NEC、普通のカメラ映像から人の密集度を解析する「ソーシャルディスタンシング判定技術」開発

NECが既設カメラなどでリアルタイムに人と人との距離を解析できる「ソーシャルディスタンシング判定技術」を開発

　NEC（日本電気）は6月11日、設置済みの監視カメラや撮影済みの映像を解析して人の密集度を解析し、可視化する「ソーシャルディスタンシング判定技術」を開発したことを発表した。

　新型コロナウイルス感染拡大防止のソリューションとして、同社の映像解析技術を応用し、個人を特定しないかたちでソーシャルディスタンスがどの程度確保できているかという安全の度合いをリアルタイムで数値化できる技術。

　従来技術では奥行きのある映像はカメラとの距離で人物の大きさが変わるために調整が必要になるが、今回発表した技術は場所と大きさの関係も計算。さまざまな位置、角度で撮影している映像であっても、既設カメラや撮影済みの映像からも人と人との距離を高精度に求めることができるというもの。

　また、ソーシャルディスタンシング可視化のため、例えば2mの距離が確保されているかを確認できるようカメラ映像中の人物それぞれに半径1mの範囲を表わす円を描き、円が重なっている場合に赤色で示すことができる。加えて、赤色の円の割合を計算することで、密集度をソーシャルディスタンシング指数としてリアルタイムに数値化できる。

　NECでは、ソーシャルディスタンシングの解析結果をデジタルサイネージなどで表示することにより、公共施設、商業施設、商店街、オフィスビルなどさまざまな施設の利用者にソーシャルディスタンシングを確保し、密集回避を促すソリューションを実現できるとしており、今後、映像解析技術などを組み合わせたソリューションの社会実装を目指す。

利用イメージ

映像から奥行きを計算することで既設カメラなどで利用できる

密集度をリアルタイムに指数化できる