを拡大。中長期的には「駐車場の立体構造化」や「SA・PAの新設」を進める

複数縦列式（コラム式）の例

　さらに、車両が確実に駐車し、休憩機会を逸すことがないよう短時間利用者の多い休憩施設（SA）などを対象に「短時間限定駐車マス」を試行導入・拡大する。これにより駐車マスの回転率を上げる狙い。

2023年秋以降、全国11箇所の休憩施設で「短時間限定駐車マス」実証実験。これを中長期的な対策として拡大

　中長期的な対策としては、一定時間以上の利用に対する有料化を検討しているが、前述の短期的な対策（短時間限定駐車マス導入）での実証実験を踏まえ、短時間限定駐車マスの効果が少ない箇所を先行して有料化の導入を検討。

　将来的に「混雑しているSA・PAを一定時間以上のすべての利用を有料化」するとし、具体的な導入時期や料金については示していない。

中長期的な対策として、一定時間以上の利用に対する有料化を検討