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横浜市、連節バス「BAYSIDE BLUE(ベイサイド・ブルー)」運行開始記念式典

2020年7月22日 式典開催

2020年7月23日 運行開始

7月23日から運行を開始する「BAYSIDE BLUE(ベイサイド・ブルー)」。通常運転時は写真の交差点を左折していく

 横浜市は7月22日、横浜ハンマーヘッドCIQホール(神奈川県横浜市)で、連節バス「BAYSIDE BLUE(ベイサイドブルー)」運行開始記念式典を開催した。

 BAYSIDE BLUEは7月23日から運行を開始する新路線で、国産初の大型路線ハイブリッド連節バス「日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス」により運行される(関連記事「国産初の連節バス『BAYSIDE BLUE(ベイサイド・ブルー)』、横浜ハンマーヘッドで車両公開」)。

 運行ルートは横浜駅東口からパシフィコ横浜、赤レンガ倉庫など水際線沿いを経由して山下ふ頭で折り返す。下りは山下公園、上りは中華街付近と一部走行ルートが異なっているため、所要時間と走行距離に若干違いがある。運行時間は平日、土休日とも10時台から19時台。平日はおおむね30分間隔(下り15便/上り16便)、土休日はおおむね20~30分間隔(下り18便/上り18便)で運行される。

連節バス「BAYSIDE BLUE(ベイサイド・ブルー)」

運行開始日: 2020年7月23日
運行区間: 横浜駅前(東口バスターミナル)~山下ふ頭
運賃: 大人220円、子供110円
停留所数: 下り8か所、上り8か所
運行距離: 下り5.95km、上り6.45km
所要時間: 下り34~39分、上り37~47分

運行ルート
運行ダイヤ
既存のバス路線も再編される
使用車両は日野ブルーリボンハイブリッド連節バス。全4台を22名の乗務員で運行する
観光スポット周遊バス「あかいくつ」と、桜木町駅からハンマーヘッドと大さん橋客船ターミナルを結ぶ「ピアライン」用の車両。BAYSIDE BLUEの運行開始により従来路線も一部ルートの再編が行なわれる

連節バス「BAYSIDE BLUE(ベイサイド・ブルー)」運行開始記念式典

 記念式典は新型コロナウイルス感染症対策で、登壇者の前面に透明アクリル板が設置されたほか、招待者席は間隔を広く開けて配置された。

 まず、横浜市 市長 林文子氏が登壇。横浜都心臨海部には「横浜駅周辺、みなとみらい21地区、新港地区、山下公園通り、中華街、元町など、大変多彩で魅力のあるエリア」が連なっているとしたうえで、国産初の連節バスを採用することで「一度に多くのお客さまを魅力あるエリアにお運びいたしまして回遊性を高める」と、BAYSIDE BLUEが新たな交通の軸を作っていくと紹介。

横浜市 市長 林文子氏

 車両についてはほかの路線バスと差別化のため「拡がりのある空と海をイメージさせるブルーに、水面のきらめきを表現する光沢」による単色とし、「2つの波をイメージしたシンボルマーク」を施したと説明。さらに停留所も同デザインを反映することで「利用者の皆さまにとって分かりやすい」工夫を施しており、「横浜市民の皆さまから、初めて横浜を訪れる皆さままで、ぜひ多くの方々にこのBAYSIDE BLUEで横浜港の美しい水際線の景観と街巡りを楽しんでいただきたいと思います」とアピールした。

 また、新型コロナについても触れ、横浜市では感染拡大防止に万全の対策を講じているほか、同時にできる限り早期に社会経済活動を回復させていくために尽力すると説明。合わせて日帰り商品の企画販売や横浜市内での宿泊促進プロモーションを行なっていくとコメント。最後に「新型コロナウイルスと共生する新しい生活様式の中で、横浜市民の皆さまはもとより、市外からも多くの皆さまにお越しになっていただき、このBAYSIDE BLUEをご利用いただきたいと思います。BAYSIDE BLUEが多くの皆さまに愛され、都心臨海部の賑わいの創出に貢献できるように力を尽くして参ります」と締めくくった。

 続いて横浜市会 議長 横山正人氏が登壇。横浜臨海部は人気の観光スポットや大さん橋国際客船ターミナルなどの海の玄関口、さらに今年は横浜パシフィコ横浜ノースが整備されるなど今後ますます発展が期待される地域だと紹介。その反面、海沿いに立地するため鉄道駅から離れておりアクセス面が難点だったが、BAYSIDE BLUEの運行開始により「上手くカバーしてくれると大いに期待している」とコメント。「異国情緒豊かなこの横浜を、近隣やあるいは近県の、あるいは日本のお客さまに大いに楽しんでいただければありがたいと思います」と述べた。

横浜市会 議長 横山正人氏

 最後に横浜市交通局局長三村庄一氏が運行概要を説明。BAYSIDE BLUEの運行ルートは「新しさと歴史が共存する横浜都心臨海部の魅力を、2両連結のゆったりとした車両で存分にお楽しみいただける」と紹介。往路は「横浜駅前(東口バスターミナル)」を起点として「髙島中央公園」「パシフィコ横浜ノース」「パシフィコ横浜」「カップヌードルパーク・ハンマーヘッド入口」「大さん橋入口」「山下公園前」を経て終点の「山下ふ頭」へ。復路は「山下ふ頭」を出発して「山下町」「中華街入口」「赤レンガ倉庫前」「パシフィコ横浜」「パシフィコ横浜ノース」「髙島中央公園」を経て「横浜駅改札口前」が終点。片道の距離は約6km、所要時間は40分程度になると説明した。

横浜市交通局局長三村庄一氏

 使用車両は国産の日野ブルーリボンハイブリッド連節バスを4台導入。これまで国内で走行していた連節バスは輸入車両だったが、日本での走行や保安条件に適した車両を導入することで「メンテナンスなども速やかに対応していただける」と導入のメリットを説明。ただ、全長が約18mと一般のバスより長く、道路運送車両の保安基準において全長は12mまでと定められていることから、関東運輸局および神奈川県警察、道路管理者から特別な許可を得たことにより公道走行が実現。また、運行にあたっては連節バスの運行実績を持つ西鉄グループから「走行特性などをご教示いただいた」ことも明かした。

 続いて「分かりやすく、使いやすく、快適」と事業コンセプトを紹介。「車内では観光案内や乗り換え案内をデジタルサイネージに表示」するほか、「各停留所では運行状況や他の路線への乗り換え情報を提供」「車内のゆったりとした空間はバリアフリーにも適応している」などのポイントを挙げた。

 最後に「BAYSIDE BLUEにも乗車できる一日乗車券は山下ふ頭のバス待合所内に券売機を設置」したほか、「23日からは横浜市営交通初のデジタル乗車券の購入が『my route』アプリでも可能になる」と、乗車券販売の充実についても紹介した。

関係者によるテープカットも実施された
パネル展示
BAYSIDE BLUEの運行ルート
関係者向けに通常とは異なるルートで試乗会を実施。ちなみにLED行き先表示板はシャッター速度が1/125秒以上だと欠けてしまう
こちらは通常時も走行する場所
BAYSIDE BLUEの停留所。車両と同様のデザインが施される
停留所の時刻表と走行ルート
一般的なバスの停留所と比べると停車枠が長い