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9月17日開業「バスターミナル東京八重洲」を早速見てきた! 周辺の高速バス停留所を集約して国内最大級のBTに。まず約600便が発着

併設する「東京ミッドタウン八重洲」の地下飲食店街もオープン

2022年9月17日 第1期エリア開業

東京駅八重洲口から発着する高速バスの新しい乗降場となる「バスターミナル東京八重洲」第1期エリアが開業

 UR都市機構と京王電鉄バスは、9月17日に部分開業する「バスターミナル東京八重洲」の内部をプレス向けに公開した。バスターミナル東京八重洲は、東京駅八重洲口周辺に点在する高速バスの停留所を集約するもので、再開発が進められている3棟のビル地下にそれぞれ整備される。

 今回公開されたのは、「東京ミッドタウン八重洲」(東京都中央区八重洲2-2-1)の地下2階に整備された第1期オープンのバスターミナル東京八重洲および地下1階の13店舗。なお東京ミッドタウン八重洲は、2023年3月10日にグランドオープン予定としている。

2023年3月10日にグランドオープンする「東京ミッドタウン八重洲」。バスターミナル東京八重洲のほか、オフィスフロアや中央区立城東小学校、飲食店など60店舗が入居。2023年4月には40~45階に「ブルガリ ホテル 東京」も開業する
バスターミナル東京八重洲のイメージ。新しく建設されるビルの地下に、バスターミナルが整備される。第1期~第3期を合計すると、乗降バースは20、専有床面積は約2万1000m2と日本最大級になる予定

1日あたり約600便の高速バスが運行

 バスターミナル東京八重洲の第1期エリアは、地下1階にチケット売り場と案内カウンター、地下2階にバス乗り場という構造。東京ミッドタウン八重洲の1階エントランスほか八重洲口側の地下1階に広がるヤエチカ(八重洲地下街)からアクセスすることができる。

 案内カウンターの手前にあるエスカレーターで地下2階へ降りると、乗降用6バース、待機用3バースの計9バースを備えたバス乗り場が広がる。開業時には、東京駅周辺の路上などで発着していた1日あたり約1200便の高速バスのうち、約550便がこちらに移行する。

 さらに新規に乗り入れる約50便と合わせ、約600便がこちらの施設を使うことになる。発着する高速バスの内訳は、東北方面が約30便、関東(千葉)方面が約380便、関東(その他)が約20便、北陸・甲信越方面が約20便、東海方面が約50便、関西方面が約80便、中国・四国・九州方面が約20便となっている。

地下1階にある案内カウンター。インバウンド対応として英会話ができるスタッフも配置する予定
路線の6割を占める千葉方面行きはチケット販売機が用意されている
案内カウンターのすぐ横にはセブン-イレブンがオープン
地下2階にあるバスターミナル東京八重洲の乗降エリア。11~16まで6つの乗降用バースが整備されている
高速バス便の主な行き先と発着数

利用客目線を意識したバスターミナル

 高速バスの待合スペースと乗降場はガラスで仕切られており、乗降時のみ開く自動ドアによって隔たれている。これにより空調環境も適切に保たれ、安全性も大きく向上している。

 バースは11~16までの6か所で、それぞれにデジタルサイネージによる発着案内が表示され、時刻や乗り場などを一目で把握できるようになっている。また、公式Webサイト上で予約便を登録すると、登録した便の発車時刻が近づいた際にスマホに通知するシステムも導入されている。

 待合スペースにはベンチや自販機、トイレが設置されているほか、ファミリーマートもあるので、従来の路上乗り場と比較すると利便性や快適さはかなり向上している。

乗降場と待合スペースはガラスで完全に仕切られている。自動ドアも乗降時のみ開く仕組みだ
乗り場を示す柱の案内表示
発車時刻や路線の停留所を案内するデジタルサイネージ
柱にもデジタルサイネージが設置されている
自販機やベンチが置かれた待合スペース
おむつ交換台や授乳室が併設されたトイレ
開業前なのでシャッターが降りているが、こちらにはファミリーマートが入居する
乗り場と通路には直線的な直接照明、待合スペースには間接照明など、ライティングも工夫されている

地下1階には立ち寄りやすい飲食店やコンビニなどが入居

 東京ミッドタウン八重洲の地下1階には飲食店や物販・サービス店が入居しており、高速バス利用客やオフィスワーカーにとって利便性の高い空間になっている。テナントは、「THE CITY BAKERY」「スターバックスコーヒー」「TASU+(タスプラス)」「立食い寿司 根室花まる」「芝蘭担々麺」「鳥開総本家」「PARIYA DELICATESSEN」「フリホーレス」「ポーたま」「セブン-イレブン」「Anker Store」「ウエルシア」「Biople ORGANIC LIFE」の13店舗。

東京ミッドタウン八重洲の地下1階には飲食店など13店舗が入る
ヤエチカと東京ミッドタウン八重洲は連絡通路で結ばれている

京王バス 宮坂氏「首都東京の玄関口として、安全で快適なバスターミナルを目指したい」

 開業式典では主催者代表が登壇。UR都市機構 東日本都市再生本部 本部長の中山靖史氏と、京王電鉄バス 代表取締役社長の宮坂周治氏が今後の抱負を語った。

 中山氏は、東京駅前・八重洲バスターミナル整備推進委員会を設置して事業を進めてきたこと、2025年には八重洲通りを挟んだ向かい側の「東京駅前八重洲一丁目東B地区」に建設する第2期エリア、2028年には南側に隣接する「八重洲二丁目中地区」の第3期エリアが開業し、3地区合わせて日本最大級の高速バスターミナルになる計画を説明。

「今後も各地区の再開発組合をはじめ、各関係機関の皆さまと密接な連携を図りながら、日本最大級の高速バスターミナル完成させます。東京駅前という象徴的な場所において交通結節点の整備運営を通じ、地域の活性化、国際競争力の強化に貢献していきます」と話した。

 宮坂氏は京王電鉄バスが2016年に「バスタ新宿」をオープンするまでのあいだ、新宿西口における高速バス乗降場を45年間運営してきた実績、またバスタ新宿の開業準備や運営に参画してきたことを紹介。

 今回オープンするバスターミナル東京八重洲においてもそのノウハウを活かし、「首都東京の玄関口である東京駅に直結するバスターミナルとして、国内のお客さまはもとより、海外のインバウンドのお客さまにも分かりやすく利用しやすい、安全で快適なバスターミナルを目指したいと思います。またバス事業者の皆さまに対しては、より柔軟で効率的なバスの運行環境を提供することにより、日本の高速バス事業の発展に貢献していきたい」と述べた。

都市再生機構 東日本都市再生本部 本部長 中山靖史氏
京王電鉄バス 代表取締役社長 宮坂周治氏
テープカットの様子

 テープカットのあと、記念すべき最初の利用客として、中央区立城東小学校の6年生21名がバスの前で撮影に応じた。千葉県や大阪府などの各自治体のキャラクターが見送るなか、窓越しに手を振り返すなど楽しそうな様子で出発した。

東京ミッドタウン八重洲内に教室を構える、中央区立城東小学校の6年生が最初の利用客
生徒を乗せたバスが出発