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NEXCO東日本、決算会見。料金収入は東日本大震災があった2011年度以来の減少で8574億円
休日割引適用除外は「14日で終了と考えている」
2020年6月9日 18:42
- 2020年6月9日 開催
NEXCO東日本(東日本高速道路)は6月9日、2020年度1回目の定例会見・2019年度(令和元年度:令和2年3月期)決算会見を東京・霞が関の本社で開いた。
代表取締役社長の小畠徹氏、取締役兼常務執行役員 総務・経理本部長の荒川真氏、執行役員 総務・経理本部 経理財務部長の吉見秀夫氏が出席し、説明を行なった。
NEXCO東日本での新型コロナウイルス感染症の影響
まず、新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響を速報値で報告。5月26日~6月4日の交通量を前年同時期と比較すると30%前後減少。ちなみに緊急事態宣言解除前の5月で比較すると50%前後減少していたため、少しずつ交通量が戻ってきていることが分かる。
また、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高を同じく比較すると54%の減少。これも緊急事態宣言解除前の5月で比較すると75%の減少だったため、こちらも回復の兆しが見られる。
NEXCO東日本では新型コロナウイルス感染症への予防対策ガイドラインを設け、周知徹底を図っている。SA/PAは最大158エリアで営業時間短縮・休止などの自粛を行なっていたが、ガイドラインを守りながら段階的に通常営業に向けて移行しているところ。工事も全体の契約件数約900件のうち、最大135件を一時中止、延期などしていたが、これも段階的に再開へと動いている。
NEXCO東日本の2019年度(令和元年度)決算概要
2019年度にNEXCO東日本では東北中央自動車道(E13)南陽高畠IC(インターチェンジ)~山形上山IC間(延長約24.4km)を開通。並行する国道13号の渋滞緩和、東北自動車道(E4)とのダブルネットワーク(災害時の代替機能確保、関東圏へのアクセス向上)が構築された。また、常磐自動車道(E6)大熊IC~浪江IC間では常磐双葉ICを開通。復興事業の加速や、葉町中心部からの緊急車両の広域活動、高次医療機関までの所要時間短縮などが図られたという。
老朽化した橋りょうの対策工事やトンネルの補強工事などを行なう高速道路リニューアルプロジェクトでは、東北道 十和田IC~小坂IC間の小坂川橋など、5橋の床版取替工事などを完了。
蓮田SA(上り線)を東京方面に約2.5km移転し、駐車マスを約3倍、商業施設の規模を約2倍と拡大し、「Pasar(パサール)蓮田」(上り線)として2019年7月に開業している。
2019年度の料金収入は、東日本大震災があった2011年度(平成23年度)以来、8期ぶりに減少の8574億円となった。これは前期比25億円減となる。料金収入を含む高速道路営業収益全体では、道路資産完成高(建設した道路資産を独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に譲渡した額)の減少などにより営業収益は、前期比6842億円減の1兆1817億円となった。
2019年度は暖冬だったことから 雪氷対策費用などは減少し、高速道路事業営業利益は前期比65億円増の76億円となり、全事業営業利益は前期比56億円増の100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比58億円増の99億円となった。
2020年度(令和2年度)の連結決算通期見込は、新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが現段階では困難であるため未定としている。
小畠氏は、2019年度は千葉外環(東京外環自動車道 千葉区間)のような大規模な開業がなく、東北中央道などの新規開通・利用増加など増加要因があったものの、10月の台風19号、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったことなどから料金収入の減少が上回ったと説明。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、NEXCO東日本など高速道路各社が6月14日まで実施している休日割引適用除外については、現状国土交通省から特段の要請はなく、「14日で終了と考えている」と述べた。