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ZIPAIRのボーイング 787型機内を写真で紹介。フルフラットシートやギャレー、トイレに特徴
2019年12月19日 14:51
- 2019年12月18日 公開
ZIPAIR(ZIPAIR Tokyo)は12月18日、ボーイング 787-8型機の機内を成田空港で公開した。同社はJAL(日本航空)が100%出資するLCCとして設立され、2020年5月14日に成田~バンコク線で商業運航を開始する予定となっている。
ZIPAIRの機内の特徴については別記事「ZIPAIR、ボーイング 787の機内初公開。フルフラットのプレミアムシート提供。普通席も全席に電源」でもお伝えしているとおりで、本稿でも重複する内容はあるが、より多くの写真とともに機内外を紹介していく。
機内は、上級シートの「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」、普通席の「Standard(スタンダード)」の2クラスで、前者が18席、後者が272席の計290席仕様。運賃などは来春の発表とされているが、 同社代表取締役社長の西田真吾氏は「(ZIP Full-Flatは)1座席あたりの専有面積がスタンダードの約3倍なので、それに見合うような運賃をいただけるとありがたい」と両クラスの価格差についての方向性を示している。
FSCのビジネスクラス並みの装備を備える上級クラス「ZIP Full-Flat」
ZIP Full-Flatは、1-2-1の4アブレストで18席を用意。最後方が両窓側席のみとなるため4席×4列+2席で18席となる。進行方向に対して斜めに座席を配置する、いわゆる“ヘリンボーン”型のレイアウト。シートピッチは42インチ(約107cm)、座席幅は20インチ(約51cm)となる。
シートはジャムコ製で、180度水平のフルフラット化が可能。カバーは本革。黒を基調に、壁にはライトグレーを配するデザインで、後述のスタンダードと共通のカラーコンセプトになっている。
中央の2席はJALが運航するSKY SUITE仕様のボーイング 777-200ER型機のような足下で交差するタイプではなく、各席が独立したもの。中央の隣接する2席の間には前後にスライドするディバイダ(パーティション)を備えている。
通常姿勢~フルフラットのリクライニングは電動で調整可能。そのほかシートまわりには、ユニバーサルAC電源、USB電源、手元の読書灯などを装備する。
収納スペースは多めで、オットマン下の足下スペースやサイドテーブルのほか、サイドテーブル上部にペットボトルなどを置けるボックス状の収納スペース、膝付近にはスマホなどを入れるのに便利そうなポケット、そしてFSC(フルサービスキャリア)であればシートモニターが設置されている箇所にも書籍用ポケットを装備している。
全席電源装備の普通席「Standard(スタンダード)」。ギャレー配置にも工夫
スタンダードシートは3-3-3の9アブレストで272席を用意。シートピッチは約79cm(31インチ)、座席幅は約43cm(17インチ)となる。カバーは人工皮革だが、黒を基調とし、シート裏面などにはライトグレーを配する機内で統一されたカラーコンセプトとなっている。
シートはレカロ製で、調整可能なヘッドレストを装備する。リクライニング角はそれほど深くないが、通常の状態でも適度なリクライニング角がつけられている。
スタンダードは2エリアに分かれているが、このエリアの間……ドアでいうと3番目のドアのスペースになるが、ここもJAL機として使われていたときから変更されている。JALの国際線仕様機として使われていたときには、ここにもギャレーがあったが、ZIPAIRでは荷物棚として最小限のスペースに留めている。
シートテーブルの上部にはタブレットやスマホを立てられるスタンドを装備。ここにはカップホルダーも備えており、シートテーブルを広げることなく寛げるよう意識したデザインになっている。
収納は足下にシートポケットを装備。2層構造で、手前は2つの小さなポケット。ポケットのマチは大きめなのでペットボトルなども入れやすい。
シートテーブルは2段階で広げられるもの。サイズなどはエコノミークラスとして標準的な印象だ。そして、最前列以外はシートテーブルの脇にユニバーサルAC電源とUSB電源を装備している。電源はやや下向きで、シートテーブルを出して利用する際に干渉しにくいよう工夫されていることを感じられるが、それでも奥行きのあるACアダプタだとシートテーブルと干渉する可能性がある。ちなみに最前列は足下にAC電源とUSB電源を装備している。
トイレも特徴。ウォシュレット付きやコネクティングラバトリーなど
機内のそのほかの特徴としては、ラバトリー(トイレ)が挙げられる。トイレは最前方に1か所、ZIP Full-Flatとスタンダードの間(2番目のドア付近)に4か所、最後方に2か所の計7か所を用意する。
特徴は、西田社長が「普段の生活と変わりなくお使いいただける」とアピールするウォシュレット(温水洗浄便座)を装備するラバトリーを3か所設けていることと、コネクティングラバトリーを備えること。
ウォシュレット付きは最前方の1か所、2番目のドアの窓側寄り2か所に装備している。
コネクティングラバトリーは、2つのラバトリーをつないで1つの大きな多目的トイレとなるもので、車いすユーザーなどの利用を想定している。2番目のドアの機体中央2か所のラバトリーを接続できるようになっている。
ギャレーは最前方、2番目のドア付近、最後方の3か所。いずれもホットミール用のオーブンを備えているほか、最前方ギャレーにはレンジも設置。LCCなので機内食はオーダー制になると見込まれるが、ホットミールを提供できる準備は整っている。なお、機内サービスの正式発表は来春予定としている。