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ハウステンボス、開業30周年でユトレヒト市からドム塔のオーナメント授与。坂口社長「スタッフと頑張ろうと誓い合って今日がある」

2022年3月25日 実施

ハウステンボス株式会社 代表取締役社長 坂口克彦氏

 長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」は3月25日、開業30周年を祝う記念セレモニーを開催した。オープンに先立ち、代表取締役社長の坂口克彦氏は、「30周年のテーマは感謝です。これまでたくさんの方々に支えていただきました。心よりお礼を申し上げます。そのなかでも特に今日は当社のスタッフに感謝をしたいと思います」と語った。

 ハウステンボスはこれまでに何回もの経営危機を迎え、近年ではコロナという未曾有の危機にも見舞われた。その度にスタッフが一丸となって努力し、乗り越えてきたからこそ、30周年記念のこの日が迎えられたという。

 坂口氏は、コロナ禍の休園時に100万本のチューリップの動画をTwitterにアップしたとき、104万回も再生され、たくさんの応援の声が届いたエピソードを語り、「大変なときだからこそ、スタッフと一緒に頑張ろうと誓い合いました。そしてみんなが総力を上げて努力してきました。そんなスタッフに感謝したいと思います。スタッフありがとう!」と声高らかに告げた。

 入場ゲートの前には、オープンの9時を心待ちにする来場者が列をなし、開場とともに次々と入場。そんな来場者を坂口社長をはじめ、新キャラクター、スタッフやキャスト約200人が笑顔で手を振って出迎えし、30周年記念セレモニーが感動的にスタートした。

ウェルカムセレモニーでは坂口社長(一番右)や歌劇ザ・レビューハウステンボスのメンバー(中央付近)、30周年記念の新キャラクターたち(左側)も登場
さまざまな部門のスタッフが手を振って来場者を出迎えた
ウェルカムセレモニーは来場者が途切れ途切れになっても約1時間にわたって行なわれた
ハウステンボスのエンターテインメントチームであるチームエキサイト(左側)、歌劇ザ・レビューハウステンボス(中央付近)、レビューHTB天鼓(右側)のメンバーらも列席

 式典後に取材に応じた坂口氏は、「30周年を機に、ハウステンボスは何のためにあるのかという存在意義を設定した」と話す。

 ハウステンボスのブランドプロミスは「わたしが、本来のわたしらしい状態に戻れる空間」。きれい・すてき・すごい・かわいい・おいしい・たのしい・うれしい、という7つの「わぁ~」という感動体験をすることで、本来の自分に戻り、心のデトックスをしてもらうことを目指している。

 坂口氏は「今、現場のみんなからいろいろなアイデアが出てくる状態になってきました。基本コンセプトの“花と光の感動リゾート”がさらにブラッシュアップされて、皆さんに喜んでいただけるハウステンボスになっていけるものと確信しています。ハウステンボスは九州圏のお客さまが5割強なので、これを7割に引き上げて、たくさんリピートしていただけるハウステンボスを目指したい」と語った。

 式典に続いて行なったアニバーサリーパレードでは、色とりどりの生花で飾られた美しいパレードカーにキャラクターたちが乗り込み、場内をにぎやかにパレード。歌劇ザ・レビューハウステンボス、レビューHTB天鼓、チームエキサイトのメンバーらによるダンスや太鼓の演奏などで、お祝い気分を盛り上げた。その後ろにはウェルカムセレモニーに参加していたスタッフやキャストたちが続き、たくさんの感謝の気持ちを沿道の来場者に届けた。

チームエキサイトのメンバーがパレードを先導
多くの来場者が沿道でパレードを楽しんだ
歌劇ザ・レビューハウステンボスのメンバーが華やかにパレード
レビューHTB天鼓による演奏もにぎやか。美しいパレードカーにも目を奪われる

 30周年の記念すべき3月25日には、オランダ王国ユトレヒト市のランドマークタワーであるドム塔(ドムトールン)のオーナメント受贈式も開催した。

 ドム塔はオランダで最も古く、最も高い教会付属の時計塔として知られ、ハウステンボスのシンボルとしてそびえる高さ105mのドムトールンのモデルとなった塔。1321年にドム塔に礎石が敷かれてちょうど700年を迎える。これを記念して、現在、50年に一度の修復作業中であるドム塔のオーナメントを、ハウステンボスが譲り受けることとなった。オランダ以外でこの装飾品を贈呈されるのはハウステンボスが初めてとのこと。

 受贈式に列席したオランダ王国大使館 本邦駐箚 オランダ王国大使のペーター・ファン・デル・フリート氏は、「今日はオランダ王国大使館の大使としてだけでなく、ユトレヒト市民を代表してここに参りました。2022年、ユトレヒトに都市権が与えられてから900周年を迎えました。これを機に、オランダを美しく再現したハウステンボスにユトレヒト市民の誇りであるドム塔のオーナメントの一部を設置することになりました。このオーナメントがオランダからのささやかな感謝の印となり、オランダ、ユトレヒト市、ハウステンボス、佐世保市、日本の新たな交流が始まることを心より願っております」とあいさつ。

 この言葉を受けて坂口氏は、「700周年の記念行事としてオーナメントを寄贈していただける。このことを決定していただいたオランダ王国の方々に感謝したいと思います。そしてそれを受贈できることになったハウステンボスにも感謝し、誇りに思いたい」と感謝の気持ちを伝えた。

(左から)在大阪オランダ総領事館 総領事 マーク・カウパース氏、オランダ王国大使館 本邦駐箚 オランダ王国大使 ペーター・ファン・デル・フリート氏、佐世保市長 朝長則男氏、代表取締役社長 坂口克彦氏

 寄贈されたオーナメントは、1920年~1930年ごろの石灰岩で作られた葉飾りの建築装飾「サイド クロケット」で、重さは約300kgにもなる。この受贈式を、地元である佐世保市の長崎県立佐世保東翔高等学校と九州文化学園高等学校の吹奏楽部が美しい音色で盛り上げた。

アムステルダム広場の花時計の前に設置されたオランダのドム塔のオーナメント
長崎県立佐世保東翔高等学校と九州文化学園高等学校の吹奏楽部が演奏

 30周年を記念して、ハウステンボスのマスコットである「ちゅーりー」の新キャラクターが登場。ちゅーりーは開業時から活躍する、好奇心旺盛で活発なお花の妖精。今回、「バトンタッチセレモニー」が開催され、3代目ちゅーりーから4代目ちゅーりーにバトンが渡された。

新ちゅーりー(右から2番目)と、2011年頃から活躍してきた3代目ちゅーりーたち

 続く、「新ちゅーりーのお誕生日会」のイベントでは、ちゅーりーのお友達であるテディベアのルークとルーナが登場。みんなで仲よくダンスを披露し、新ちゅーりーの誕生をお祝いした。

新ちゅーりー(中央)とルーク(左)とルーナ(右)

 30周年のハウステンボスでは、4月4日~4月28日に「九州在住者感謝キャンペーン」として、九州在住のお客様限定で、年間パスポートを除くすべてのパスポートが30%引きになるキャンペーンを実施。「ハウステンボス30周年スペシャル ミッフィーマンス」として、ミッフィーの誕生月である6月1日~6月30日には、ミッフィーショーを毎日開催する。

 夏ごろには子供たちが思い切り遊べる「~ふしぎの森~ファンタジーフォレスト」のオープンを予定しており、冬には世界最大級の高さ15m、日本初となる3階建てカルーセルがオープンするなど、この後の予定も目白押し。ますます感動シーンが増えそうな30周年のハウステンボスに期待したい。

夏にオープンを予定している「~ふしぎの森~ファンタジーフォレスト」のイメージ(提供:ハウステンボス)