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スカイマーク、初の国際定期便サイパン線を就航。佐山会長「来年はパラオ。いつかは欧米へ」

2019年11月29日 就航

スカイマークが成田~サイパン線を就航した

 スカイマークは11月29日、同社発の国際線定期便として、成田~サイパン線を就航した。機材はボーイング 737-800型機(177席)で、毎日(1日1往復)運航する。

 同社は、2019年に入ってからサイパンへの国際チャーター便をたびたび運航しており、実績を重ねるとともに定期便化の検討を進め、およそ一月前の10月24日に就航を正式発表していた(関連記事「スカイマーク、成田~サイパン線を11月29日から毎日運航。キャンペーン価格は片道3800円。『市場をもう一度育てる』」)。

チェックインカウンターは第1ターミナルの北ウイングに
21番ゲートで出発を待つ初便
スカイマークの成田~サイパン線運航ダイヤ(2019年11月29日~2020年3月28日)

BC811便: 成田(10時15分)発~サイパン(15時00分)着、毎日運航
BC816便: サイパン(16時35分)発~成田(19時30分)着、月・火・水・木・金・日曜運航
BC816便: サイパン(17時05分)発~成田(20時00分)着、土曜運航

 この日の初便は満席。代表取締役社長の市江正彦氏は式典のなかで、国際線の就航先選定にあたって候補地はいくつかあったものの、「ほかと同じところではなく、『唯一我々だけが行ける』という基準で選んだ」と話した。2018年5月にデルタ航空が成田~サイパン線を運休して以来、日本からの直行便は途絶えていたが、北マリアナ諸島自治連邦区の関係者からは「ぜひ日本からの直行便を」とラブコールを受けており、さまざまな支援もあって同社の定期便化にこぎ着けたという。

 市江氏は「創業以来初めての国際定期便で、ようやく新しいステージに入った。サイパンに行ってよかったと思ってほしいし、必ずそう思っていただけるはず」と述べて、国際線参入の喜びを表現した。

 式典のために来日した北マリアナ諸島自治連邦区 知事のラルフ・トーレス氏は、「サイパンの住民はスカイマークに期待している。初めての直行便にサイパンを選んでくれたことを誇りに思う」「マリアナの観光の歴史は日本からの投資と利用者によって拓かれた。スカイマークの成功はマリアナの成功でもある。歴史的にも古い友人として、結びつきを強化していくことを約束する」として、日本からの直行便が再び就航することに感謝を述べた。

スカイマーク株式会社 代表取締役社長 市江正彦氏
北マリアナ諸島自治連邦区 知事 ラルフ・トーレス氏
関係者によるテープカット
両端にスカイマークのパイロットとCA(客室乗務員)、中央に佐山会長が加わった記念撮影。右から、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏、北マリアナ諸島自治連邦区 知事 ラルフ・トーレス氏、スカイマーク株式会社 代表取締役社長 市江正彦氏、スカイマーク株式会社 取締役会長 佐山展生氏、千葉県 総合企画部 次長 中村耕太郎氏、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 田村明比古氏

 式典には登壇しなかったものの、ゲート前に駆けつけた取締役会長の佐山展生氏は報道陣に対し、「次は以前から話しているようにパラオ。来年(2020年)にチャーター便から始めたい。そして、いつかは欧米に就航できれば」と今後の国際線展開に意欲を見せた。欧米路線となると新機材の投入も見込まれるが、その点については未定としつつ、話を引き継いだ市江氏は「まずは現状のボーイング 737で飛べるところから」と述べ、現状の機材でカバーできる範囲から就航地を増やしていく方針を示した。

 搭乗が始まると、記念品が受け取った初便の乗客が次々と機内へ。満席の初便は10時20分にブロックアウトすると放水車によるウォーターキャノンを受けつつ滑走路へ進み、11時46分にサイパンへ向け離陸した。

市江氏が記念品を手渡した
プッシュバックするBC811便
放水車がスタンバイ
ウォーターキャノンの祝福を受けるBC811便
サイパンへ向けてテイクオフ