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東海道・山陽新幹線「のぞみ」7号車がテレワーク用の「S Work車両」に

2021年8月26日 発表

S Work車両で仕事をするイメージ

 JR東海とJR西日本は、モバイル端末などを気兼ねなく使用して仕事を進められるように、10月1日から「のぞみ」の7号車を「S Work車両」に設定すると発表した。

 コロナ禍において、テレワークをはじめとするワークスタイルの多様化が進んでおり、両社では、こうした社会の変化に対応すべく、乗車前後を通してシームレスに仕事ができる環境を駅や車内で整備していくことにした。

「S Work」は、新幹線やシームレスの頭文字のSと仕事(Work)を組み合わせた造語で、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」の7号車(普通車)にビジネスパーソンが働きやすい環境を用意。S Work車両では、携帯電話やオンラインミーティングによる通話音やキーボードの打鍵音など、他の車両ではマナー違反とされるようなことも限度はあるが許容される。

 東海道区間のN700Sでは、膝上クッションや簡易衝立、PC用のACアダプター、USB充電器、小型マウスといったツールも無料で貸し出す。

 S Work車両の指定席は、EXサービス(スマートEX、エクスプレス予約)の専用商品として9月1日以降に予約可能となり、EXサービスで普通車指定席を予約する際と同額で利用できる。

 また、N700Sの7号車と8号車(グリーン車)では、従来の約2倍の通信容量を備え、利用時間の制限も設けない無料Wi-Fiサービス「S Wi-Fi for Biz」(Shinkansen Free Wi-Fi Business)を10月以降順次導入していく。ビジネスでの利用に配慮し、WPA2-PSK方式の暗号化も行なう。30分ごとに再接続が必要な従来のShinkansen Free Wi-Fiも引き続き利用できる。

S Work車両のロゴ
S Wi-Fi for Bizのロゴ

 さらに、2022年4月以降には、N700S車内の7号車と8号車の間のデッキ部の喫煙ルームを改造し、「ビジネスブース」を一部編成に試験導入。短時間の打ち合わせなどで利用できるようにする。これに伴い、7号車・8号車間にある喫煙ルームは来春をめどに利用できなくなる。

 このほか、JR東海では、東京駅、名古屋駅、新大阪駅では、一部の待合室を9月以降に順次改良し、無料で利用できる半個室タイプのビジネスコーナーや、コンセントポールを設置する。

ビジネスブースのイメージ
ビジネスコーナーのイメージ
コンセントポールのイメージ

 12月上旬からはEXサービス会員向けの有料ワークスペース事業「EXPRESS WORK」もスタート。個室型の「EXPRESS WORK-Booth」を東京駅、名古屋駅、京都駅、新大阪駅、JRセントラルタワーズ15階に設置するほか、ラウンジ型の「EXPRESS WORK-Lounge」を東京駅直結の丸の内中央ビルに設置する。

EXPRESS WORK-Boothのイメージ
EXPRESS WORK-Loungeのイメージ
個室席や会議室も用意される

 JR西日本でもブース型やラウンジ型のワークスペースの設置を進めるほか、ワーケーションや多拠点生活を推進するため、割引きっぷとワークプレイスのサブスクリプションを組み合わせたサービスの実証実験や、都市圏の仕事を継続しながら地方への移住を考えてる人に対して運賃や特急料金のサブスクリプションサービスの提供を行なっていく。