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世界最大級の音楽用ホール「Kアリーナ横浜」デビュー直前! 音響設備にこだわる約2万人動員の観客席を見てきた
2023年9月25日 12:20
- 2023年9月29日 開業
音楽用ホールとして世界最大級を謳う「Kアリーナ横浜」(神奈川県横浜市西区みなとみらい6-2-14)がいよいよ9月29日にオープンする。
横浜のウォーターフロントに位置する「みなとみらい21地区」は再開発で魅力ある施設が次々にオープンしており、そのなかでも多くの人で賑わうスポットとして注目されている。開業に先立ち、建物内部がメディアに公開されたので紹介しよう。
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約2万人を収容できる音楽専用ホールとして誕生
Kアリーナ横浜を含めた街区「ミュージックテラス」を運営するKアリーナマネジメント 代表取締役社長 田村剛氏の説明によると、同ホールは音楽用として世界最大級の収容力を持つ。
座席数は2万33席で、すべてがファブリックシートを採用。音響にはL-Acoustics(フランス)製のスピーカーシステムを採用し、会場全体に高品質な音を提供する。客席の階層は1階のアリーナ、3階のロアースタンド、5階のミドルスタンド、7階アッパースタンドの4つに分けられている。
横浜駅から徒歩11分の場所に立地
Kアリーナ横浜までのアクセスは、横浜駅から徒歩11分、新高島駅(みなとみらい線)からは徒歩5分。新高島駅からだと「4 臨港パーク口」から出て、とちのき通りを渡って右に向かい、「横浜アンパンマンこどもミュージアム」を過ぎて左に折れると、ミュージックテラスのサウスゲートにたどり着く。
現在、横浜市が計画している歩行者デッキが完成してウエストゲートと接続されれば、横浜駅東口から徒歩9分の距離になるとのこと。
Kアリーナ横浜が立地するミュージックテラスには「ヒルトン横浜」もあり、そのなかをくぐり抜けるようなかたちで正面エントランスに向かう。
周辺にはLED照明を用いたツリー柱や500インチの屋外大型ビジョン、屋外のイベントスペース、グッズ販売エリアが設けられており、1階部分にはローソンもある。
観客席は4層構造でシンプルで分かりやすい
取材当日(9月22日)は開業式典のリハーサルの真っ最中であったが、内部を見てまわることができた。ちなみに、Kアリーナ横浜のこけら落とし公演は9月29日で、横浜出身の人気デュオアーティスト「ゆず」が担当する。
3階にはメインエントランス、ノースエントランス、サウスエントランスがあり、公演日は係員の指示に従ってそれぞれのエントランスから入場する。3階から5階のミドルスタンドへ上がる際は階段のほか、エスカレーターでも移動できる。
公演が楽しみな最新設備と音響効果
各座席は吸音材を用いたファブリックシートになっており、音の反響を防ぐとともに座り心地にも配慮されている。そのうちミドルスタンドの正面、前から3列目までは特別なバルコニー席になっており、さらに上質なシートが設置されている。
バルコニー席についてスタッフは「催行者の判断でプレミアムシートとして販売してもいいし、ファンクラブの特典として抽選のシートにしてもいいかと思います」と説明した。
アリーナからロアースタンド、ミドルスタンド、アッパースタンドまで、移動しながらリハーサルの音出しを聞いていたが、評判どおりに音の反響が目立ったり、輪郭が不明瞭な感じには聞こえなかった。これは実際の公演が非常に楽しみ。
アッパースタンドからもステージが見えやすいような設計になっており、遠くの端の席からでも一体感は味わえそうだ。 また、後方の観客のためにステージを映し出せるアッパーサービスビジョンも備えている。
参考までに、人間の視野角に近いと言われる焦点距離50mm近辺で撮影した写真も掲載しておく。
座って休憩できるラウンジを2か所に設置
Kアリーナ横浜には11の売店があり、飲料や軽食を楽しめる。また5階には408席ある「Lounge 5」、7階には120席あってお酒も楽しめる「Arena Bar 7」があり、ゆっくりと過ごすこともできる。
観覧の際はなるべく手荷物を持ち込みたくないところだが、そのようなニーズに応えるべく、施設の内外合わせて6200基のコインロッカーが設置されているのも特徴だ。
サービスに対する精算はキャッシュレス方式を採用(クレジットカード各種、電子マネー各種、二次元コード決済各種)するとのこと。現金要らずと言いたいところではあるが、コインロッカーだけは小銭を用意する必要があるのでその点だけは覚えておこう。
シークレットなVIPルームも少しだけ紹介
一般には販売されないが、VIPルームやVIPラウンジも存在する。今回は特別に内部が公開されたので少しだけ紹介しよう。
こちらのフロアではバルコニー席を備えた特別室にラグジュアリーなラウンジが用意されており、上質なサービスを受けながら公演を楽しむことができるそうだ。
VIPルームは主催者用の部屋と企業向けの年間契約の部屋で構成されており、エグゼクティブクラスの利用を想定しているという。
囲み取材時にケン・コーポレーション 代表取締役会長 佐藤繁氏が「シート1つに10万円かかっています」と、音楽専用ホールだけに音響には特にこだわって建設したことを重ねて説明していたように、とにかく音を大切にしていることが伝わってきた。
環境に対しても隣は高級ホテル、近辺には高層マンションも立ち並ぶので、遮音性に関してもより一層の注意を払って建てたそうだ。今後、続々と開催されるライブイベントを楽しみに待ちたい。