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NECと南紀白浜空港、人工衛星の合成開口レーダーで滑走路の劣化などを検知する技術実証

ドラレコ映像などで道路劣化を診断する「くるみえ for Cities」提供開始

2020年11月12日 発表

NECと南紀白浜エアポートは衛星合成開口レーダーで空港とその周辺をモニタリングする技術の実証実験を行なう覚書を締結した

 NEC(日本電気)は11月12日、ドライブレコーダーで記録した映像や加速度情報をAIで分析することで、路面のひび割れや平坦性などを調査できる道路劣化診断サービス「くるみえ for Cities」の提供を開始した。

 自治体が保有するパトロール車両などにドライブレコーダーを取り付けて走行するだけで路面の状況を広範囲かつ効率的に調査できるもの。専用車両や専用機器は不要で、ドライブレコーダーが記録した映像と加速度センサーの情報をNECのデータセンターに送信し、診断する。月額サービス料金は50万円(税別)から。

NECが11月12日に提供を開始した道路劣化診断サービス「くるみえ for Cities」。ドライブレコーダーの映像と加速度センサーの情報だけで診断できる

 また、NECと南紀白浜エアポートは、本サービスの提供開始に先立っては、くるみえ for Citiesを活用した南紀白浜空港滑走路の路面調査、点検の効率化に関する実証実験を3月から実施、滑走路ならではの環境においても高精度な調査ができるようAI性能の改善に取り組んでいき、滑走路面における本サービスの実用化に向けた技術実証を進める。

 加えて、両社は11月11日に、人工衛星に搭載されている合成開口レーダーを活用したインフラモニタリング技術についても実証実験を行なう覚書を締結。衛星合成開口レーダーで空港とその周辺エリアを観測し、データを時系列で比較することで、地盤沈下などの滑走路面の変動や、空港周辺の障害物を検知する技術の実用化を目指すほか、ドライブレコーダーの情報と衛星合成開口レーダーの情報を組み合わせることで、路面劣化発生の原因推定や劣化の進行度合いの分析など、予防保全の実用につながる取り組みの検討も進めていく。

衛星合成開口レーダーを用いたインフラモニタリング技術の実証実験もスタートする