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JALが羽田~金浦線に導入したカフェスタイルの機内食「SKY DELI by JAL」を実食。「DEAN&DELUCA」とコラボしたドーナツサンドは納得の美味しさで、環境にもやさしい
2022年7月22日 12:55
- 2022年6月30日 提供開始
JALは、6月30日より運航を再開した羽田~金浦(ソウル)線のエコノミークラスに、新たなスタイルの機内食サービス「SKY DELI by JAL」を導入した。従来のトレーに盛り付けた機内食ではなく、紙包装で提供するカジュアルなカフェスタイルの食事だ。その理由について担当者が説明した。
SKY DELI by JALの第1弾は、ニューヨーク発祥の食料品店「DEAN&DELUCA」とコラボしたメニュー。同店の定番人気でもある「ドーナツサンド」をメインに、付け合わせのカルビーのポテトチップス「POTATO For You」、それに350mlのミネラルウォーターが1つの紙袋に入った状態で乗客に手渡される。
メニューは2種類あり、羽田発~金浦着の便では「ピーカンナッツベーコンポテト・ドーナツサンド」にPOTATO For Youのチーズ味、金浦発~羽田着の便では「マーマレードフライドチキン・ドーナツサンド」にPOTATO For Youのブラックペッパー味と、往復で利用した乗客が飽きないよう工夫もされている。
導入の背景としては、乗客からの「短時間のフライトでは手軽に食べられて美味しい機内食がいい」という声に応え、なおかつ省スペースになることで座席周りの空間をより自由に使えるようにと開発。また、ホットミールとは異なり温める必要がないため、乗客が好きなタイミングで食事できるというメリットもある。
もう1つの大きな理由は、SDGs達成に向けて取り組んでいる「使い捨てプラスチック容器の削減」だ。従来はメインディッシュ容器とフタ、サイドディッシュのフタの2つに使い捨てのプラスチックが使われていたが、これを紙に変更し、カトラリーを削減することで、大幅な軽量化も実現している。ちなみに同梱のミネラルウォーターには、100%リサイクルによって製造されたペットボトルを採用している。
従来では、食事とミネラルウォーターを除いたホットミールの容器やカトラリー類が約420g。一方SKY DELI by JALは約30gなので、その差は約390gと圧倒的な違いになる。新型コロナウイルスが蔓延する前の2019年度の実績だが、同路線における年間CO2排出量を比較すると約70トンの削減が見込めるそうだ。
現在、SKY DELI by JALは羽田~金浦線のエコノミークラスだけに導入しているが、乗客からは「ドーナツサンドはボリュームがあり、味も美味しかった」「気軽に食べられてよかった。美味しくて完食した」「ドーナツサンドがしっとりしていて、食べ応えがあった」といった声が寄せられており、好評であるそうだ。このような声を参考にしながら、今後はほかの短距離国際線にも導入を考えているという。中長距離路線については従来通りのスタイルでSDGsに配慮した機内食を提供するとのこと。
また、今回はDEAN&DELUCAとのコラボであったが、第2弾では新たなパートナーも含めてメニューを検討中。なお、カルビーのポテトチップス「POTATO For You」は商品の終売が近いため、8月中旬以降はほかの付け合わせに差し替える予定としている。
筆者も取材時に羽田発のフライトで用意される「ピーカンナッツベーコンポテト・ドーナツサンド」を試食させてもらった。しっとり食感のドーナツに、ほどよい大きさと薄さにスライスされたベーコン、粗く潰したポテトなどが具材として入っており、見た目以上にボリューム感があった。ハンバーガーのように紙で包まれているので、そのまま持って手を汚さずに食べられるのもよかった。
350mlのミネラルウォーターとともに紙袋に入れて手渡されるので、いつでも自分のタイミングで食事ができる点もありがたい。ただし、テイクアウト商品のように到着後の機外に持ち運んで食べるのは、入国時に検疫で没収されてしまう可能性もあるため不可。あくまでも機内食なので、到着前に食べてほしいとのことだ。