イベントレポート

首里城再建に向けて10月31日から「令和2年度首里城祭」。ツーリズムEXPO初日にはプロジェクションマッピングの先行公開も

2020年10月29日 実施

守礼門で肩を並べる沖縄県知事 玉城デニー氏(中央右)と一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長 下地芳郎氏(中央左)

 世界最大級の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン2020」が10月29日から11月1日までの4日間にわたり、沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)で開催されている。

 その会期初日、沖縄県は来場した各国駐日大使や関係者を首里城に招いて「Night Reception in Shurijo Castle」を実施。焼け残った大龍柱や正殿基壇の遺構、琉球舞踊、プロジェクションマッピングなどを公開した。

 かつて琉球王国の王城として存在した首里城は、これまで何度かの焼失と再建・復元を経て2000年に基礎などの遺構が世界文化遺産に登録されている。2019年10月の火災による全焼までに知られていた姿は1989年から30年かけて実施した復元工事によるもので、さまざまな資料・研究家の調査をもとに、できるだけ当時の正確な姿を再現しようと取り組んできたものだという。

首里城正殿などの以前の様子(2018年1月撮影)

 県と政府によって策定した再建計画では、2020年度中に基本設計とがれきなどの撤去を完了し、2021年度から資材調達などを開始、2022年度から2026年度にかけて本体の工事を行なうスケジュールになっている。

 その際の基本方針として、「正殿などの早期復元と復元過程の公開」「火災の原因究明および防火設備・施設管理体制の強化」「文化財などの保全・復元・収集」「伝統技術の活用と継承」などを挙げており、復元過程自体も観光資源とすることや、再発防止に向けた体制の見直し、首里城跡の保全と価値の周知などによって、首里城周辺も含めた再建機運の醸成・歴史的な街作りを行なっていく。

 なお、10月31日から11月3日まで、復興を祈念してプロジェクションマッピングや沖縄空手演武会などのイベントを盛り込んだ「令和2年度首里城祭」を開催する。プロジェクションマッピングと沖縄空手演武会は事前申込制だが、このほかにも各種イベントを予定しているので、詳細は首里城公園のWebサイトで確認していただきたい。

焼け残った正殿の大龍柱。現在修復中で、資料として保管することが決まっている
正殿の跡地
掘り起こされた遺構
遺構は6月から一般公開している
琉球舞踊(カジャディフウ、カシカキ)の披露も
10月30日から3日間、歓会門、北城郭、広福門、京の内でプロジェクションマッピングを実施する(事前申込制)ほか、沖縄空手演武会(事前申込制)など、首里城復興に向けて気運を高めるイベントを予定している