ニュース

横浜・新港ふ頭の客船ターミナル「横浜ハンマーヘッド」内部を公開。港+商業エリア+ホテルの複合施設

10月31日開業

2019年10月31日 開業

10月31日に開業する、横浜新港ふ頭ターミナル「横浜ハンマーヘッド」

 横浜みなとみらい21新港地区で、新港ふ頭客船ターミナルが横浜市と連携して開発を進めてきた新しい客船ターミナル「横浜ハンマーヘッド」が、10月31日に開業する。

 その開業を目前に控えた10月25日、横浜ハンマーヘッドでプレス向けの説明会を開催するとともに、内部施設を公開した。

「ヨコハマ ウミエキ」がコンセプトの横浜ハンマーヘッド

 横浜ハンマーヘッドが位置する新港ふ頭は、日本初の近代的埠頭として横浜港の中心的役割を担ってきた。その歴史を象徴するのが、横浜ハンマーヘッドの名称の由来にもなっている「ハンマーヘッドクレーン」。1917年に整備が完了した新港ふ頭で、その当時から使われてきたハンマーヘッドクレーンの1号機は、土木学会より選奨土木遺産として認定されており、横浜ハンマーヘッドからもその雄姿を間近に楽しめる。

 その新港ふ頭に完成した横浜ハンマーヘッドは、日本初のホテルと商業施設が一体となった国際客船ターミナルであるとともに、その運営を横浜の地元企業を中心とした公民連携で行なうこと、そして食を中心としたファクトリー機能や体験機能を備えた商業施設を備えている、という3つの特徴がほかの客船ターミナルにはない大きな特色となっている。

 施設のコンセプトは「ヨコハマ ウミエキ」。街と陸・海・空をつなぐ海の駅として、ミナト街全体のさらなる発展を目指すとともに、横浜ハンマーヘッドを訪れる人々が横浜や日本、そしてそれぞれの文化を感じ、港で豊かな時間を過ごす新たな拠点にしたいという。

「建物は完成したが、これから長い物語の始まり」とあいさつする新港ふ頭客船ターミナル株式会社 代表取締役社長 岡田伸浩氏
ハンマーヘッドクレーン。土木遺産にも認定されており、横浜ハンマーヘッドの名称の由来ともなっている
横浜ハンマーヘッドの外観。5階建てで、国際客船ターミナルと商業施設、ホテルが一体となっている。手前は大型客船が接岸する8号ふ頭

 横浜ハンマーヘッドは5階建て。1階には、客船到着時に税関や入出国審査、検疫などの業務を行なうスペースとなる「CIQホール」を用意。約4200m 2 の空間が確保され、客船到着時にはCIQ業務を行なうとともに、客船がいないときにはイベントホールとして活用される。

1階には税関や入出国審査、検疫などの業務を行なう「CIQホール」を用意
CIQホールは約4200m2の空間があり、客船がいないときにはイベントホールとして活用

 CIQホールを隔てた1階と2階の一部が、食をテーマとした体験型の商業施設ゾーン「ハンマーヘッド SHOP&RESTAURANT」となる。こちらには、地元横浜をはじめとした神奈川県の企業の店舗をはじめ、初出店や新業態店舗など全25店舗が用意される。各店舗では、食事やスイーツを楽しめるだけでなく、実際にその場で製造している様子を見学したり、自分で食べ物作りを体験できるといった、趣向を凝らした内容が盛りだくさんとなっており、客船の乗客だけでなく、観光地としても楽しめるものとなっている。

1階と2階の一部に、食をテーマとした体験型の商業施設ゾーン「ハンマーヘッド SHOP&RESTAURANT」を用意
商業施設は食をテーマとして、客船の乗客だけでなく、観光客や地元の人々も楽しめる内容となっている

1階

1階には日本各地のラーメンを楽しめる「JAPAN RAMEN FOOD HALL」を用意
地元横浜のご当地ラーメン「サンマー麺」を提供する「K's collection」をはじめ、札幌味噌ラーメン、博多豚骨ラーメンなどを提供する5店舗が集結
K's collectionの「辛味噌サンマー麺」はピリ辛のあんかけをベースとした、病みつきになる美味しさだ
さまざまなフレーバーのお茶を提供するテースタンド「鹿門港 THE ALLEY」
伊藤園のカフェ「茶寮 伊藤園 横浜」
日本茶や抹茶はもちろん、ここ限定の抹茶を練り込んだワッフルコーンを使ったソフトクリームなどを提供
シーフードやハンバーガーなどが楽しめる、ニューアメリカンレストラン「QUAYS pacific grill」
店内の醸造所で醸造した地ビールや、自家焙煎コーヒーなども提供する
アメリカンスタイルの料理を提供

2階

横浜の定番お土産「ありあけのハーバー」を扱う「ありあけハーバースタジオ」
この場で製造されるありあけのハーバーをガラス越しに見学できる
目玉コンテンツの「Myハーバー」。こちらで写真を撮影して、オリジナルパッケージのありあけのハーバーを購入できる
写真ブースで自由に撮影
撮影した写真が印刷された、船の形のオリジナルパッケージ。お土産としても喜ばれそうだ
鎌倉のお土産「クルミッ子」を扱う「鎌倉紅谷 Kurumicco Factory」
こちらも、クルミッ子を作る様子をガラス越しに見学できる
ここで売られるクルミッ子は、横浜ハンマーヘッドオリジナルパッケージに入れられる
クルミッ子7個分の巨大クルミッ子を作れる体験コーナーもある。こちらはWebでの予約制で、すでに数か月先まで予約で埋まっているそうだ
自由が丘に続いて国内2店舗目となる「ピーターラビットカフェ」
店内はシックな雰囲気で、食事とスイーツを楽しめる
食事を1品注文すると、スイーツとドリンクが食べ放題・飲み放題となる
ピーターラビットのぬいぐるみが出迎えてくれる
店外には、テイクアウト専用のクレープスタンドがある
ピーターラビットのクレープは、ここでしか味わえない
横浜のチョコレートブランド「VANILLABEANS」の横浜ハンマーヘッド店
チョコレートベースのスプレッドを5種類食べ比べられる「バニラビーンズ・トースト」や、クロックムッシュ「黄金フレンチトースト」などここだけのランチ限定メニューを提供
チョコレート製造の様子をガラス越しに見学できるだけでなく、自分だけのオリジナルチョコレートを持ち帰えられるサービス「TAB LABO」も用意
国内3店舗目となる「アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ」
オープンキッチンとなっているので、ピザ窯でピザを焼く様子を楽しめる
ナポリ本店と同じマルゲリータやマリナーラが味わえる
横浜ハンマーヘッドオリジナルのメニューも用意
横浜発のキャラメル専門店「YOKOHAMA CALAMELLABO」の横浜ハンマーヘッド店
こちらも、ガラス越しにキャラメルを作る様子を見学できる
こちらでは、キャラメルを1個試食できる
やさしい味わいの生キャラメルは必食だ

滞在型リゾートホテル「インターコンチネンタル横浜Pier 8」

 1階と2階の一部、そして3階から5階までは、滞在型リゾートホテル「インターコンチネンタル横浜Pier 8」となる。

1階と2階の一部、3階から5階が滞在型リゾートホテル「インターコンチネンタル横浜Pier 8」となる

 ホテルの入り口は、大型客船が接岸する8号ふ頭の反対側に用意し、2階に大型のオープンテラスを備えるロビーラウンジ、3階から5階に客室が用意される。また3階の中央部は吹き抜けとなり、そこに和風の庭園が作られている。

 客室は、窓を全開できる構造となっている点が特徴とのことで、海風を感じながら、横浜の港のよさを体感できるという。また、各階の角を中心に12部屋のスイートルームが用意され、横浜港の景色を堪能できる。さらに、屋上には宿泊者が利用できる約600m 2 の屋外ラウンジ「Rooftop 1859」も用意する。

 横浜グランドインターコンチネンタルホテル 代表取締役会長の堤猶二氏は、現在横浜には世界的に5つ星として認められているホテルが存在しないと指摘しつつ、「インターコンチネンタル横浜Pier 8では、これまでの運営経験を活かして、5つ星のホテルが横浜にもあるということを世界に認めてもらえるように作り上げていくことが我々のチャレンジ」であるとし、横浜ハンマーヘッドの食をテーマとした体験や、横浜周辺の観光施設などと連携して、サービスやソフトを充実させることで、世界に認められるホテルに育てていきたいと述べた。

インターコンチネンタル横浜Pier 8の概要を説明する、株式会社横浜グランドインターコンチネンタルホテル 代表取締役会長 堤猶二氏
ホテルのエントランスは、大型客船が接岸する埠頭とは逆の側に設置
2階のオープンテラスを備えるロビーラウンジで、ドリンクや食事が可能
屋上には約600m2の屋外ラウンジ「Rooftop 1859」があり、景色を楽しみながらカクテルなどを楽しめる
各階のコーナーには、2面の景色を楽しめるスイートルームを配置
低階層ホテルのため、客室の窓を全開にでき、海風を楽しめる点が特徴
3階の内側は吹き抜けとなり、日本風の庭園を用意

 このほか、横浜ハンマーヘッドの開業に合わせて、桜木町駅と横浜ハンマーヘッドを結ぶ新たな市営バス路線「ピアライン」が10月31日より運行開始となることで、新港地区へのアクセスを改善。さらに、ハンマーヘッドクレーンの周辺は公園「ハンマーヘッドパーク」として整備され、2020年春開業を予定している。

10月31日から桜木町駅と横浜ハンマーヘッドを結ぶ市営バス路線「ピアライン」が運行開始
左から、新港ふ頭客船ターミナル株式会社 取締役 小比木歌藏氏、同取締役 藤木幸太氏、同代表取締役社長 岡田伸浩氏、株式会社横浜グランドインターコンチネンタルホテル 会長 堤猶二氏、新港ふ頭客船ターミナル株式会社 取締役 川本守彦氏、野村不動産ホールディングス株式会社 代表取締役社長 グループCEO 沓掛英二氏