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2020年の沖縄観光客は前年比63.2％減で最大の落ち込み。OCVB下地会長「環境の変化に強い観光を目指す」
2021年1月28日 11:09
- 2021年1月27日 実施
OCVB（沖縄観光コンベンションビューロー）は1月27日、定例記者懇談会をオンラインミーティング形式で実施した。
2020年（暦年）の沖縄県の入域観光客数は373万6600人で、前年比63.2％減の大幅な減少となった。これは沖縄復帰後、最大の落ち込みだという。
OCVBでは、2021年1月の入域数も航空キャンセルなどの状況から厳しいと予測、前年1月に比べて3割台になるだろうとみている。2月はJAL/ANAの減便の発表を受け、さらに落ち込むと予測している。
3月については現段階では予測が困難だが、Go To キャンペーンが復活すれば前年同月比5割程度まで回復するだろうという。とはいえ、そこまで回復しても2019年3月に比べると3割を切る数である。
この予測について、OCVB会長の下地芳郎氏は「3月はまだ流動的。様子を見ながら受け入れ対策、水際対策に取り組んでいきたい。明るい話題としては、2月にプロ野球キャンプが始まる。そのなかで巨人軍が那覇市内にPCRセンターを作ると発表があった。キャンプに来るプロ野球チーム、プロサッカーチームの検査を行なうと聞いている。沖縄で競技団体がキャンプができるという前向きなニュースを全国に発信していきたい」とコメントした。
引き続き修学旅行誘致などで国内旅行需要対策
国内旅行需要の回復に向けた緊急誘客対策についての進捗報告では、OCVBが展開する「憩うよ、沖縄。」プロジェクトで掲げている強化項目のうち、修学旅行とデジタルプロモーションについて報告があった。
修学旅行の実施予定は1月13日時点で、2月に98校、3月に240校となっている。3月は前年秋からの延期校も多く、例年より多い実施予定数とのこと。OCVBでは修学旅行誘致のため、国内の実施実績のある学校に加え、過去に実施実績のある海外の学校へカレンダーや知事文書を送付する活動を行なっている。
2月10日には、受け入れ事業者向けに「第二回沖縄修学旅行 防疫対策セミナー」を開催。沖縄県立中部病院の高山義浩医師を講師に迎えての講演、修学旅行の受け入れを実施した事業者による事例紹介などを予定している。
また、「沖縄修学旅行オンラインフェア2021」を開催。静岡、大坂、東京では現地での実施を予定してきたが、オンライン開催に変更。1月22日に第1回を開催し、県内より44事業者が参加、オンラインで90名程度が参加し、214件の商談実績があったとのこと。なお、2月18日に予定している岡山は、そのまま対面にて実施する予定。
一方、デジタルプロモーションについては、2020年の「おきなわ物語Web」およびSNSの配信結果を報告。
「おきなわ物語Web」は、第1波の流行期であった4月～5月にアクセス数が減少。6月～7月前半には増加傾向となったが、8月に県独自の緊急事態宣言が発出され、再び減少に転じており、アクセス数と新型コロナ感染状況が同じように増減している現象がみられた。
コンテンツでは、例年はイベント情報やスポット・サービス紹介へのアクセスが多いが、2020年はイベント情報のアクセスが半減し、替わってニュースと重要なお知らせへのアクセスが増えた。特に、知事からのメッセージ動画へのアクセスが多かった。インスタグラムやFacebookなどのSNSは、フォロワーが増加しており、沖縄への関心が薄れていないと分析している。
ミス沖縄がYouTubeチャンネルの活動報告
ミス沖縄の3名は、コロナ禍において県外への派遣ができないなか、沖縄の魅力を発信するため公式YouTubeチャンネルを開設。自ら動画コンテンツの企画、制作、編集、配信までを手がけており、2020年6月の開設以来、65本以上の動画を配信している。
ミス沖縄スカイブルーの岩本華奈さんは、「この時代だからこそできる発信を行なっていきたい」と意欲を語った。
最後に下地会長は、「昨年2月に沖縄で初の新型コロナ感染者が出てから約1年。4月～5月の緊急事態宣言、8月の県独自の緊急事態宣言、そして年末年始のGo To トラベルの停止と、観光業界にとってかき入れ時に大きなダメージを受けた。
この1年、OCVBではさまざまな取り組みを行なっており、空港でのTACO（旅行者専用相談センター）は実質的な水際対策にはつながっていないが、問い合わせへの細かな対応や、今後はPCRセンターとの連携で水際対策に向け一歩前進できる。プロ野球キャンプなど明るい話題もある。環境の変化に強い観光を目指していきたい」と締めくくった。
