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東京ディズニーシー、空飛ぶアトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」公開

読みつつ並べば、もっとカメリア・ファルコが好きになる情報をお届け!

2019年7月17日 報道公開

2019年7月23日 オープン

東京ディズニーシーで7月23日にオープンする新規アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」が報道陣にお披露目された

 オリエンタルランドは、東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーに新規アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」を7月23日にグランドオープンする。同アトラクションは、海外のディズニーテーマパークで高い人気を誇る「ソアリン」に、東京ディズニーシーのオリジナル要素をプラスしたもの。

 シミュレータータイプのアトラクションで、年齢を問わず楽しめる内容が特徴。「ドリームフライヤー」と呼ばれるライドに乗り込み空や風を感じながら世界各地の名所を巡ることができる。体験時間はメインショー約5分。乗車定員は1シアターあたり87名。シアター数は2。総投資額約180億円となっている。オープンに先駆けて報道公開されたので、その様子をお届けする。

空飛ぶ乗り物「ドリームフライヤー」の模型

 新たにオープンする「ソアリン:ファンタスティック・フライト」は、メディテレーニアンハーバーの静かな丘に位置している。空を飛ぶという人類の夢を称える特別な航空博物館「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」である同館では飛行の研究に情熱を注ぎ、未来を夢見て努力をし続けていたカメリア・ファルコという女性の人生を振り返る展覧会を実施中だ。

 今回は特別に、カメリア・ファルコが女性初の会員となった冒険家・探検家学会「S.E.A.(Society of Explorers and Adventurers)」所属の広報官・空田飛造氏が博物館を案内してくれることに。前述した「S.E.A.」は、冒険家や探検家だけでなく、芸術家や科学者、技術者らなど新たな知識を探求し続ける人々からなり、レオナルド・ダ・ヴィンチやフェルディナンド・マゼランズも会員だったという。研究などで得た知識を多くの人々と共有しようとの考えから、本拠地「エクスプローラーズ・ランディング」にて「フォートレス・エクスプロレーション」を開放しているという。

「S.E.A.」の広報官・空田飛造氏が博物館内を案内してくれることになった
本拠地「エクスプローラーズ・ランディング」。「フォートレス・エクスプロレーション」では学会の詳細が掲載された冊子も配布中

 カメリア・ファルコが2代目の館長として運営を行なっていた「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」を、彼女亡きあと意思を受け継ぎ管理しているのが「S.E.A.」。今回、同学会が彼女の生誕100周年を記念し開催する特別展の鑑賞が訪問の最大の目的。と、その前にカメリア・ファルコについても知識を増やすことに。カメリア・ファルコは1801年生まれ。熱気球に乗り世界を巡り、飛行の研究に情熱を注いだ人物。空飛ぶ乗り物を開発し、多くの功績を残したという。展覧会は、彼女の功績を称え実施。冒険先でのスケッチや研究成果などをじっくりと鑑賞することができる。目玉となるのが、仲間とともに開発した空飛ぶ乗り物「ドリームフライヤー」の展示。飛行に対する探究心と情熱、そしてイマジネーションと夢見る力により完成した同ライドが間近で見れるのだ。

 早速、「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」へ。ステンドグラス風のエントランスや、カメリア・ファルコが旅で利用した熱気球をイメージさせる特製ランプの造形が美しい。敷地内へ進むと、博物館を創設したチェッリーノ・ファルコの名前とグランドオープンした1815年を示すローマ数字、そして「飛行への精神に捧げる」と刻まれた定礎を発見。周囲にはロウで固めた鳥の羽根で有名なギリシャ神話のイカロスらのレリーフをはじめ、見どころもたっぷり。

美しい「ソアリン:ファンタスティック・フライト」のエントランスデザイン
ランプはカメリア・ファルコが世界を巡る際に利用した熱気球を彷彿させる造形
気品あふれるキャストのコスチューム。ベストには鳥の羽根の模様、ネクタイには鳥が。胸元には「S.E.A.」のエンブレム
定礎に「飛行への精神に捧げる」や創立者の名前が刻まれていた
トラッシュカンもしっかり「S.E.A.」デザイン。鳥のシルエットも

 その先には大きなハヤブサの彫像が鎮座。カメリア・ファルコの家族であり親友でもあったアレッタがモデルとのこと。飾られたバナーは、生誕100周年を祝う特別展開催を伝えるもの。「ドリームフライヤー」、カメリア・ファルコの肖像。そしてアレッタがそれぞれ描かれていた。

 中庭を進み、階段を経ていよいよ博物館の中へ。入り口付近には偉大な先人たちと発明品が描かれていた。レオナルド・ダ・ヴィンチの羽ばたき飛行機が描かれているなど、先ほどの「フォートレス・エクスプロレーション」での展示物と関連が深い成果も紹介されていた。

ハヤブサのアレッタの姿をイメージした彫像
3枚のバナーには展覧会開催のお知らせ
階段を下った先の中庭には先人たちと発明品を紹介

 ロビーには、レセプションがあり訪れるゲストを重厚感のある館内へと導いてくれる。 カウンター周辺には、記帳用ノートや鳥のあしらわれたペン。そしてガイドなども。左右にはファルコ家の紋章と、「S.E.A.」の紋章が飾られている。

ロビー内へ。レセプションがあり、受付には記帳するためのノート。奥にはガイドなども
左右には「S.E.A.」とファルコ家の紋章。こちらは羽根が印象的なファルコ家のもの
向かって左側は「S.E.A.」の紋章

 ここには博物館の歴史にまつわる品々が飾られ、起工式や定礎式、オープニングセレモニーの様子を描いた絵画が並ぶ。カメリア・ファルコの少女時代の姿も。オープニングセレモニーのシーンでは、黄色のドレスを着た少女が彼女だ。腕にはアレッタの姿も。リボンカットする男性は、父親のチェッリーノ・ファルコ。飛行研究に関する造形が深かったチェッリーノは、自身の所有する飛行関連のコレクションを展示することで、人々の飛行に対するチャレンジ精神、イマジネーションを称えるとともに共有しようと博物館を建てたという。リボンや書類などもじっくり見てみよう。

 また、開館後は海外から多くの訪問者を迎えていたため、歴史を感じる絵画も多数。ハワイ、インド、アラビア、ロシア、日本からの人々が訪れている様子と父親の代からカメリア・ファルコの代へと館長が受け継がれる流れも見て取れる。

オープニングセレモニーの絵画やリボン、書類などを展示
起工式と定礎式。先ほど見た土台石も
海外からの訪問者とのワンシーンも描かれていた

 続いてはロタンダでの常設展「飛行へのインスピレーション」を鑑賞。中央にそびえるオベリスクと高い天井にドーム。周囲を囲むコレクションや壁画で、足を踏み入れた瞬間から圧倒される空間になっている。展示された古代エジプト期の記念碑であるオベリスクには、鳥や虫など空を飛ぶ生き物を模した象形文字が刻まれている。「S.E.A.」が展示用に製作した土台には紋章が。「冒険」「ロマンス」「発見」「発明」と「S.E.A.」が重きを置く4つの事柄を象徴的なものに置き換えて表現したレリーフとなっている。ガリオン船(ガレオン船)やアーミラリー天球などのモチーフは同じだが、よく見ると通常のデザインとは異なり羽根や鳥など空と関連性のあるモチーフも組み込まれている。実は、大航海時代に海洋探検からスタートした「S.E.A.」の研究対象が空の分野まで広がってきたということが見て取れるのだ。

中央にそびえるオベリスク。鳥や虫など空飛ぶモチーフの象形文字が刻まれていた
こちらは「冒険」を意味する「ガリオン船」。羽根が生え、空へと舞い上がるようなデザイン

 コレクションは4つのカテゴリーに分類し展示。「歴史」「生物学」「考古学」「技術」に分かれ、目を見張るコレクションが並ぶ。魔法の絨毯の切れ端や、ホウキ。採取した植物、飛行にまつわるテクノロジなどを時間をかけて堪能できる。上を見上げると8枚の印象的な壁画が。いつの時代も世界中で空を飛ぶことは一つの夢であり、イマジネーションを膨らませる題材だったため、その空想と願望、夢が描かれているという。

ファルコ家のコレクションが飾られている。こちらは「歴史」
空飛ぶ鳥たちに化石、採取した植物が飾られた「生物学」
大きな壺や空飛ぶ絨毯の切れ端らしき布を鑑賞できる「考古学」
空を飛ぶために利用可能な「技術」を図などで解説

 そして、いよいよカメリア・ファルコの生誕100周年を記念する特別展示が開催中のギャラリーへ。正面には、大きな肖像画とアレッタの彫像が飾られ、訪れるゲストを迎えてくれる。周囲には、幼少期の彼女と家族を描いた絵画に、熱気球で世界を旅したときの記録。そして「S.E.A.」初の女性会員に認められた際の記念メダルなどを展示。その内容は時間が足りないほどの充実ぶり。

生誕100周年特別展を示すバナー。この先がギャラリーとなる
正面には肖像画と彼女の愛したアレッタの像も
ギャラリーには、カメリア・ファルコにまつわる貴重な資料を展示

 ギャラリーを楽しんだあとは、本展覧会のハイライトである「ドリームフライヤー」を展示する屋外テラスへ。見学するはずが、不思議な力に導かれるようにライドへと乗り込みあっという間に上空へ。気づくと雲の上におり、壮大な空の旅が始まった。その先には、「イマジネーションや夢を見る力があれば、時空を超え、どこにでも行くことができる」と信じていたカメリア・ファルコの思いが込められた「ドリームフライヤー」と自身のイマジネーションや夢見る力が合わさり、ダイナミックで爽快な時間が待っていた。気がつくと、先ほどまでいた屋外テラスに戻っていた。まるで夢のような出来事に、誰もがもう一度博物館を訪れたくなるはずだ。

屋外テラスに展示されている「ドリームフライヤー」
まるで鳥のように、世界の絶景を眺めながらファンタスティックなフライトが楽しめる (画像提供:オリエンタルランド)

 大充実のコレクションと特別展示を楽しんだあとは、大きな壁画がゲストを見送ってくれる。「あなたが夢を追い、空高く羽ばたけますように」の言葉が綴られていると、空田氏が教えてくれた。特別展示を鑑賞、空の旅のあとに改めて読むと感慨もひとしお。

博物館の出口付近には巨大壁画があり、印象的な言葉が綴られていた

 なお、アトラクションオープンの7月23日よりデジタル版「ディズニー・ファストパス」の取得が可能となる。スマートフォンに公式アプリ「東京ディズニーリゾート・アプリ」をダウンロードすると、「ディズニー・ファストパス」をスマホ経由でサクッと取得できる。もちろん新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」も対象だ。実際に取得した様子は別記事にてお届けする。