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国産初の連節バス「BAYSIDE BLUE(ベイサイド ブルー)」、横浜ハンマーヘッドで車両公開

横浜駅東口~山下ふ頭間で6月から運行

2020年2月10日 公開

2020年6月 運行開始予定

BAYSIDE BLUE用の日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス。国産連節バス第1号車となる

 横浜市は2月10日、横浜ハンマーヘッド(横浜市中区)において、新たなバス路線「BAYSIDE BLUE(ベイサイド ブルー)」に採用する連節バスの発表会と、関係者による乗車体験を実施した。

 この新路線は2015年に策定された「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」における、「都心臨海部の回遊性を高める新たな交通の導入」を踏まえたもので、地域全体の回遊性を高めることが目的。今後、ベイサイド ブルーを軸に「ピアライン」「あかいくつ」との乗換利便性を強化するなど、既存路線の再編も併せて行なわれる。

「BAYSIDE BLUE(ベイサイド ブルー)」の走行シーン

 ベイサイド ブルーの運行を担当するのは横浜市交通局で、横浜駅東口からパシフィコ横浜、赤レンガ倉庫など水際線沿いを経由して山下ふ頭を結ぶ。運行時間は10時台から19時台で、おおむね30分間隔を予定しており、年間の利用者数は約58万人を見込む。

 使用車両は国産初の大型路線ハイブリッド連節バス「日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス」を採用。これは入札により決定したもので合計4台を導入する。約4億円の導入費用は独自予算に加え、国から二分の一、横浜市から四分の一の補助を受ける。運行開始は6月からの予定となっており、料金やダイヤといった詳細は現在調整中とのこと。

6月から運行開始予定。それまではバス停や道路の整備、乗務員訓練などを実施する
ルートマップとデザイン。上りと下りでルートが異なるのは道路形状と連節バスの特性を考慮してのもの
動力性能
快適性能
乗降性と操作性
安全性能
主要諸元と装備

連節バスで街のシンボルとなるラインを形成

 横浜ハンマーヘッド内CIQホールで行なわれた発表会では、横浜市副市長 平原敏英氏が主催者としてあいさつを行なった。平原氏は導入の経緯として海側に主要な施設が並び、さらにハンマーヘッドなど新施設が続々オープンするといった横浜臨海都心部の構造に触れ、「街のシンボルとなるラインを連節バス車両を活用」し、「海側の施設を結ぶことで新たな交通の軸を形成」すると説明。

 また、「利用者にとって分かりやすく、使いやすく、快適なバスシステム」とすることで、「回遊性の向上や賑わいづくりにつなげていきたい」と述べるとともに、「観光で訪れる皆様に横浜のよさを感じていただきたい」とコメントした。

横浜市副市長 平原敏英氏
イメージイラスト
走行ルート
バス停や待合室も併せて整備を行なう
既存バス路線とのネットワークを強化
臨海部のスポットへのアクセスを向上

 続いて日野自動車車両企画部チーフエンジニア 山口誠一氏が、車両について説明した。山口氏は連節バスについて「1人の運転士で多くの乗客を運べる」とメリット挙げるとともに、日本国内での輸入実績が多い輸入車に比べ「納車までのリードタイム短縮」「国内の道路事情に合せた仕様」「部品の調達などメインテナンス面」など、国産ならではの利点を挙げた。また、ドライバー異常時対応システム「EDSS(Emergency Driving Stop System)」を導入することで安全面にも配慮していると述べた。

日野自動車車両企画部チーフエンジニア 山口誠一氏
開発の背景など
商品特徴
デザイン
幅広扉を採用
バリアフリー対応
操作系は従来車を踏襲
優れた取り回し性を確保
ドライバー異常時対応システムを装備
360PSを発生する「A09C」エンジンを搭載
ハイブリッドシステムを採用

日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス

 いすゞ自動車との共同開発により誕生した国産初の連節バス。8.8リッターの直列6気筒ディーゼルエンジンと90kWの出力を持つモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。ノーマル車と比較すると10%程度の燃費改善が見込めるという。生産はジェイ・バスが担当し、年間17台の製造能力を持つ。カタログ価格は8800万円。

 ベイサイド ブルーで使用する車両は後車室のシート配置を変更しているほか、シート表皮やフロアにオリジナル仕様に、またサイネージの追加などが行なわれている。ブルーの外装はラッピングによるもの。

日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス
ボディサイズは全長17990×全幅2495×全高3260mm。ラッピングとは思えない光沢感のあるエクステリアは存在感抜群
後車扉前と後部にカメラが付く
運転席まわり
7速AMTにはパワーボタンも
赤い大きなボタンはEDSS用
前車室に乗客が操作するためのEDSSボタン
運転席後部パネルは透明アクリルで乗務員の様子が分かるように配慮されている
運転席直後から後方の眺め
前車室用の案内板
右サイドのシートは折り畳み式
前車室後扉
反転式のスロープが備わる
前車室後扉の後方にサイネージを装備
前車室後方から前方の眺め。右側最後部座席は後ろ向きになる
接続部分から後方を眺める
後車室用の案内板
後車室にもEDSS用のボタン。非常電話も装備
後車室前方から後方の眺め
消火器を装備
右側2席(左側)を標準車の1名から2名掛けに変更。着席定員が増えた分、乗車定員が減っている(119名→113名)
後車室の乗降口
後車室最後部から前方の眺め
後車室後方
対面座席となる後部は座席間隔が685mmと広く設定されゆったりとした空間