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【新幹線のフシギ】窓が開かない新幹線で換気はどうするの?
新型コロナの感染リスクを抑えるお尻の下の秘密
2020年5月30日 08:00
- 2020年5月28日 公開
JR東海(東海旅客鉄道)は、東海道新幹線の車両や駅における新型コロナウイルス感染症対策について東京駅と大井車両基地(東京都品川区)で公開した。本稿では車内の換気についてお伝えする。
コロナ禍で在来線では車両の窓開けが定着しているが、新幹線の窓は開かない。停車駅で数分ドアを開閉するだけで空気が入れ替わるとも思えない。JR東海によると、新幹線では車両に設けた空調・換気装置により、走行中も駅に停車中も常に外の空気と入れ替えられているという。
お気づきの方も多いと思うが車内への空気の入口は座席の頭上、荷棚下にある。換気装置を使って外から取り込んだ空気は空調装置で冷やされたり温められたりして、この送風口から車内に至る。
では、車内の空気の出口はどこにあるかというと、座席の下にある。座席を回転させるときに見える回転機構の奥にある吸気口から、車内の空気は換気装置を経て排出される。“計算上”6分~8分で車内の空気はひととおり換気されているとのことで、これは国の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」で定められている基準を満たしたものになる。
ちなみにこの空気を排出する量と取り込む量を合わせることで、車内の気圧を維持している。駅へ停車中に「ブーン」と聞こえる音は、この空調・換気装置(と機器を冷却する装置)が稼働している音なのだそう。