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NEXCO東日本、深夜割引の新制度は“後日還元型”。半導体不足の影響受け「具体的な開始時期は未定」と由木社長

2022年度 第4回定例会見

2023年1月25日 実施

NEXCO東日本が2022年度 第4回定例会見を実施

 NEXCO東日本は1月25日、東京・霞が関の本社で2022年度の第4回定例会見を行なった。登壇したのは代表取締役社長の由木文彦氏、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長の八木茂樹氏、常務執行役員 サービスエリア・新事業本部長の吉見秀夫氏の3名。

 会見では、日本列島で猛威をふるう大雪への対応状況や1月20日に発表された深夜割引等の見直し、東京大学大学院との共同による「渋滞予測チャレンジコンテスト」の開催について説明したほか、SA/PAで行なった「これぞご当地No.1!おみやげ総選挙」の結果を発表し、これからの冬季イベントなどをプロモーションした。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長の八木茂樹氏

 まず、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長の八木茂樹氏が雪氷対策の取り組み状況を説明。既報のとおり、1月24日から26日ごろにかけて日本列島に“10年に1度”といわれる強い寒気が流れ込み、広い地域で積雪が観測されている。特に24日夕方からは北陸地方を中心に大雪となっており、NEXCO東日本では交通障害への対策として北陸道・上信越道の通行止めを24日~25日に実施した。

 また、降雪の強まった24日15時から北陸道・上信越道で並行する国道8号・18号を同時通行止め。その後、北陸道および並行する国道8号を先行して解除し、上信越道および並行する国道18号を25日5時に解除したことを報告。

管内大雪による通行止めを実施(1月24日~25日)

 会見時の発表によると、25日12時時点では北海道の札樽道(札幌IC~小樽IC/岩三沢IC~札幌南ICなど)や福島県の磐越道(会津若松IC~常磐熱海IC)を中心に通行止めが実施されている。また上信越道の信濃町IC~豊田飯山IC(下り)では24日午後に事故発生に伴う約80台の車両滞留も確認されている。

 由木社長は「ご利用するお客さまには大変不便をかけるが、寒波はしばらく続くため不要不急の外出は控えるよう改めてお願いしたい。また運送事業者や荷主の皆さまも迂回ルートや運送量の調整にご協力をお願いしたい」とコメントした。

 今後の気象情報に留意しつつ、最新の道路状況は引き続き「ドラぷら」や「JARTIC」の公式Webサイトなどで確認いただきたい。

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 由木文彦氏

 続いて、1月20日にNEXCO 3社が高速道路の深夜割引の見直しを発表した件について説明を行なった。

 0時~4時に走行するETC車両に対して3割引の深夜割引を適用する現行の制度が、0時を超えるまで料金所直前で待機する車両渋滞の原因を作り、長距離ドライバーの負担増となっている現状を鑑み、割引適用時間帯を22時~5時に拡大する。そして深夜割引適用時間帯に走行した分のみを3割引とし、400km超の「長距離逓減制」を段階的に拡充していくという。また新たな深夜割引は「ETCマイレージサービス」または「ETCコーポレートカード」への後日還元型に変更される。

高速道路の深夜割引適用時間帯を22時~5時に拡大

 これら割引見直しによる長距離利用者の負担増や新たな交通集中を抑制することを目的に、運用開始後は5年程度の激変緩和措置を実施する。なお新制度は「2024年度中に開始」としているが、料金計算に必要なETCフリーフローアンテナの整備が半導体不足の影響を受け、「具体的な開始時期は未定」と説明した。

運用開始後は5年程度の激変緩和措置を実施

 次に八木氏は、東京大学大学院 情報学環と実施している「データ利活用の取り組みに関する共同研究」の一環として、今年7月にかけて「渋滞予測チャレンジコンテスト」を開催することを発表した。これは「ドラぷらルート検索データ」を利用したコンテストにより、新たなアイデアで渋滞予測の高度化を目指すというもの。

 モデリング部門では、関越道・館山道のゴールデンウィーク(2023年4月1日~5月7日の指定日)における翌日0時~24時の渋滞を予測するアルゴリズムを作成し、提出された予測とGWの実際の結果を比較しその精度を競う。

 アイデア部門では、高速道路をテーマにデータを活用した新しいアイデアをレポート形式で募集し、グッドアイデア賞の受賞者には20万円を進呈する。各部門とも法人・個人を問わず誰でも参加可能。本日25日より専用ページで募集を開始し、6月の1次選考と7月の最終選考を経て、受賞者を決定するという。

「渋滞予測チャレンジコンテスト」の募集を開始

 また今回の会見では、帰省シーズンの2022年12月16日~2023年1月15日に開催した「これぞご当地No.1!おみやげ総選挙」の速報結果が常務執行役員 サービスエリア・新事業本部長の吉見秀夫氏により発表された。

 おみやげ総選挙は、特設サイトにて立候補商品のなかから各部門1品ずつ好みのお土産商品を選んで投票した人に、抽選で豪華賞品をプレゼントするという期間限定キャンペーン。「お菓子部門」「ご飯がすすむおかず部門」「SAPA限定商品部門」から各12品が立候補した。

「お菓子部門」では北海道の銘菓「白い恋人」が1位を獲得。道央道 輪厚PAほか、6か所のSA/PAで購入できる。「ご飯がすすむおかず部門」の1位は、宮城県の人気店「利久」が手掛ける「牛たん真空パック」。そして「SAPA限定商品部門」では、横浜横須賀道路 横須賀PA(上り)で販売されている「よこすか海軍カレー」が栄えある1位に輝いた。

「これぞご当地No.1!おみやげ総選挙」で各部門1位となった商品

 このほかにも各SA/PAでは地域の魅力あふれるお土産品を多数取りそろえており、おみやげ総選挙の特設サイトでは惜しくも1位を逃した各部門の商品詳細や厳選土産を掲載していると吉見氏。

 また現在、岩手・宮城・福島県内の対象SA/PAではオススメ麺メニューを提供する「東北推し麺対決」や、茨城・千葉・神奈川県内の対象SA/PAでは寒い冬にピッタリのラーメンが味わえる「ぐるっとラーメン巡り」など、「心あたたまる冬」をサブテーマにしたグルメフェアを開催中という。各イベントの詳細は、ドラぷら内「ENJOY!よりみち」などを確認いただきたい。

東日本高速道路株式会社 常務執行役員 サービスエリア・新事業本部長の吉見秀夫氏