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OCVB、沖縄観光客は修学旅行とGo To トラベルで回復傾向。下地会長「首里城は『見せる復興』が県の方針」

2020年10月28日 実施

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長 下地芳郎氏

 OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)は10月28日に10月度定例記者懇談会を開催した。前回まではオンラインでの開催だったが、対面での開催は3か月ぶり。

 その冒頭、会長の下地芳郎氏は首里城火災から1年を迎えることについて、「首里城火災の衝撃はとても大きかった。県内の企業からの寄付など応援の動きが続いており、首里城再建を願う声が強いことを改めて感じている。『見せる復興』というのが県の方針でもある。多くの県民に足を運んでもらい、この1年どういう変化があったのかしっかり見ていただきたい」と述べた(関連記事「首里城再建に向けて10月31日から「令和2年度首里城祭」。ツーリズムEXPO初日にはプロジェクションマッピングの先行公開も」)。

 2020年度目標入域数について、前回までの記者懇談会では月ごとの入域見通しを発表してきたが、今回は2020年度全体の見通しを「目標」として発表。

 10月に入り修学旅行などの団体需要が回復傾向にあり、またGo To トラベルキャンペーンに東京が追加されたこともあり、10月の入域数は30万9280人となる見込み(先月発表は27万8520人の試算)。また、Go To トラベルの期間延長も期待されることから、国内客については高めの見込み数を掲げた。

 11月の予測は41万8470人(前年同月比70%)、12月は45万4810人(同80%)と算出。2021年1月は47万4229人(2018年同月比91%)、2月は50万6790人(同95%)、3月は56万1469人(同85%)と算出し、これを目標とした。

 一方、海外客については、2021年2月まで空路は全便運休だが、3月には台湾便の復活を視野に入れて3000人を目標とした。なお、クルーズ船については3月まで寄港なしと仮定している。

 トータルで、2020年度の入域数の予測は370万人となり、前年度比39.1%と算出した。

 下地氏は、「修学旅行が回復傾向にあるのは明るい話題。3月までに実施予定校が1000ほどあるので、ぜひ実施してもらいたい。Go To トラベルについては、期間延長も今年度いっぱいといわず来年度まで延ばしてもらいたい。キャンペーンが終わったときの反動もあるだろう。Go Toの効果を喜ぶだけでなく、今からGo To後の準備も必要だ」とコメントした。

 続いて、国内旅行需要の回復に向けた緊急誘客対策についての進捗報告では、前回発表した「憩うよ、沖縄。」プロジェクトで強化する6項目について、具体的な取り組み内容や現況をアクション計画としてまとめた。マスメディアを活用したプロモーション、航空会社との連携プロモーションについてはさらなる強化を図るとのこと。

 11月4日~15日には、セントレア(中部国際空港)で「憩うよ、沖縄。」プロモーションを展開。第1ターミナル4階イベントプラザに全長8.5mの「ジンベエバルーン」を設置して、沖縄旅行への意欲喚起を図る。初日の11月4日には13時30分からお披露目会を開催。玉城デニー知事ビデオメッセージやミス沖縄による沖縄PRなどを行なうという。

 また、「憩うよ、沖縄。」に賛同、ロゴを利用している企業や団体は、現時点で200以上にのぼっているとのことだ。

 ミス沖縄など県全域の観光親善使節からは、医療従事者への感謝メッセージを動画で公開している。ミス沖縄自らの企画によるもので、県内各地の観光レディやマスコットキャラクターが出演する医療従事者への感謝メッセージ動画を作成。撮影もミス沖縄の3名が自身で行なった。宮古・八重山地域を含む14の観光協会・団体が参加している。